気分転換できるリモートワークスポット
コロナ禍で取り組む人が増えた、在宅勤務やテレワーク。しかし、自宅のお仕事は集中しにくかったり、新しい発想が生まれず行き詰まってしまったりするなど、働き方に悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
最近では「ワーケーション」といって、観光地で仕事をしながら休暇を楽しむといった新しい働き方が注目されていますが、実践するのはなかなかハードルが高いもの。
そこで今回は、品川区内にある仕事しながらリフレッシュできるリモートワークスポットをご紹介します。気分転換だけではなく、新しい価値観に触れることでお仕事のアイデアにも生かせるかも。(2021.9.3)
1. アートの一大拠点で想像力がかき立てられる「PETALS TOKYO(ペタルス トーキョー)」
「水辺とアート」をテーマにした街づくりが行われ、アート関連施設が数多く立ち並ぶ天王洲アイル。そんな天王洲アイル駅から徒歩約8分、天王洲運河沿いの水辺に花びらのように浮かぶのが水上ホテル「PETALS TOKYO(ペタルス トーキョー)」です。
4隻ある客室は、PETAL1〜4と呼ばれ、内観や外観もそれぞれ異なります。共通しているのは、ハンドクラフトの味わいを大切にした外装とラグジュアリーな内装のデザインだそう。
「『PETALS TOKYO』では予約していただく際に、お客様一人ひとりに合ったサービスを提供できるよう『どのような宿泊を希望されるのか』のヒアリングをしています。最近では、気分転換しながら仕事をしたいというお客様も増えていますね」とマネジャーの佐久間有紀(ゆうき)さん。
「全ての部屋が西向きに作られていて、陽が差し込む時間帯は水面が輝いて見えます。ゆったりとした時間を過ごしているうちに、『いいアイデアが浮かんで思わず仕事もはかどってしまった』といったお客様もいらっしゃいます」
PETAL3にあるルーフトップでは、ぼーっと運河を眺めたり、ヨガなどちょっとした運動をしたり……。朝と夜はとても静かなので、運河の景色を独り占めできます。
またアート体験付き宿泊プランも用意。近隣にある画材ラボ「PIGMENT TOKYO(ピグモン トーキョー)」でワークショップ体験ができたり、室内で運河を見ながら画材を楽しんだりできる、何とも創造力をかき立てられる宿泊プランです。
「鑑賞するだけではなく、お客様自身がアートを体験できるのが魅力です。非日常的な空間での作品づくりを通して、アートに興味持ってもらえたらうれしいです。イマジネーション豊かになるので、クリエイティブな仕事している方に好評なプランですね」
アートの街で非日常的な水上での時間、思わず仕事の新しいアイデアが浮かんできそうですね。
PETALS TOKYO ・住所 東京都品川区東品川2-1 T-LOTUS M ・電話番号 050-5491-2681 ・チェックイン15:00〜22:00、チェックアウト11:00 ・URL https://www.terrada.co.jp/ja/service/space/petals-tokyo/
2. 屋内で緑に癒やされながら集中できる?「Ray Terrace(レイテラス)」(北品川)
次にご紹介するのは、京急線の北品川駅から徒歩約3分、八ツ山通り沿いにあるコワーキングスペース「Ray Terrace(レイテラス)」。天ぷら屋「うえじま」が目印のビルの2階にあります。
ビル右側にある階段をのぼって、入口ドアを開けると、スタッフのももさんが出迎えてくれました。緊張せず居心地よく使ってもらえるように、フランクな接客を心がけているそうです。
内装のコンセプトは「都会の木陰で高めあうシゴト時間」。床はなんと全面が人工芝!さらにウッド調の温かみのあるデザインの家具や観葉植物が用意され、屋外のテラスにいるような気分になります。
さらに青森の芳香蒸留水「ひばの源水」が焚かれ、落ち着く木の香りがふわっと漂っていました。
奥には防音室が2部屋あり、ここでオンライン会議や談笑ができます。続いて、会議室とレンタルスペースがある3階に上がってみましょう。
6名まで利用できる会議室は、ホワイトボードや大きなモニター画面つき。1時間1,000円で利用可能です。
レンタルスペースは、キャンプ場にいるような雰囲気。予約がないときは、作業スペースとして利用しても問題ないそうです。
「プロジェクターを使えるので、ここでミーティングをする方も多いですね。焚き火や川のせせらぎの動画を流して、集中力を高めながらお仕事している方もいました。このアウトドアチェアは座り心地がよくてリラックスできるといったお声をいただきます」と代表の新井涼太さん。
「利用者さんとの交流も大切にしています。僕自身が副業をずっと行ってきた経験を生かして、利用者さんの副業支援も行っています。利用者と運営者の距離が近いコワーキングスペースとして活用してもらえたらうれしいですね」
休みたいときには休めて、仕事したいときには仕事ができる憩いの場。仕事もしたいけれど、アウトドア気分を味わいたいときに、いかがでしょうか。
Ray Terrace(レイテラス) ・住所 東京都品川区北品川1-22-7 石田北品川ビル2・3階 ・電話番号 03-6822-5449 ・営業時間 平日9:00〜20:00、土・日・祝11:00〜20:00 ・利用料金 ドロップイン1時間=500円、3時間=1,000円、6時間=1,500円、1日=2,000円 月額利用 昼プラン(平日9時〜17時)=7,000円、全日プラン=10,000円 会議室 1,000円/1時間 レンタルスペース 1,500円/1時間 ・URL https://ray-terrace.co.jp/
3. 古民家で非日常感を味わいながら、打ち合わせはいかが? 「Bamba Hotel(バンバホテル)」(新馬場)
京急新馬場南口のすぐそば、扉の上では緑のライオンの看板が出迎えてくれる「Bamba Hotel(バンバホテル)」を紹介します。宿泊事業を手掛ける株式会社宿場JAPANが、築80年の古民家をリノベーションし、ホテルとして開業させました。
地域の方とのご縁で開業したこちらのホテルは、「まちのVIPルーム」がコンセプト。入ってすぐのエントランスは大正モダンのような雰囲気です。
1階のリビングルームには50インチのTVがあり、プロジェクターとスクリーンも貸し出し可能。打ち合わせや会議にも使用できます。
「宿泊だけではなく、時間単位でのスペース貸し出しサービスもしているので、会社で借りて会議をしたり、昼間は仕事して夜はスクリーンで好きなDVDを楽しんだりする方もいらっしゃいますね。また、ちゃぶ台は目線が低くなるので、お仕事しながらご飯を食べながらでも、小さなお子さんの面倒が見やすいというお声もあります」とスタッフの伊藤佑輔さん。
お部屋にある家具などのインテリアはさまざまな国のものを取り入れていて、日本らしい古民家でありながら異国情緒も感じられます。
2階の寝室は畳になっています。お部屋の中を素足で過ごせるのも、よりリラックスできてうれしいポイントです。
「かつて『品川宿』と呼ばれた宿場町であった場所にせっかく来ていただいたからには、地元の魅力を存分にお伝えできればと思っています。宿泊だけでなく、食事や休憩などの近隣スポットも気軽に聞いてください」
街歩きルートなど、街の魅力を伝えてくれるサービスもあるそうです。古き良き旧東海道品川宿の雰囲気を感じながら、非日常の中でお仕事してみませんか?
Bamba Hotel ・住所 東京都品川区南品川1-1-2 ・電話番号 050-5491-2683(受付時間:16:00 ~ 21:00) ・チェックイン 15:00〜/チェックアウト 〜11:00 ・URL https://47gawa.tokyo/bamba/
4. コクヨが提案する新しい働き方!刺激がいっぱい「THE CAMPUS(ザ キャンパス)」(品川)
文房具やオフィス家具などの製造、販売を行うコクヨ。その品川オフィスと東京ショールームをリノベーションして作られたのが「THE CAMPUS」です。今回はそのオープンエリアをご紹介します。
コンセプトは「みんなのワーク&ライフ開放区」。敷地に入ると、すぐ目に入ってくるのがこの「PARK」エリア。木々に囲まれながらデッキスペースに腰掛けて作業する人も多いそうです。
2階のブリッジは眺めもよく、コーヒー片手に休憩も。気分転換にも最適です。
この日のメニューは、キーマカレー。スパイスの香りが食欲をそそられます! ほかにも、ケバブやオムライス、クレープなど日替わりのキッチンカーが来るので、曜日ごとにお気に入りのランチメニューを見つけるのもいいですね。
「PARK」エリアの右側にある建物には、カフェ「COFFEE STAND .OTTEN(エッテン)」とコクヨの製品が購入できる「THE CAMPUS SHOP」があります。壁沿いにはコンセントも配置され、パソコンやスマホの充電も可能。
「『集中できた、居心地がいい、コーヒーもおいしい』といったうれしいお声をいただきます。コクヨのショップとカフェが同じ空間にあるので、お仕事しながら、ドリンクを飲みながら、コクヨのオフィスチェアや文房具も試していただけますよ」と広報の片桐友美さん。
「THE CAMPUSは、コクヨが提案する『多様性を受け入れた自由な働き方』を体現する場所として2021年2月にオープンしました。在宅ワークの影響で仕事が生活の一部になった今、ここを利用するお客さまとコクヨ社員がお互いに刺激を受けられる空間を目指して運営しています」
敷地内には、コクヨと他企業との研究開発の場として使われている「OPEN LAB.」というスペースも。実験風景の見学や体験など、普段はなかなか見られない商品やサービスの開発の裏側をのぞけます。
品川駅の近くで木々に囲まれて開放的な雰囲気を味わいたいとき、新しいオフィス用品や文房具を体験しながら刺激を受けたいときにもオススメのスペースです。
THE CAMPUS(ザ キャンパス) ・住所 東京都港区港南1-8-35 ・営業時間/定休日 8:30~19:30 (THE CAMPUS SHOP:10:00~19:30)/土・日曜日、祝日 ・URL https://the-campus.net/
5. 都心から一歩踏み出せば自然と出会える、職場でも家でもない第三の場所「八潮地区」
品川区東部、京浜運河と東京湾に挟まれているのが八潮地区。団地の印象が強いこの場所ですが、「実はワーケーションスポットとしておすすめ」と話す人がいます。
今回はワーケーション場所としての八潮の魅力を発見された、作家兼ワークスタイル&組織開発専門家の沢渡あまねさんにお話を聞いてきました。
ワーケーションというとリゾート地で仕事をするイメージが強く、実際にはなかなかハードルが高いもの。沢渡さんがおすすめするのが、『都市型ワーケーション』という考え方です。
「『都市型ワーケーション』は、都心の近場にいながら、いつもと環境を変えて働くこと。新しい価値を創造したり、作業を集中しやすくしたりできるのがメリットです。大井町に住んでいたときに見つけたのが、この八潮地域。運河があって、森があって、空も広い。季節によってはアオサギが見られることもありますよ」
八潮の最大のおすすめポイントは、都心からのアクセスの良さ。品川駅からバスで20分。最寄り駅は東京モノレールの大井競馬場駅。羽田空港にも一本で行けます。
「ワーケーションのコツは、タスクを細分化すること。事務作業はオフィス、ミーティングは自宅、企画構想は自然を見ながら……など、一人ひとりが生産性を出しやすいパターンを見つけることが重要です。第三の場所として、身近なワーケーションスポットを活用していきましょう」と沢渡さん。
「もっとこの場所が親しみやすくなればと思い、団地の名前である『八潮パークタウン』を略して、僕は『やしパ』と呼んでいます(笑)。『今日はやしパで1on1しようか』といった使い方ででかけてみてはいかがでしょうか」
魅力的なポイントがたくさんある八潮。しかし、本格なワーケーションをするにはまだまだ課題も。
「住宅地が中心の八潮には、まだワーケーションできる施設やカフェがないので今後の課題ではありますが、ベンチや岩場など腰かけられる場所は多いので、個人レベルでは気軽に使えるのではないでしょうか」
集中できなくなってしまった、ストレスが溜まってしまったなど、仕事に煮詰まったときは少しだけ足を伸ばして「やしパ」で自然を感じてみては?
八潮地域 ・住所 東京都品川区八潮
都心の品川区とはいっても、仕事しながら気分転換できるスポットがこんなにあるんですね。
いつもと同じ場所で働いていると、なかなか集中を保つのが難しかったり、新しいアイデアも出にくかったりするもの。ちょっとだけいつもの場所から離れて、日常とは違った空間でお仕事してみるのも選択の一つにいかがでしょうか?
※料金は全て税込み。 ※記事中の店舗情報は2021年8月27日時点の内容です。店舗の営業時間、サービスは変更となる場合がありますのでご了承ください。 (2021.9.3公開)
(取材:矢内あや 編集:鬼頭佳代/ノオト)