ようこそ品川へ! 2021年開業の新店舗

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戸越駅, 五反田駅, 青物横丁駅

長引く緊急事態宣言や無観客でのオリンピック開催と、なんでもない日の方が少なかった2021年。落ち着かない日々の中でも、新しい生活様式を取り入れた店舗がいくつもオープンした1年でもありました。

リモートワークにぴったりなお店、新しい形態の飲食店、エシカルな取り組みをする店舗など「今」のトレンドを取り入れたお店がたくさん! 今回は新しい時代をちょっぴり先取りする、ニュースタンダードな5店舗をご紹介します。(2021.12.23)

  1. お寿司屋デビューにもおすすめ! 立ち食い寿司の「ブルペン」(荏原)

  2. 2021年10月1日、武蔵小山商店街と戸越銀座商店街の間を走る中原街道沿いにオープンした立ち食い寿司「ブルペン」。武蔵小山・戸越銀座どちらの駅からも徒歩10分ほどのところにあります。

    ブルペン

    店内に入ると、立派な焼き杉の寿司カウンターと、かわいいおすしのTシャツにキャップスタイルの元気な寿司職人さんがお迎えしてくれます。

    ブルペンという店名は「マウンドに立つ前の野球選手がウォームアップするように、若手寿司職人が腕試しをする場になれば」という思いを込めて名付けたそう。

    おすすめメニューは、昼のみ提供されている「ブルペンおまかせ(4,000円)」と、旬のお魚を堪能できる「ダンクおまかせ(7,000円)」。もちろん、一品ずつ頼むことも可能です。

    そして、あそび心がたっぷりの日替わり寿司「隠し球(500円〜日によって異なります)」も外せません! これまでに、本鮪の希少部位カマトロを使った握りや高級魚キンキのしゃぶしゃぶ握り、トキシラズを使った本気のオニオンサーモンマヨなどが提供されました。訪問したら、ぜひ味わいたい逸品です。

    ブルペン
    ブルペン提供写真

    ブルペンは、目黒の『鮨りんだ』、不動前の『らんまる』の系列店。高級店のようなクオリティの寿司がお手頃価格で楽しめると口コミが広がり、オープン直後から行列ができるほどの人気店になったそうです(現在は、電話予約制)。

    このお店の大将・佐々木男駆(だんく)さんにお話を伺うと、「“旬の魚”と言っても、一匹ずつ顔も違えば、脂のノリも異なります。一魚一会(いちぎょいちえ)を大切にしています」と教えてくれました。

    ブルペン
    お店の広報などを担当する森学人さん(写真左)と大将の佐々木男駆さん(写真右)。野球少年だった佐々木さん。おいしいお寿司を食べながら野球談義にも花が咲きそう。

    「お寿司を握って提供するだけじゃなく、みて楽しい、食べておいしい、また行きたい! と思ってもらえるお店になったら嬉しいです。色々と模索しながらお客さんに心から楽しんでもらえるお店にしていきたいです」と、元気いっぱいな佐々木さん。

    ブルペン

    ブルペンで鍛え上げられた佐々木さんの握りは絶品。本当にお魚が大好きな佐々木さんが手がける、自由で新しい発想のお寿司の虜になるお客さんも多いのだとか。

    そのため、カウンター寿司デビューの20代の方から長年お寿司を嗜まれた玄人まで幅広いお客さんがいらっしゃいます。

    若手寿司職人が本気で握る立ち食い寿司。一度食べれば、舌にストライク! が決まっちゃうはずです。

     

    ブルペン
    ・住所 東京都品川区荏原4丁目6−1
    ・電話番号 03-6426-7970
    ・営業時間/定休日 11:00〜15:00、17:00〜21:00/水・木曜日
    ・URL https://www.instagram.com/bullpen0604/

    ※2021年12月現在、来店は予約制。最新情報は、インスタグラムにてご確認ください。

  3. 思い出の場所を引き継ぎ、新たなカフェとして新装開店「MOBaCAFE」(五反田)

  4. 新しくオープンするお店があれば、残念ながら閉店してしまうお店も。その1つが東五反田で17年続いたタリーズコーヒー。

    ここに長年通っていたのが、五反田在住歴約20年の平野安健(たかややすたけ)さん。コロナ禍で思い出の場所が閉店していくことに、寂しさともどかしさを感じていたそうです。

    「住まいも職場も五反田だったので、コロナ禍でこの街の元気がなくなっていくのを肌で感じていました。そんな中、よく使っていたカフェがなくなると聞いて、いてもたってもいられず『なんとか存続することができないか?』と店長やオーナーに直談判しました」

    カフェの経営は初めてだった平野さん。しかし、別の会社を五反田で経営していることもあり、「なんとかしなくてはならない!」とクラウドファンディングを立ち上げ、事業承継を決めました。

    人気の「あんバターホットサンド(495円)」。パンはご近所のリベルテさんから仕入れています。「ブレンドコーヒー(ショート=396円、トール=451円)」は、たぐち珈琲豆店さんのオリジナルブレンドを採用。

    そして2021年7月7日、前店舗で働いていたスタッフさんを従業員に迎え、平野さんがオーナーとなった『MOBaCAFE(モバカフェ)』が開店。

    オープンした頃は、タリーズコーヒーのカードを提示するお客さんや知らずにいらっしゃる方もいたそう。現在は、常連さんも少しずつ増え、MOBaCAFEが五反田に馴染んできたと感じるとのこと。

    MOBaCAFEで働くスタッフさん。

    内装やメニューをガラリと変えただけではなく、リモートワーク利用者を見据えたテレビ会議OKなスペース(席数10席、仕切りあり)を設置。おいしいドリンクとフードを楽しみながら、誰もが気持ちよく働ける空間を併設しました。

    MOBaCAFEのオンラインミーティングスペース。

    このスペースの利用料金は、20分ごとに110円が加算されます(終了時に会計、別途ドリンクorフードの注文が必須)。

    音で音を消す独自のサウンドシステムが導入され、イヤホン通話であれば、複数人が同時にテレビ会議をしていても周りの音を気にせず、快適な通話が可能。出先での急なテレビ会議にもおすすめです。

    今後はイベントなども開催したいと平野さん。カフェとして、ギャラリーとして、そして仕事場としても使える、新たなスポットです。

    MOBaCAFE
    ・住所 東京都品川区東五反田2丁目3−2 タイセイビル1階
    ・電話番号 03-6277-0232
    ・営業時間/定休日 平日:8:00〜19:00、土日祝:8:30〜19:00(L.O. 終日18:30)/なし(営業時間については今後延長変更あり)
    ・インスタグラム https://www.instagram.com/mobacafe/

  5. 老若男女が誰もが将棋を通じて楽しく交流できる場所を 「将棋BAR RE:STA」(戸越銀座)

  6. 「いつか将棋に関わる仕事をしたい」 そう願っていたのは戸越銀座の「将棋BAR RE:STA」オーナーの石山聳(しょう)さん。

    大学卒業後、会社員を経てフリーの将棋講師やラッパーとして活動しつつ、夢だった将棋カフェを始めることに決めました。

    もともとカフェ経営の経験はなかったオーナーの石山聳さん。

    「将棋Cafe Re:sta(リスタ)」の1店舗目は、千葉県にあるシェアカフェ内に。2店舗目として毎週水曜と日曜に、戸越銀座のスポーツバー「sports cafe bar&shop〜Pivote〜」を間借りして、お店を運営しています。

    「行動力だけはあるので」と謙遜する石山さんですが、全くやったことのなかったカフェを1年で2店舗を開業するのはものすごいバイタリティです! お店を始めてから、将棋をする場所がほしい人はたくさんいると実感したそう。

    将棋BAR RE:STAの店内。カウンター席とテーブル席、奥にはソファ席があり、対局中も密にならないよう工夫されている。

    利用料金はワンドリンク付きで一般が1,500円、学生が1,000円(日曜日はプラス500円)。何時間いても追加料金も発生しないため、思う存分、将棋を堪能できます。

    フードの持ち込みも可能で、アルコールメニューも充実。さらに店内の大型テレビでは、将棋の映像が映し出されています。将棋談義をするためだけに、ふらりと訪れるお客さんもいるのだとか。

    「自分が利用するならこの価格かな?と考え、あえて将棋クラブと同じくらいの価格帯にしました。親子でいらっしゃる方やリピーターさんも増え、たくさんの将棋ファンの方にご利用いただけています」と石山さん。

    取材中にもひとりでやってきたお客さんが、石山さんと対局する場面も。「将棋は、子どもの頃にちょっとやったことがある程度。忘れている部分もあるけれど、石山さんが丁寧に教えてくれるのでハマってしまった」とにこやかにお店の魅力を語ってくれました。

    お一人でも親子でも、カップルでも、全く将棋をやったことがない人から将棋の段位や級位を持っている方まで、どんな方でも大歓迎。将棋BAR RE:STAに来れば、オーナーの石山さんと素敵な将棋の時間を楽しめます。

    「メインの将棋人口は60代以上。20〜30代の方、初心者の方にもふらっと楽しんでもらえるような場にしたいです。落ち着いてきたら将棋の大会などイベントも増やしたいですね」と、これからの目標も教えてくれました。

    真剣勝負や新たな趣味探しに、ふらっと立ち寄ってみては?

    将棋BAR RE:STAリスタ
    ・住所 東京都品川区戸越一丁目19-18 sports cafe bar&shop〜Pivote〜内
    ・電話番号 090-7415-6774
    ・営業時間/定休日 水曜日:12:00〜22:00、日曜日:12:00〜19:00/月火木金土曜日
    ・URL  https://shonoshogi.amebaownd.com/
    ・Twitter  https://twitter.com/shogibar_resta
    ※緊急事態宣言期間中は営業時間が変動する可能性があります。最新情報はSNSにてご確認ください。

  7. 東海道の旅人に思いを馳せつつ、お寺でおいしいコーヒーを「品川茶屋」(南品川)

  8. 品川の街を1300年以上見守ってきた、真言宗醍醐派別格本山『品川寺(ほんせんじ)』。「品川」という地名の由来にもなったとも言われる、品川区内最古のお寺です。

    品川寺入口に鎮座する都の指定文化財「江戸六地蔵一番」

    ※「品川茶屋」は、現在休業中となっております。再開時期は未定です。(2023.9.26)

    2021年3月、お寺の境内においしいコーヒーが楽しめる「品川茶屋」がオープンしました。現在はテイクアウトのみで営業中。境内にある椅子に腰掛けてコーヒーを飲むと都会の喧騒から離れ、まったりとした時間を楽しめます。

    スイスの本格エスプレッソマシンJURAで淹れられたカフェラテ(400円)。マイルドな口当たりでコーヒー本来の味わいが楽しめる。

    この品川茶屋の運営を担うconcept universal japan 株式会社の担当者さんにお話を伺うと、「本当は2020年春にオープンしようと準備を進めていましたが、パンデミックにより開業が延期に。当初考えていたスタイルとは変更を余儀なくされましたが、少しずつ地元の方にお越しいただけるようになり、常連さんもできました」とのこと。

    長い歴史を持つ品川寺では、その昔、東海道を旅する人たちのお休み処でもあったそう。住職さんは品川茶屋に「こんな時代だからこそ、文化の交流の場であるお寺をもっと身近に感じていただき、文化交流の拠点になってほしい」と願いを込められたそうです。

     

    ドリンク+プチスイーツ(500円)。この日のプチスイーツは洋梨のパウンドケーキ。しっとりとした生地に爽やかな洋梨の風味が広がり、キャラメルクリームラテの優しい甘さとベストマッチ!

    今後はカフェだけではなく、青物横丁の地名にちなみ、野菜(青物)を販売するマルシェを開催したいと考えているそう。ほかにも、オリジナル商品の開発・販売や、アルコールなどの新メニュー提供など、人が集まれるようになったらやりたいことがたくさんあるのだとか。

    「品川茶屋という和風な店名ですが、コーヒーをメインに提供しています。お寺だから和風のお店というではなく、『お寺でコーヒーもいいよね』と新しい価値観も感じていただきたいと思っています。本を片手にふらりとお越しいただく方やお子さんを境内で遊ばせながらママ友とお茶の時間を楽しむお母さんたち、お散歩の途中にお立ち寄りいただくご夫婦など、幅広い世代の方々がいらっしゃいます。地域に密着しながら、お店づくりをしていきたいですね」

    東海道の旅人気分も味わいながら、境内でコーヒータイムを満喫しましょう。

    品川茶屋
    ・住所  東京都品川区南品川3丁目5−17
    ・電話番号 なし
    ・営業時間/定休日 11:00〜16:30/月曜日
    ・URL  https://shinagawachaya.com/

    ※営業時間及び休業日は変動する場合もあります。
    ※UberEatsも対応

  9. インスピレーションが冴え渡る! 新時代のリサイクルショップ「Hand To Mouth(ハンドトゥマウス)」(荏原)

  10. 最後に紹介するのは、常連さんから“資料部屋”と呼ばれて親しまれているリサイクルショップ「Hand To Mouth」さん。2021年7月に大岡山から荏原に移転してきました。

    洋服のパタンナーをしていた店主・廣永尚彦さんは、杉並区にある『東京ガラクタ研究所』で古物商の修行をしながら、バレリーナの衣装製作やローディーなど様々な仕事を経験。2013年に無店舗型のリサイクルショップを開業し、2017年には大岡山に実店舗を開業しました。

    幅広いお仕事を経験して今のスタイルに辿り着いた廣永さんですが、現在もまだまだ進化中。「とにかく面白いことがやりたい。自分を人体実験しているような感覚ですね」と、笑顔でお話いただきました。

    取材では、廣永さんと一緒に奥様とお子さん、愛犬・もずくがお出迎えしてくれました。

    Hand To Mouthにはリサイクルショップという肩書きがついていますが、洋服や小物、食器、生活雑貨、家電、レコードに本、さらには家具まで取り扱うジャンルは様々。

    旅先で見つけたものや買い付けたもの、買い取ったものなどたくさんの縁が重なって、廣永さんの元に集まってきたモノたちが「私を見て!」とアピールしているよう。

    時代もブランドも垣根を超えて、Hand To Mouthらしいラインナップがずらりと並んでいました。

    Hand To Mouthの店内。入り口すぐにあるROMAZI(ローマ字ボード)は、ペンをかざすとひらがなで読み名が出てくるクラシカルな商品。インスピレーションを掻き立てる品々が並ぶ。

    商品を眺めているだけでもなんだか元気が出てきます。実際に商品を手にとると、ひらめきやアイディアも湧いてきて、常連さんが“資料部屋”と呼ぶのも納得。

    取材時は、近所のsame galleryで開催中のポップアップストア「交差するデザイン」に合わせて、幅広いジャンルの商品が陳列されていました。

    「なんでもオンラインで買え、個人間でリサイクル・リユースすることも当たり前の時代になりました。その流れに逆行するようですが、お店があるからこそ人が集い、繋がれると考えています。こんな時代だからこそ、ヒトとヒト、モノとヒトの温度感のあるコミュニケーションを大切にしたい。この地域にも同じベクトルを持った人たちがどんどん集まってきているので、これから荏原の街はますます面白くなると思います」と、廣永さん。

    来年以降は、店舗の展示方法を更に進化させ、将来的には家電のデザインも手がけてみたいそう。モノとの出会い、そして人との出会いを求めて、Hand To Mouthを訪ねてみては?

    Hand To Mouth
    ・住所 〒142-0063 東京都品川区荏原6-8-1
    ・電話番号 03-3785-0355
    ・営業時間/定休日 土日祝15:00〜19:00/月〜金曜日は現在調整中
    ・URL  https://www.hand-to-mouth-tokyo.com/
    ・インスタグラム https://www.instagram.com/htmtokyo/

    ※営業時間は変動する場合がございます。最新情報はインスタグラムにてご確認ください。

     

    2021年に品川区内でオープンした個性豊かなお店をご紹介しました。元気をもらえるお店ばかりです。

    散策中の休憩に、仕事の合間のリフレッシュに、新しいお店を訪れてみてはいかがでしょうか。

    (取材:つるたちかこ 編集:鬼頭佳代/ノオト)
    (2021.12.23)

    マップ
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