品川で本に出合う旅へ。読書がもっと好きになる5つのスポット
ラウンジやカフェでゆったり読書したり、読書会で好きな本を紹介し合ってみたり、書店で買って読む意外にも本の楽しみ方はさまざま。今回は、本や読書にまつわる品川区内のおすすめスポットをご紹介します。(2026.9.30公開)

1. 蔵書数は2万5000冊!ホテル併設ラウンジでゆったり読書 「The Library Lounge」(天王洲)

天王洲アイル駅直結のホテル「ANAホリデイ・イン東京ベイ」。1階にある「The Library Lounge(ザ ライブラリーラウンジ)」は、仕事に、読書に、思い思いに時間を過ごせるラウンジです。
2025年のホテルの開業に合わせ、ホテル利用者以外も気軽に訪れることのできる場所としてブックラウンジが構想されたのだとか。

何よりも目を引くのは、2万5000冊の蔵書。見渡す限り、本がぎっしり詰まった本棚が並ぶ様子は圧巻です。書籍、漫画、絵本や児童書、アートブックなどをそろえ、毎月10~15冊ほどが追加されています。
一部の漫画は英語版や中国語版も用意し、人気作品を多言語で読めるユニークな読書体験は、空港にもほど近いホテルのラウンジならではです。

同ラウンジの大きな特徴の一つは、充実した飲食サービス。時間制プランの料金内に、55種類のドリンクバー、スナックバー、冷凍食品や選べるアイスクリームが含まれています。さらに平日ランチタイム限定で、カレーやパスタ、サラダも用意。こちらも料金内で利用することができます。

料金は、ソフトドリンクプラン(平日1時間=1,650円)、アルコール付プラン(平日1時間=2,750円)、小学生以下が対象のキッズプラン(平日1時間=550円)などで、6歳以下は無料。仕事帰りにお酒を飲みながら読書、なんて使い方も可能です。

開放感のある空間には、計122の座席を設けています。大きなガラス窓に面した席や、ゆったりとしたソファー席、2人掛け席などから、その日の気分や目的に合った席を選ぶことができます。人気なのは、全5室の半個室。作業に集中したい時や本に没頭したい時にぴったりの空間です。
また、全席に高速Wi-Fiとコンセントを完備し、どの席を選んでも充電やパソコン作業に困ることはありません。

同ラウンジのSNS運用などに携わる平下梨奈さんに、ラウンジが一望できる2階からの眺めをおすすめしてもらいました。本棚がまるで迷路のよう! たくさんの本の中からなにを読もうか、ワクワクしますね。

「夏休み期間中は、お子さんにも多くお越しいただきました。皆さん、熱心に本や漫画を読んで過ごしていましたよ」と話してくれたのは、総支配人の椎名晴信さん。オープンから1年が経ち、ビジネスパーソン、親子連れ、カップルなどさまざまな人々に親しまれています。
予約も会員登録も不要。思い立ったそのときにふらっと立ち寄れるブックラウンジで、ちょっと特別な読書時間を過ごしてみては。
The Library Lounge ・住所 東京都品川区東品川2-3-15 ANAホリデイ・イン東京ベイ内1階 ・電話番号 03-6701-8856 ・営業時間 10:00~22:00(最終入場21:00) ・URL https://thelibrarylounge.jp/
2. 住宅街にたたずむ、ちょっと素敵なものが見つかる本屋さん 「フラヌール書店」(不動前)

目黒線・不動前駅から商店街を抜けた住宅街にある「フラヌール書店」。店名の「フラヌール」はフランス語で「遊歩者」を意味します。
かつて五反田にあった「あゆみBOOKS」など大型書店での勤務を経て、書店のコンサルタント業も手がける久禮(くれ)亮太さんが店主を務めるお店です。

店内は優しいピンク色の壁と、木の温もりを感じる本棚が印象的。久禮さんが手作りした本棚には、文芸、人文、社会、ビジネス、芸術、料理などの暮らしの本や、児童書、絵本などが並びます。
棚の各所には、一般的なジャンルの名称ではなく「どこか遠くへ」「働くって何だっけ」など、まるで話しかけられているかのような見出しが付いています。
「壁を白ではなくピンクにしたのもそうですが、形式的なお行儀のよい空間に整え過ぎてしまうと、ハードルが高く感じられてしまうかなと。いろんな分野の本を扱っているので、本棚の間を自由に歩きながら、いろんな気持ちを感じてほしいんです。緊張せず、くつろいだ気持ちで過ごしてもらえたら」と久禮さん。

品ぞろえについては「日常の近くにある非日常」という感覚を意識しているそうです。「生活上のニーズに応えるだけではなく、ちょっと素敵なものが見つかる場所でありたいですね」と話してくれました。
また、新刊のサイクルが早い出版業界の中で同店が大切にしているのは、ロングセラー。時代が流れても出合うべき本を、長く届ける場所としての役割を果たしたいと考えているそうです。

店内には小さなギャラリーもあり、写真やイラスト、絵本の原画などの展示も開催しています。
「本は私が選んでいますが、展示はその時々でご縁のあった方にお任せしています。新しいお客さまが来店するきっかけにもなっています」(久禮さん)

2023年にオープンした同店。約20年前から不動前に住む久禮さんですが「地方出身の自分にとって、店を通してこの街に『定住した』という気持ちがより強くなった」と話します。
近所の常連さんから、遠方に住む本好きの方まで、毎日さまざまな人が訪れる町の本屋さん。ここに来れば、ちょっと素敵な本が見つかるかもしれません。
フラヌール書店 ・住所 東京都品川区西五反田5-6-31ピュアコート102 ・電話番号 03-6417-0302 ・営業時間 12:00~20:00 ・定休日 水曜、第1・第3火曜日 ・URL https://flaneur.base.ec/
3. セレクトショップ併設のカフェで出合う新しい本、新しい価値観 「Little Happiness」(目黒)

目黒駅から徒歩3分、ドレメ通り沿いにある「Little Happiness(リトルハピネス)」は、日本のデザイナーズブランドを中心にそろえるセレクトショップです。2011年に目白で開業し、2016年に現在の場所に移転オープンしました。

店内の一角には、コーヒーやスイーツを楽しめるカフェ「My Little Happiness(マイリトルハピネス)」が同居しています。入り口には選りすぐりの本が並び、購入後、カフェでゆっくり読書を楽しむことができます。

店を経営するのは大野さんご夫妻。カフェスペースを受け持つ妻の実央さんは「人が集まる空間を作りたくて、2016年の移転オープンと同時にカフェを併設しました。自分が『素敵だな』と思うものを、訪れた人と共有できるサロンのような場所にしたいという思いがあったんです」と話します。

店内に本が並ぶようになったのは、2022年の夏のこと。きっかけは実央さんの育児休業でした。
当時、本の出張販売と書店のコンサルタントをしていた「フラヌール書店」の久禮さんと共通の知人を通じて出会い、まだ現店舗のオープン前だった「フラヌール書店」を休業中のカフェスペースで開くことになったのです。
「昔から本が好きで、いつかお店に本を並べられたら、と思っていました」と実央さん。カフェの再開後も、本を置き続けることにしました。
本は、趣味や文化、暮らしに寄り添う魅力的なラインナップ。洋服を見に来たお客さんやカフェを訪れた人々が思わず購入していくこともあるそうで、お店の中に新しい会話を生み出しています。

店内ではオリジナルのZINEの販売も。「Little Happiness」を通じて知り合った人達と制作したZINE「little note」は、現在3号まで刊行しています。

2025年からは新たな試みとして、読書会などのイベントもスタートしました。主宰するのは、各地で「哲学カフェFIKA」の屋号で読書習慣の推進活動をしている高橋淳さんです。
読書会では、参加者がそれぞれお気に入りの本を持ち寄り自由に紹介し合います。自分一人では出合わなかったような本や価値観に触れられる機会として好評です。
同じく高橋さんが主宰する「哲学対話」では、おすすめの本の紹介もしながら、「幸せ」や「結婚」といった身近でありながらじっくり考える機会の少ないテーマについて、参加者同士で語り合います。

「普段は話す機会がないような話題も、本が手元にあると不思議と深掘りして話せるんです。この場所を通して、生活が少し豊かになるような時間を過ごしてもらえたら嬉しいですね」(実央さん)
服を探すため、お茶を飲むため、あるいは新しい本や価値観と出合うため。「リトハピ」の扉を開けば、きっとあなたの日常を少しだけ新しくしてくれる、素敵な出会いが待っています。
Little Happiness(My Little Happiness) ・住所 東京都品川区上大崎4-4-9 グリーンパーム目黒 1F ・電話番号 03-6417-9297 ・営業時間 11:00〜20:00 ・定休日 月曜 ・URL https://www.instagram.com/littlehappinessmeguro
4. 日本の作品とは一味違う絵本がたくさん 洋書絵本専門店「Read Leaf Books」(新馬場)

京急線新馬場駅から徒歩5分、旧東海道から八ツ山通りに向かっていくと見つかる洋書絵本専門店「Read Leaf Books(リードリーフブックス)」。月に4〜7日程度の不定期営業です。

店主の芦葉(あしば)盛晴さんは、約20年間、いくつかの書店で勤務したのち、個人で洋書絵本の輸入を開始。2019年にオンライン書店を立ち上げました。
「徐々に増えていく在庫を保管するスペースが欲しくなり、実際に手に取って絵本を選びたい方のニーズを叶えられる場所も作りたくて、2023年に実店舗をオープンしました」と芦葉さん。現在では約700冊をそろえています。

お店のロゴには、絵本を読む可愛らしいネズミが。芦葉さんが書店員時代にらくがきしていたイラストをそのまま使っています。

店内にはアメリカやイギリス、スペインの絵本がずらりと並んでいます。「絵本は出版社のオンラインカタログや海外の書籍取次会社が公開するリストなどを確認し、著者のプロフィールも加味して選んでいます」と芦葉さん。同店では出版の年代を問わずに絵本をセレクトしています。

洋書絵本のほかにも、組み立てるとミニチュアの本や本棚が完成する「紙の本セット」(200円)や、「紙の本ばこ」(600円、価格はいずれも2026年9月時点)の販売も。全て「ペーパーアートデザイナー」のPOLYGONBEE(ポリゴンビイ)さんの作品で、店内にもディスプレイされていますよ。

芦葉さんにおすすめの絵本を伺ってみました。紹介していただいたのは、スペイン語の絵本「Volver a mirar(空を見る人)」(5,500円、価格は2026年9月時点)。メキシコの絵本作家アンドレス・ロペスさんの作品です。
「労働者の男性が空に興味を持って空を見上げるお話です。ストーリーは淡々とした内容なのですが、絵本の中で描かれる風景の外まで想像が膨らむ点に魅力を感じました」(芦葉さん)
日本の作品とは一味違う絵柄やストーリーの絵本がそろう同店。月ごとの営業日は公式サイトやインスタグラムで発信中です。まずはそちらをチェックして、ほかではあまり見られない絵本を探しに足を運んでみてはいかがでしょうか。
Read Leaf Books ・住所 東京都品川区北品川2-26-11 ハイツ北品川 1F-B ・営業時間 14:00~18:00(不定期営業) ・URL https://www.readleafbooks.com
5. ホットドッグとスコーンが絶品!旅に出たくなるブックカフェ 「KAIDO books & coffee」(北品川)

京急線新馬場駅から徒歩5分、北品川商店街に店を構える「KAIDO books & coffee(カイドー ブックス アンド コーヒー)」。店内にある1万冊以上の本を自由に読めるブックカフェです。
店主は品川区出身の佐藤亮太さん。なじみの深い北品川エリアを盛り上げたいという思いから、2015年に同店をオープンしました。

1階はベンチ席や注文カウンター、本棚などを設けます。レジの向かい側のスペースでは、絵画の展示やスパイス専門店とのコラボイベントなど、さまざまな催しを展開しています。

2階は、壁面いっぱいの本棚に本がぎっしり! その多くは、街道についての書籍を扱う古書店「街道文庫」を運営していた田中義巳さんから譲り受けたもの。ガイドブックなどを置く1階に比べると、ちょっとディープな本が並んでいます。

店名の「KAIDO」は、店が面する旧東海道にちなむもの。東海道や中山道といった街道についての本や、旅、街歩き、冒険に関する書籍が並び、眺めているだけでもなんだか遠くに行きたい気分になってきます。

同店はフード、ドリンクも充実しています。オープン当初はコーヒーがメインのお店でしたが、お客さんからの「カフェなら軽食はないの?」という声をきっかけに、サンドイッチなど気軽なものから提供するようになりました。
その後ホットドッグも出すようになり、「どうせやるならおいしいものを提供したい!」と、佐藤さんはソーセージを手作りすることに。近隣の精肉店に相談しつつ独学で作り方を研究し、皮に詰めずにハンバーグのように形成して焼き上げる、ゴロゴロっとしたひき肉の食感が食べ応え抜群なソーセージを開発しました。
定番人気のKAIDOドック(1,100円)は、自社のパン工房で製造するソフトフランスパンに、ジューシーな自家製ソーセージを挟んだ1品。フレッシュなスライストマトと濃厚なチーズをトッピングし、それぞれの具材が引き立て合う、大満足なホットドッグです。
なすみそドッグ(1,200円)や、ニンニクの効いた「チミチュリソース」を合わせたチミチュリドッグ(1,100円)など、ほかの味も気になります…!

「生スコーン」も看板商品の1つ。生地に生クリームをたっぷり混ぜ、外はサクッと、中はしっとりとした食感に仕上げています。「スコーン=パサパサ」というイメージを持っている人が食べたら、あまりのしっとり感に驚いてしまうはず。
添えられたクリームチーズを付けて食べると、もったり濃厚な食感とほのかな酸味が加わり、より一層味わいに深みが出ました。
テイクアウト用スコーンも販売していますが、平日でも午前中には売り切れる種類が出るほどの大人気商品です。

「苦しい時期は何度もありましたが、これまで店を続けて来られたのはお客さんや近隣のお店など、周りの助けがあったからです」と振り返る佐藤さん。「このエリアがもっと楽しく盛り上がればいいなと思って店を開きました。この思いは昔から変わっていません。北品川の活性化のために、今後も尽力していきます!」と意気込みを見せてくれました。
かつて多くの人々が行き交った旧東海道・品川宿。その地に店を構える「KAIDO books & coffee」でたくさんの本に囲まれながら、のんびりしたり、旅に思いを馳せてみたり、豊かな時間が過ごせそうです。
KAIDO books & coffee ・住所 東京都品川区北品川2-3-7丸屋ビル 103 ・電話番号 03-6433-0906 ・営業時間 平日=9:00〜17:30、土曜、日曜=9:00〜18:00 ・定休日 月曜、火曜 ・URL https://www.instagram.com/kaido_booksandcoffee/
店主のセンスが光る書店で本を選ぶ。ラウンジやカフェでゆったりと読書を楽しむ。お気に入りの1冊をおすすめする、される。自分の好きな方法で、本との新しい出合いを探してみてください。
※記事中の店舗情報は2026年9月時点の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。
取材: 並木江梨加(The Library Lounge) 小黒悠(フラヌール書店、Little Happiness) 梶原たくま(Read Leaf Books) 阿部夏美 (KAIDO books & coffee)
編集:ノオト
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