現地の味を楽しめる!本格アジア料理
気軽に海外へ行くのは、まだまだ難しい世の中……。そろそろ海外旅行に行きたくて、身体がウズウズしている方もいらっしゃるかもしれません。そんなときこそ、食で旅行気分を味わってみるのはいかがでしょうか?
今回は、アジア料理をテーマに、品川区にある本場のグルメをご紹介。写真を見ているだけでよだれが出てきてしまいそうな絶品グルメで、海外旅行気分をぜひ堪能してみてくださいね。 (2022.4.23)
1. メニューが豊富で迷っちゃう! 中華料理「コインズティーカフェ」(大森)
最初にご紹介するのは、JR・大森駅から徒歩6分の距離にある「コインズティーカフェ」。中国料理、台湾料理、香港料理など、現地の調味料を使ってさまざまな中華料理を提供しているお店です。
店内には、お客さんが自由に書けるメッセージボード、店主の劉(リュウ)さんや店員さんが描いた絵など、いろんなものがあって見ていて飽きません。
カウンター上部には、お店のスタンプカードがずらりとぶら下がっていました。「一人の常連さんから『ここにカード置いていっていい?』と聞かれたのをきっかけに、みんな自分のスタンプカードを吊るすようになったんです(笑)」と劉さんは笑顔を見せます。
学校給食、日本食の居酒屋、台湾料理店など、さまざまなお店で調理経験を積んできたという劉さん。「『自分が食べたいものを作りたい』という思いでお店を始めたので、化学調味料は一切使っていません。砂糖もなるべく使用せず、食材本来の味を活かしたいと思っています。安心して食べられる手作りのものを提供したいんです」と話してくれました。
リピートするお客さんが多いという「四川冷やし麺」(900円)は、中国・四川で親しまれている汁なしの冷やし担々麺。ピリリとした辣醤(ラージャン)の刺激と旨みがあってクセになる味でした。キュウリやパクチー、自家製の蒸し鶏、アクセントのピーナツが中華生麺とよく絡み合います。
麺類以外はお持ち帰りもOK。八角の独特な香りが漂う台湾料理「滷肉飯(ルーローファン)」も、まさに本場の味! 大きなチンゲン菜と、ほろほろとした豚肉、煮卵はご飯との相性も抜群です。
お店で販売する「カスタードパイ」は、「日本で作っているものですが、『現地のエッグタルトと同じ味だ!』と言ってくれる中国人の方が多いんです」と劉さん。注文してから茶葉をこす「コインズタピオカミルクティー」と一緒に、ぜいたくなスイーツタイムをどうぞ。
レギュラーメニューだけでも、30種類以上。何度も訪れて全メニューを制覇したくなってしまいます……! 丁寧に作られた料理の数々と、劉さんやお客さん同士での気さくなコミュニケーションを楽しめるカフェ。休憩がてら、ゆったり居心地よく過ごせそうですね。
コインズティーカフェ ・住所 東京品川区南大井3-12-1 ・電話番号 03-6450-0486 ・営業時間/定休日 10:00~20:00/月曜、木曜 ・URL https://www.instagram.com/coins.tea.cafe/ ※現在は臨時の営業時間。通常時は、10:00〜22:00
2. 地域の方に愛されるアットホームな空間で、韓国家庭料理を 「釜山広場」(武蔵小山)
東急目黒線・武蔵小山駅から徒歩10分、武蔵小山商店街パルムのアーケードから横道に入ったところにある「釜山広場」は、木の看板が目印の韓国料理店です。
韓国・釜山出身の店主チェ・ウンウクさんが切り盛りする同店。「料理が好きで、韓国にいたときに調理師免許を取りました。日本に来たきっかけは、大学院留学。社会老年学を学びたかったんです。修了してから『自分のやりたいことをやろう』と決断し、思い切ってお店を持つことにしました」と話します。
店内には韓国料理の写真と共に、チマチョゴリを着ているウンウクさんの娘さんとお孫さんの写真がありました。「日本には七五三の文化がありますが、韓国では1歳のお誕生日のときに盛大にお祝いします。そんな文化の違いも、お客さんに楽しんでほしいなと思って飾りました」とウンウクさん。
韓国の肉料理「ポッサム」は、生姜、ニンニク、焼酎、パイナップルなどが入った醤油ベースのスープで豚肉を茹でて作ります。豚肉の血抜きから始まり、調理には5時間ほどかけるそう。しっとりした豚肉と、付け合わせの生キムチ、ネギサラダがヘルシーで大人気なメニュー。韓国の味噌を付けてもおいしいですよ。
たっぷりのネギに、イカ、タコ、エビなどが入った「海鮮チヂミ」は、外がカリカリで、中がふわっふわ。この食感を出すには、絶妙な焼き加減が重要なのだとか。
「私自身が幼いときから食べてきた、釜山の家庭料理の味を提供しています。愛情いっぱいに作っているので、それがお客さんに伝わったときは本当にうれしくて幸せなんですよ」とウンウクさん。
店内にはおうちでも簡単に作れる韓国家庭料理のレシピが! 「気軽に、ご自宅でも韓国料理を楽しんでほしいので、レシピを紹介しているんです。年をとってもずっと料理に関わっていたいから、いつか料理教室も開けたらいいですね」とほほ笑んでくれました。
コロナ禍で休業中だったときも、地域の皆さんが心配してくれてありがたかったというウンウクさん。取材中も常連さんが何人も訪れる、アットホームなお店でした。温かい人柄あふれるウンウクさんが作る、韓国の家庭料理。パルム商店街を訪れた際に、ぜひ味わってみてください。
釜山広場 ・住所 東京都品川区荏原3-6-17 ・電話番号 03-3788-0103 ・営業時間/定休日 11:30~15:00、17:00〜22:00/月曜、木曜 ・URL https://www.busanhiroba.com/
3. マレーシア屋台風の店内で、アジア各国のビールを片手に! 「ちりばり」(五反田)
JR・五反田駅から徒歩8分、東急池上線・大崎広小路駅からは徒歩6分。桜田通り沿いを少し奥に入ったマレーシア料理のお店「ちりばり」。店名は、マレーシアで親しまれる刻んだ青唐辛子入りの醤油調味料「chili padi(チリパディ)」が由来なのだそう。
マレーシアの屋台をイメージしたという店内。店主の有賀勇司さんは、「料理視察のためマレーシアに滞在していたとき、安くてお腹いっぱい食べられる屋台に助けられました。東南アジア料理は、現地ではもっと気軽に食べられているもの。日本でも居酒屋さん感覚でマレーシア料理に触れてほしいなと思っています」と話します。
「現地で『おいしい』と噂を聞いた屋台メニューは、すぐに食べに行きましたね。見様見真似でチャレンジしながら、自分なりのレシピを研究しました。それでも上手くいかないときは、直接屋台のお兄さんに聞きに行ってキッチンに入れてもらったり……。マレーシアの方はとてもフレンドリーで快く受け入れてくれましたね」
醤油ベースで漢方薬膳の香りがするのが、マレーシアのスープ料理「バクテー」です。とろとろに煮込んだ具たっぷりのスープをご飯にかけたり、刻みニンニクを入れた「chili padi」を付けたり、味わい方は自由なのだそう。
セットで付いてくる揚げパンは、後からスープに入れてふやかすと、味の変化を楽しめます。「汁気が飛ぶまで煮詰めた『ドライバクテー』も、日本では珍しい料理なのでおすすめ」と有賀さん。
「茹でレタスのオイスターソース」は、現地でも「バクテー」と共によく注文されるメニュー。茹でているので油っこくなく、箸休めとしてさっぱりと食べられます。
アルコールメニューには、普段なかなかお目にかかれない東南アジアのビールもずらり。ついお酒がすすみテーブルの上に注文した瓶が並んでいくと、東南アジアの屋台を訪れている気持ちになれそうですね。
ほかにも、「海南鶏飯」や「ラクサ」、幅広のビーフンをソースで炒める「チャークイテオ」、鶏ガラスープに極太麺をあわせる「パンミー」など、さまざまなマレーシア料理を体験できます。
ちなみに、2022年1月には、大井新地飲食街に姉妹店「トムヤムクンと日替わり店主のBAR ちりバル大井町店」がオープン。夜のバー業態は、さまざまな職業の方が日替わり店主を務めます。看板メニューの「トムヤムクン」と一緒に、新しい出会いを楽しみたい方はこちらにもぜひ。
ちりばり ・住所 東京都品川区西五反田7-12-4 ・電話番号 03-6420-0133 ・営業時間/定休日 ランチ:11:30〜14:30/土曜、日曜、祝日 ディナー:18:00〜23:00(月曜〜金曜)、17:30〜23:00(土曜)/日曜、祝日 ・URL https://chilibali.com/
4. インドのスパイスが香る、異国情緒たっぷりな「サベラティッカビリヤニ」(天王洲アイル)
※「サベラティッカビリヤニ」は天王洲オーシャンスクエア 1階(東品川2-2-20)に移転しました。(2022.11.1)
続いてご紹介するのは、りんかい線・天王洲アイル駅から徒歩5分、天王洲郵船ビルの1階にある「サベラティッカビリヤニ」。インドの炊き込みご飯と呼ばれる「ビリヤニ」が看板メニューのお店です。
同店は、「ハラル認証」を取得。豚肉やアルコールなどを使わず、イスラム教徒であるムスリムの方が安心して食べられる食材を使ったハラル料理を提供します。
店内は天井が高く、大きな窓もあって広々としています。ジェネラルマネージャーのジャウエド・サリムさんは、「誰でもお腹いっぱいになれて、楽しい気分になれるお店を目指しているので、かしこまらず気楽に来店してくださいね。小さなお子さん連れでも大歓迎です」とほほ笑んでくれました。
そんなジャウエドさんは、実はパキスタン人。インド人のオーナーシェフと偶然出会って、お店のマネジメントを手伝うことになったそうです。
看板メニューの「ビリヤニ」は、チキンやラム、シーフードなどさまざまな種類を用意しています。数十種ものスパイスがふんだんに香り、まさにインドに来た気分に! チキンはとても柔らかく、パラパラとした食感のバスマティ米とよく合います。
一緒に提供されたヨーグルトソースをかけると、また違った雰囲気に。香辛料と酸味あるヨーグルトが程よいアクセントになり、さっぱりとした味わいになります。
提供しているメニューは、オーナーであるシェフがレシピを考案し、ジャウエドさんが試食して微調整するそう。「日本での食事に困っているムスリムの方はもちろん、地域の皆さんにも、この店をきっかけにハラル料理を少しでも知ってもらえたらうれしいです」とジャウエドさん。
ビリヤニをはじめ、カレーやタンドリーチキンなど豊富なインド料理を楽しめる同店。インドのスパイスを存分に体験してみませんか?
サベラティッカビリヤニ ・住所 東京都品川区東品川2-2-20 天王洲オーシャンスクエア 1F ・電話番号 03-6433-2544 ・営業時間/定休日 11:00~15:00 17:00~23:00 /なし
5. 食欲そそるピリ辛タイ料理で心もホットに! 「ピーマイ」(武蔵小山)
東急目黒線・武蔵小山駅前のロータリーすぐそば、黄色の看板が目印の「タイカフェ ピーマイ」。タイ人のシェフが現地のレシピで作る本格タイ料理が味わえるお店です。
コンセプトは、タイ・バンコクの小さなカフェ。店内を飾るインテリアや照明、使っている食器はタイから直接仕入れています。カラフルでエスニック感あふれる雰囲気の中、楽しく食事ができそうですね。
階段を上がると、2階にもテーブル席が。団体での貸し切りも可能で、予算を伝えるとコース料理にも対応してくれるとのこと。
グリーンカレーとガパオを両方楽しめるランチセットは、ヤムウンセンとスープ付き。「パクチー」(110円)を追加注文する方も多いのだとか。
マネージャーの須藤輝(あきら)さんは、「グリーンカレーはハーブで香り付けしています。ココナッツミルクの甘みの後に、じわじわと辛さが来て病みつきになる味わいです」と話してくれました。ガパオは、粗めの鶏挽き肉に、ガツンと効いた唐辛子、ニンニクの香りが食欲を掻き立てます。
あともう一品欲しいときにサラダ感覚で食べられる「タイの生春巻き」は、ちょうどいい一口サイズ。中身は、タイのそうめんと呼ばれる「カノムジーン」、サニーレタス、キュウリ、千切りキャベツ、ニラ、パクチー、ニンジン、鶏肉、錦糸卵など具沢山です。
「本場の辛さをそのまま再現しているので、タイ料理特有のスパイスの辛さが好きな方には堪らないはず。全く辛くないメニューもあるので、苦手な方も安心していらしてくださいね」と須藤さん。
ご家族連れはもちろん、ふらっと一人でも入りやすい雰囲気の同店。がつんと食欲をそそるタイ料理は、暖かくなってくるこれからの季節にぴったり。かわいい店内で、タイのエスニック気分を味わいましょう!
タイカフェ ピーマイ 武蔵小山店 ・住所 東京都品川区小山3-26−2 ・電話番号 03-3788-2044 ・営業時間/定休日 11:30〜15:00、17:00〜22:00/月曜(月曜が祝日の場合は、火曜を定休) ・URL https://www.instagram.com/thaicafe_piimai/
今回ご紹介したのは、どこも現地さながらの本格アジア料理を楽しめるお店ばかり。同じアジアといえど、日本食とは異なる味わいと雰囲気を体験できそうですね。品川区内でアジア”食”旅行、休日や仕事帰りにぜひ楽しんでください!
※記事中の店舗情報は2022年4月中旬の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。
(取材:矢内あや 編集:森夏紀/ノオト) (2022.4.23)