五反田TOCビルの魅力を満喫しよう!
五反田にあるTOCビルは都内でも最大級の複合商業施設。ビル内には、小売り・卸売を含めて200店舗以上が並びます。JR山手線・五反田駅から無料シャトルバスで5分程度、徒歩でも子供連れで10分かからない程度の好立地。今回は見て歩くだけで丸一日かかる、巨大なTOCの魅力をご紹介します。(2019.6.5公開)
TOCビルは2024年3月に閉館予定です。当記事で紹介している店舗はすでに閉店しています。(2024.3.15追記)
1. TOCビルってどんな場所?
TOCは地下3階地上13階建てのビル。屋上には庭園とゴルフの練習場があります。
TOCとは「東京卸売りセンター」の略。もともとは星製薬株式会社の工場跡地に建設された卸売専門の施設でした。卸売専門だった頃の面影を残す名前です。
その特徴はなんといっても「小売り向け専門の建物ではない」というところ。一つの街のような構造をしており、卸売とオフィスと小売りが同じフロアに軒を連ねているのです。街を歩く感覚で角を曲がると思わぬ店と出会えるのが、TOCの楽しみの一つといっても過言ではないでしょう。
現在は、大きく分けて地下1階から5階までは小売りを兼ねた店舗が多く、6階以上は卸売業者やオフィスが多く入っています。小売り・卸売を含めて200以上の店舗が連なります。
展示の仕方もさまざま。家具の卸売が集まった9階のフロアは、バイヤー向けのインテリアレイアウトのサンプルとして展示しています。ショールームを兼ねているので見応えがあります。
残念ながら一部は卸売のみですが、見るだけでもワクワクしてきますね。
また、13階には非常に広い催事スペースがあり、企業のイベントやバーゲンセールのほか、司法試験会場などにも活用されています。1つの部屋が700平米もあり、すべてを開放すると東京国際展示場の西館1Fとかわらない大きさです。
2. ちょっと変わった館内?卸売専門施設だった面影がたくさん!
もとが卸売専門施設だったため、館内は荷さばきや積み下ろし用のスペースも。一般的な大型商業施設と雰囲気が異なるのがおもしろいポイントです。
今回は、株式会社テーオーシー社員の原川さんに、TOCビル内の普段は見られない部分も案内していただきました。
大型家具や在庫移動のため、業務用エレベーターが多数設置されています。積載量は小型でもなんと約2トン! この大型のエレベーターは積載量4トンで、コンテナの中身がまるごと入ってしまう大きさなんです。大型の家具や什器はこのエレベーターで目的のフロアに搬送されています。
3階にはなんと4トンショートサイズの大型トラックが直接入れるカーポートがあり、まるで倉庫のような作業スペースがあります。
反対側には佐川急便とヤマト運輸の作業スペースがあり、宅配を受け付けています。
3. 行き帰りは、五反田駅西口からの無料シャトルバスが便利!
五反田駅西口からTOCビルまで、平日は約8分ごと、土日祝日は約16分ごとに無料のシャトルバスがあります。たくさん買い物をして荷物がいっぱいになった帰り道も安心ですね。
フロア直結の大型駐車場(普通車 260円/30分 大型車 420円/30分)も完備。卸売専門だったころに設計されたフラットな構造になっているので、購入品の積み込みも楽々です。
4. 「ロンドンスポーツ」で掘り出し物をゲット!
続いて、いくつかお店をご紹介していきます。
スポーツウェアがところ狭しと並ぶこちらのお店は、激安で人気の「ロンドンスポーツ」です。地下1階の100番地と呼ばれる右側の通路に位置しています。この通路沿いには衣料品のお店が多く、ロンドンスポーツはその中でも一番大きなお店なんです。
館内に勤務している人たちもよく購入しに来るのだとか。段ボールのなかに沢山の衣料が詰め込まれているのは、おなじみのスタイル。箱の中から思わぬ掘り出し物が見つかるかも?
ロンドンスポーツ ・営業時間 10:00~19:00 ・TEL 03-3494-3501
5. ベビーグッズを買うなら「アカチャンホンポ」
お父さんお母さんの強い味方の「アカチャンホンポ」。駐車場から直結で広い通路のため、子供連れでベビーカーやカートを引いてのお買い物が楽々です。5階フロアの半分を占め、都内でも屈指の規模です。
他の商業施設に比べて、通路や棚に空間的に余裕がある構造をしているので、家族での買い物を楽しみやすいよう工夫されています。
同じフロアにはキッズ写真館があるため、イベントシーズンになると平日、休日問わず、多くの親子連れでにぎわいます。出産準備からある程度の年齢までそろう幅広いラインナップがうれしいですね。
アカチャンホンポ ・営業時間 10:00~20:00 ・TEL 03-3779-0365
6. メキシコアイテムの専門店「メヒコ屋」でお気に入りの一点物を
※メヒコ屋は閉店しました。
メキシコを中心とした中南米のグッズを卸売・販売している「メヒコ屋」は、TOCに入って35年以上という老舗店。
卸売が中心で、主な取引先はエスニックショップなどです。この店舗では小売りも行っており、小物のほか、季節物衣料が人気なのだとか。
夏にかけては刺繍のシャツやブラウス、冬はアルパカなどのセーターが並ぶので、エスニックファッションが好きな人は要チェックです。
メヒコ屋 ・営業時間 平日 9:30~18:00 土曜 11:00~18:00 日曜・祭日定休 ・TEL 03-3494-4462
7. 小腹が空いたら「なかみち」で和食ランチを
TOCビル内には、飲食店も数多く並びます。ランチ時間のみ営業するTOCの人気和食堂「なかみち」は、もとはお寿司屋さんでしたが、現在は魚介を中心に和食メニューを提供しています。
メニューは日替わりや週替わりが多く、毎日違うメニューが楽しめるお店です。価格は、店内700円から、お弁当は650円からとリーズナブル。魚の定食はメインとご飯、サラダ、小鉢がついてボリュームたっぷりです。
なくなり次第営業終了になるので、気になる人は早めに来店したいですね。
なかみち ・営業時間 11:30~14:30 ・日曜・祝日定休
8. 晴れている日には、屋上で一休み
TOCビル屋上は、広々とした憩いのスペースです。晴れた日は遠くの景色までよく見えます。
広い敷地には休憩用のベンチのほかに、花壇には季節の花が植えられています。天気がいい日は新宿などのビル群も見えるそうで、お買い物に疲れたらのんびり一休みしたいですね。
9. 毎回大盛況!メーカー御売り200社直売「徳の市」
TOCでは、普段は卸売限定の企業や店舗が一般向けに商品を並べるセール「徳の市」が年に4回行われます。開催期間中の延べ参加者は8万人を超える大人気イベントです。
通常の安売りを遥かに超え、卸価格とほぼ変わらない価格で販売され、値引率は70~80パーセントを超えるものも。普段は高額な家具も多くが半額以下になっているので、この時期にインテリアを一新する人もいるそうです。
化粧品や服飾品も人気で、来訪者の約8割が女性だそう。この時期だけは、19基ある館内エレベーターが満員になって列ができるほど。
また、遠方から参加できない人向けに、数年前からインターネット上で「徳の市通販サイト」も開催。ネット通販でも割引率は変わらないので、五反田まで買いに行くのが難しい、その日に行けない人も、お買い物が満喫できますよ。
徳の市通販サイト https://tokka.tokyo/
地下から屋上まで魅力がいっぱいつまったTOC。徳の市以外でも是非足を運んで、探検してみてはいかがでしょうか? 卸売専門施設ならではの思わぬ表情や、小売りの総合施設では見られないひとつの街のような雰囲気が楽しめます。(2019.6.5公開、2019.9.12更新)
取材・文:猪飼綾 編集:松尾奈々絵(ノオト)