品川の素敵な花屋・観葉植物店を訪ねて
肌に触れる風や日差しに季節の移ろいを感じる、このごろ。陽気を楽しむべく、お部屋に植物やお花などを飾りたいと感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、品川区内にある観葉植物やお花を扱うお店に伺い、この春におすすめの植物を教えていただきました。
テーブルを彩る小さなものから、お部屋の雰囲気を作る少し大きなものまで。おうちに植物を飾り、安らぐ空間を作ってみませんか? (2021.5.1)
1. 初めてのお花選びは“おすすめ”から。商店街の一角に佇む「noir et blanc」(荏原中延)
中延商店街の中心に位置するお花屋さん「noir et blanc(ノワール エ ブラン)」。シンプルなお店のロゴと彩り豊かなお花が立ち並ぶ様子が目印の、2015年にオープンしたお店です。
店内には常時40〜50種類ほどの花が並びます。四季を感じる豊富なラインナップが特徴。
オーナーの井上忠さんにお話を伺うと、商店街の真ん中に位置するため、日頃から訪れるのはお店の近くにお住まいの方が多いとのこと。この日もお買い物途中のご近所さんが入れ替わり立ち替わり、花を選んでいました。
客層は30代の女性が多く「自宅用はもちろん、プレゼントのお花を探す方も多いですね」と井上さん。
春は明るい色合いのお花が見頃を迎えることもあり、つい顔がほころんでしまうような元気いっぱいのお花たちが取りそろえられています。
イチオシは、井上さんやスタッフさんが週に一度程度オリジナルで組み合わせを考案しているという「Today’s mini bouquet」(418円/550円・税込)。
「バラを始め、今の季節によく似合うお花を彩り華やかに組み合わせています。お花を購入するのに慣れていない方は、こういったものから始めてみるのが良いのでは」と井上さんは話します。
サイズも小ぶりで価格もお手頃なので、気分に合わせてグッとくるブーケを選んでみるのも良いかもしれませんね。
ちなみに、わたしは爽やかなオレンジ色に包まれたブーケが気になり「Today’s bouquet(528円・税込)」を購入しました……!
その他、季節のお花として注目したいのは「カーネーション」(220円・税込)。母の日が近づくこの時期、すでに電話やオンラインでのオーダーブーケの予約が殺到しているそうです。
カーネーションといえば真っ赤なお花をイメージする方も多いかもしれませんが、実はいろいろな色の品種があり、どれもとってもかわいいんです。くすみピンク、凛とした白など、組み合わせ方もさまざまで迷ってしまいますね。
「混雑の少ない時間帯であれば、好みの雰囲気や色合いなどを伺いながら一緒にお花を選ぶこともできます。気軽にご相談くださいね」と井上さん。商店街でのお買い物も兼ねて、足を運んでみてはいかがでしょう?
noir et blanc ・住所 〒142-0052 東京都品川区東中延2-7-19 ・電話番号 03-6426-8830 ・営業時間/定休日 10:30〜19:00/なし ・URL:http://noiretblanc.shop/
2. 購入も体験も。植物と過ごす喜びを味わえる「ムロマメ舎」(戸越銀座)
都営線戸越駅から歩くこと約4分、東急線戸越銀座駅からは約7分、小さな路地を入ったところにお店を構える「ムロマメ舎」にやってきました。まるで隠れ家のような立地で、到着してみると、自分だけの特別な空間を見つけたかのような気持ちに。
中に足を踏み入れると、この店内もとってもかわいい。もともとはワゴン一台で始めたお店でしたが、地元の方や職人の手を借りながらDIYに取り組み今の空間を作り上げたのだそうです。
お店には季節に合わせて仕入れたお花、観葉植物などがずらり。「このお花を背景に写真を撮りたい」と、ウェディングフォトやマタニティフォトのスタジオとして活用される方もいらっしゃるのだとか。
オーナーのムロヅミさんは、もともとゼネコンの現場監督やインテリコーディネーター、フレンチの厨房で働いた経験があるという異色のキャリア。この街で多くの方に喜んでもらえるお店を作りたいと考え、2016年に「ムロマメ舎」をオープンしました。
明るく朗らかなお人柄から繰り出されるお花や暮らしのお話はどれも楽しく、ついつい時間が経つのも忘れて聞き入ってしまうほど。
お花選びと合わせて、ムロヅミさんとのお話も楽しめるのが「ムロマメ舎」の魅力の一つだと感じました。
そんなムロヅミさんに、この春おすすめの植物を伺ってみると「アクアカクタス」(1,650円・税込)とのこと。水耕栽培のサボテンで、初心者でも簡単に育てられるのが推しポイントです。
小さくてコロンとしたフォルムに癒やされる上、見た目もとっても多種多様。「どの子にしようかな……?」とじっくり選ぶ時間すら至福のひとときですね。
散々迷った挙げ句、わたしはトゲのない帽子のような品種のサボテンをおむかえしました。佇まいのかわいさにキュンとしてしまいます……。
店舗の横のスペースには、これまた隠れ家のようなアトリエスペースが。ここでは、月5〜8回ほどお花を使ったインテリアグッズを作るワークショップを開催しています。
ドライフラワーを束ねたスワッグや、額にドライフラワーを貼り付けたオリジナルのインテリアなどを自由に作って楽しめるそう。
告知開始からすぐに席が埋まってしまう人気イベントなので、気になる方はSNSをご覧の上お早めに申し込みを。
お花を選ぶだけではなく、お花や植物についてお話したり、実際に手を動かして戯れてみたり……。そんな幅広い植物との過ごし方を教えてくれるのが「ムロマメ舎」なのでした。
ムロマメ舎 ・住所 〒142-0041 東京都品川区戸越2-4-3 1F ・電話番号 090-9135-1419 ・営業時間/定休日 変動あり(詳細はInstagramにて)/不定休 ・URL:http://www.muromamesha.com/
3. 正しい知識と自分に合った観葉植物に出会える「TRANSHIP」(武蔵小山)
東急線武蔵小山駅を出てすぐ、閑静な住宅街の中にあるグリーンショップが「TRANSHIP(トランシップ)」です。お店の外装もたっぷりの植物に溢れていて、足を踏み入れる前からワクワク感が募ります。
店内を案内しながらおすすめの植物を教えてくれたのは、ストアマネージャーの文屋泉(ぶんや いずみ)さん。多くのお客様と植物の対話を繰り返した経験と豊富な知識で、おすすめの植物を提案してくださいます。
観葉植物というと、どんな種類を選んだら良いのか、日当たりや湿度などの栽培環境など、不安を抱く方も多いかもしれません。
「植物はそれぞれに育ってきた環境に由来する特徴があるので、ご自宅のお話やライフスタイルなどをじっくり伺った上で、マッチするものをご提案させていただいています」と文屋さん。
そこで今回は、わたしの住まいの日当たり・日照時間・希望の大きさなどを文屋さんにお伝えし、育てやすいものを選んでいただきました。
・日当たり:南側と東側に大きな窓があり、二面採光で陽がよく入る ・日照時間:春は8時〜16時頃まで明るく電気なしで過ごせる ・希望の大きさ:初心者ではあるもののお部屋の雰囲気を変えられる、少し大きめのもの
一つ目におすすめしていただいたのは「フィカス バーガンディ」(5,720円・税込)。”ゴムの木”と呼ばれる品種のひとつで、丈夫さが特徴です。
少し褐色がかった葉っぱに由来して、”バーガンディ”の名前が付いているそう。「葉の色が変わってしまうので、日当たりや風通しの良い屋内で育ててくださいね」と文屋さん。
もう一つのおすすめは「ブラキキトン」(6,600円・税込)。幹がとても太くビンのような形をしていることから”ボトルツリー”と呼ばれている植物です。
幹の太さもさながら、スーッと伸びる葉っぱも特徴的。文屋さんいわく「暗いところに置くと、光をたくさん取り込もうとして葉が伸びるんです」とのこと。育てる環境によって見た目も変わる植物たち、愛おしいです……!
そしてわたしは、おすすめいただいた中から大ぶりの葉っぱと色合いで一目惚れした「フィカス バーガンディ」を購入。毎朝、起床後に植物たちを眺める時間がしあわせです。
TRANSHIP ・住所 〒142-0062 東京都品川区小山3-11-2-1F ・電話番号 03-6421-6055 ・営業時間/定休日 11:00〜19:00/月〜木曜日 ・URL:http://tranship.jp/
植物を生活に取り入れると、どこかリラックスできたり、穏やかな気持ちになれたりします。わたし自身、日々の暮らしの中でお花や植物を購入することはあるものの、選び方やおすすめをじっくりと教えていただく機会はなかなかなく、たくさんの発見がありました。
植物と過ごすのが一層楽しく感じられるこの時期。お散歩がてら、気になるお店に足を運んでみてはいかがでしょうか。お花たちを選ぶその時間すらも、きっと日常のささやかな彩りとなるはずです。
※記事中の店舗情報は2021年4月時点の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。(2021.5.1)
(取材:鈴木詩乃 編集:鬼頭佳代/ノオト)