【しなにゃん散歩】さまざまな映画・ドラマに登場する“あの交番”は実は…

しながわ観光協会の公式キャラクター「しなにゃん」が品川区内の映画・ドラマのロケ地となった場所へ案内する「しなにゃん散歩」。

今回は、映画やドラマの“交番”シーンでたびたびスクリーンに登場する、品川区・旧東海道沿いの小さな建物を訪ねます。

2024年にNetflixで配信された映画『忍びの家 House of Ninjas』や、2017年放送の日本テレビ系ドラマ『過保護のカホコ』などの作品で「交番」として使われたことで、映像ファンの間でも知られるスポットです。

旧東海道・品川橋付近(品川区南品川1丁目)

現地は旧東海道の風情が色濃く残る「品川橋」付近。歩道沿いにはベンチや東屋あずまやが配され、昼間は近隣で働くサラリーマンやまち歩きを楽しむ人々がひと息つく憩いの場になっています。

特に春先は、橋のたもとを流れる目黒川沿いに咲く桜並木が見事で、写真を撮る人でにぎわうフォトスポットになっています。

南品川櫻河岸まちなか観光案内所

では、映像作品で交番として映っているその建物へ。ミントグリーンの扉と上げ下げ窓(スライド式の古い洋風窓)が印象的な小ぶりの建築で、いかにも「昭和レトロ」といった趣があります。

一見すると交番に見えますが、実は現在は「南品川櫻河岸さくらがしまちなか観光案内所」として地域の観光案内に使われている施設です。内部には品川区や旧東海道に関するパンフレット類が揃い、開館日に訪れればスタッフによる観光案内を受けることができます。

歴史的背景も興味深いポイントです。この建物はもともと1929年(昭和初期)ごろに建てられた旧交番(旧品川警察署・品川橋交通待機所)を改修したもので、国の「国登録有形文化財」に登録されています。

つまり、単なる“ロケ地”ではなく、地域の生活史や交通の歴史を伝える実物の遺構でもあるのです。

令和3年(2021年)に行われた改修工事では、建設当時のレトロな雰囲気をできるだけ残しつつ、耐震補強と腐食した土台の交換が実施され、現代の安全基準に合わせて長く保存できるよう整備されました。その結果、品川宿エリアの新たなランドマークとして再評価されています。

訪れる際は、春の桜シーズンは混雑しますので、落ち着いて写真を撮りたい方は桜シーズン以外の平日の昼前あたりを狙うと、人通りも少なくお薦めです。

ぜひ品川宿・旧東海道の歴史と風景を楽しむ散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。

南品川櫻河岸まちなか観光案内所
住所〒140-0004 東京都品川区南品川1-3-4
交通アクセス京急線 新馬場駅 徒歩5分
営業時間10:00~17:00
定休日火曜・水曜・金曜・日曜・年末年始休 ※臨時休館あり