おうちで楽しむクラフトビール5選
テイクアウトやオンライン飲み会など、家でお酒を楽しむ機会が増えたこの頃。
今回は、自宅で楽しめるメイドイン品川のクラフトビールやローカルビール、特色あるお店をご紹介します。暑い季節にこそおすすめの飲み方やおつまみも伺いました。(2020.7.22)
1. 併設するブルワリーで醸造された「T.Y.HARBOR BREWERY」
天王洲アイル駅から徒歩5分の場所にある「T.Y.HARBOR」。運河が目の前に広がり、カジュアルな場面にも特別なお祝いにも幅広く利用できるブルワリーレストランです。
店舗には、ブルワリー(ビール醸造所)を併設し、1997年からクラフトビールをつくり続けています。店内からは、醸造の様子がガラス越しに見られます。大手メーカーに属さないビール醸造所としては、東京で一番古いのだとか。
店内で製造するオリジナルクラフトビールは、5種類が定番のラインナップ。瓶ビールとしても販売されています。
近隣のオリジナルショップ「BREWERY SHOP」では、月替わりのシーズナルビールの量り売りも行っています。
量り売りの場合は、容器の持ち込みが可能。オリジナルの「グラウラー」(32oz/946ml=1万3,750円、64oz/1892ml=1万8,150円、128oz/3785ml=2万4,750円)も販売しています。
定番のクラフトビールの中で、食事と一緒にいただくなら「Pale Ale(ペールエール)」(330ml=570円、アルコール度数4.5%)が一押しです。フルーティな香りとカスケード・ホップの奥深い苦みが特徴です。
じっくりと味わいたい方には「Amber Ale(アンバーエール)」(同)がおすすめ。焙煎したモルトのコクと甘みのバランスが絶妙で味わい深いビールです。
おつまみには、スタッフからの人気も高い「スパイシーNYチキンウィング、ブルーチーズディップとセロリスティック」(5個=1,200円、10個=2,000円)や、3種のナッツをヒッコリーチップ(クルミ科の木)でスモークした「Original Smoked (kenka)」(100g=730円、200g=1,400円)が合います。どちらもテイクアウトが可能。また、瓶ビールと「Original Smoked (kenka)」はネットでも購入できます。
T.Y. HARBOR ・住所 東京都品川区東品川2-1-3 ・電話番号 03-5479-4555 ・営業時間/定休日 ランチ11:30〜15:00(土日祝日は16:00まで)。ディナー17:30〜23:00/不定休 https://www.tysons.jp/tyharbor/ ※ブルワリーショップの営業時間は12:00~21:00
2. シカゴピザとの相性抜群 種類豊富な「DevilCraft」
アメリカ人3名が共同経営するレストラン「DevilCraft(デビルクラフト)五反田店」は、五反田駅から徒歩1分ほどのビル9階にあります。
ボリュームたっぷりのシカゴピザと品川区内の醸造所で造るアメリカンクラフトビールが売り。クラフトビールは「しながわみやげ」にも認定されています。
瓶ビールは全11種類。なかでも「Devil’s Death Match!- Lager version(デビルデスマッチ!ラガーバージョン)」(330ml=600円/アルコール度数7.5%)は一番人気です。開栓するとホップの香りがふわっと立ちのぼり、苦みとのバランスが絶妙な一品です。
おつまみには、シカゴピザ「The Devil Works(デビルワークス)」(Sサイズ=1,890円、Lサイズ=3,780円)を。経営者の1人がアメリカで食べて感動したというこだわりのピザ。高さ4.5センチの生地の中に、トマトやオリーブ、自家製ソーセージなどがたっぷりと詰まっています。
瓶ビール以外に量り売りもしています。グラウワーは、「1Lガラス製」(写真左、500円)と「750ml ペットボトル製」(250円)を販売。もちろん、水筒なども持ち込み可能です。
マネージャーの小久保莉沙さんは、「量り売りなら、モルトの風味を感じられる『エンジェルクラッシュ』(テークアウト355mlプラカップ=800円、グラウラー100ml=200円/アルコール度数7.4%)がおすすめ。常温のグラスを使い、味をしっかりと楽しんでほしい」とほほ笑みます。 3人のオーナーそれぞれがビールのレシピを考案するため、種類が豊富な同店。扱うビールは日によって変わります。ネット販売はこちらから。
DevilCraft 五反田店 ・住所 東京都品川区西五反田2-7-8誠實ビル9F ・電話番号 03-6421-7788 ・営業時間/営業日はホームページでお知らせ https://www.devilcraft.jp/
3. 広島お好み焼きと静岡県沼津市で醸造された「ベアードビール」
不動前駅近くにある、広島お好み焼きとクラフトビールの店「Dspeed(ディースピード)」。車の部品製造・販売メーカーが立ち上げました。
取り扱うベアードビールは静岡県沼津市での醸造。ホールフラワーコーン(生ホップ)を使うため、奥が深く繊細な香りが楽しめます。定番の12種類のほか、季節限定商品も。
クラフトビールは酵母が生きたまま瓶詰めされ、時間が経つと色や味、香りが変化するのが特徴です。同店では2年物などのヴィンテージも揃えています。
ビールの知識が豊富な店長の松原英一さん。もともと沼津にあった車部品の工場に勤めており、そこでベアードビールと出合いました。「クラフトビール市場の盛り上がりと比例して、ベアードビールがお客さんでにぎわってきたんです。その魅力を伝えられる店にしたいとこの店をオープンしました」と松原さん。
同店オリジナルのハウスビールとしてベアードビールが醸造した「目黒不動前ビール」(300ml=900円、400ml=1,200円/アルコール度数5.5%)は、フルーティな香りが特徴。少しだけ酸味が感じられるビターな仕上がりです。
おつまみには「広島お好み焼き 豚玉麺」(850円・税別)を。もともとお好み焼き屋の居抜き物件だった同店。ビールの香りが引き立つよう、ソースの香りが強すぎない広島風お好み焼きをメインに据えました。じっくりと蒸し焼きにしたキャベツの甘さと豚肉のカリッとした焼き加減が絶妙です。
瓶ビールなら季節限定の「静岡サマーみかんエール」(330ml=660円/アルコール度数5.0%)がおすすめ。夏みかんのかすかな酸味が爽やかなビールです。同店Webサイトから購入できます。
ビールの量り売りは35%オフで販売。グラウラーは売っていないため、ペットボトルや水筒などを持参してください。
Dspeed ・住所 東京都品川区西五反田3-14-4 101号 ・電話番号 03-6421-9900 ・営業時間/定休日 ランチ10:00~14:00(水曜は13:00~14:00)、ディナー17:00~21:30、日曜は10:00~21:30/無休 https://peraichi.com/landing_pages/view/dspeed/
4. 飲食街「りゅえる」の文化を受け継ぐ 「武蔵小山一番麦酒」
「武蔵小山一番麦酒」は、武蔵小山一番通り商栄会公認のオリジナルビールとして2019年に誕生しました。瓶には武蔵小山のご当地キャラ「たけ丸」が描かれています。
醸造のきっかけは、同会理事の石渡彩恵さんが経営する武蔵小山のアイリッシュパブ「Seamus O’Hara(シェイマスオハラ)」でローカルビールを提供したいと考えたこと。さまざまな人との出会いを経て、製造元となる羽田麦酒(大田区)と知り合い、武蔵小山一番麦酒は誕生したのです。
「癖のあるクラフトビールが多い中、苦すぎずおかわりしたくなる味を目指した」と胸を張る石渡さん。口当たりが柔らかく、柑橘系のフローラルな香りとすっきりとした甘さが特徴です。
おつまみは、ソーセージやビーフジャーキー、チーズなどがおすすめ。「しながわみやげ」の「小川畜産総本店」のコロッケ(100円)との相性も抜群です。
「武蔵小山が再開発される前、スナックや飲み屋が連なる飲食街『りゅえる』が評判でした。当時と今をつなぐようなビールにしたい」と意気込む石渡さん。
ネット注文は対応していないので、おうちで楽しむときは持ち帰りが可能な取扱店へ。2020年7月現在、石渡さんが経営する生ビールを「Seamus O’Hara」で、瓶ビールをイタリアンレストラン「Leon Bianco(レオンビアンコ)」(1,000円で販売)、「ファミリーマート 小山三丁目店」、「Cafe Grab 」(小山3)、「賛否両論」(恵比寿)(店舗によって販売金額は異なる)などで販売中。
株式会社Anthill(アントヒル) ・住所 東京都品川区小山3-21-6 ・電話番号 03-6328-9363 https://www.anthill.co.jp/
5. 明治時代を想像しながら楽しむ「品川縣麦酒」
1869(明治2)年、現在の品川区を始めとする東京都や埼玉県、神奈川県の一部に「品川縣(しながわけん)」という県が設置されました。
当時の県知事は古賀定雄(一平)さん。貧しい人々の生活を立て直すために、品川土佐藩下屋敷跡(現在の東大井3丁目)にビール工場を建てることを思いつきます。 しかし、1871(明治4)年の廃藩置県で、「品川縣」は廃止。知事の交代により、ビールづくりからも撤退することに。
現在販売されている「品川縣麦酒(しながわけんビール)」(330ml=475円/税別/アルコール度数5.0%)は、そんな当時の工場をイメージして、2006年に復刻しました。
秋田県仙北市で田沢湖ビールを醸造する「わらび座」が扱う、日本に現存するもっとも古い酵母の一つである「エド酵母」を使って仕込まれています。「品川を盛り上げたい」という有志の思いがこもった一品。
琥珀色をしたエールビールで、魚料理にも肉料理にも合うどっしりとした重みを感じるビターな味わいです。
品川縣株式会社の担当者は、「ビールの基本は水。秋田県の清らかな水を使い、歴史を感じさせるエド酵母で当時に思いを馳せつつ、特別な日に楽しんでほしい」と話します。
現在は、「大塚酒店」(北品川)、「ESPOAこもり」(旗の台)、「とごしぎんざの牛乳屋」(豊町)で購入でき、ネット販売では箱入りで届きます。
品川縣株式会社 ・住所 東京都品川区西品川1-5-2 ・電話番号 050-3740-9054 https://www.shinagawaken.jp/
6. 自宅のおつまみにはぜひ「しながわみやげ」を
自宅でクラフトビールを味わうなら、ぜひおつまみには「しながわみやげ」に認定された商品を。
品川屋海苔店の「焼海苔ミニパック」(500円)や株式会社吉村の「ありが豆」(378~453円)、鎧せんべい「トマトチーズおかき」(540円)、王将せんべい「王将堅焼き」(しょうゆ1枚70円)など、ビールがグッと進む逸品が勢ぞろいです。
今回紹介したビールはどれも個性的で味わい深いものばかり! 自宅で飲み比べるのもおすすめですよ。
※記事中の店舗情報は2020年7月22日時点の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。 ※価格は税別の記載のない場合は税込
(取材:ゆきどっぐ 編集:鬼頭佳代/ノオト)