桜と一緒に楽しむ!品川区のグルメ特集
すっかりと春めいてきました。春といえば、桜の季節。品川区には、きれいな桜の名所がたくさんあります。
そこで今回は、品川区のおすすめお花見スポット近くにある飲食店をご紹介。桜を見ながらテイクアウトした食事を楽しんだり、桜道をお散歩しながら休憩がてらお店に入ったり……。おいしいグルメと一緒に、春の訪れを感じてみませんか? (2022.3.23)
1. 目黒川沿いの八重桜を目の前に、さまざまな価値観が集うカフェ「TONER」(不動前)
最初にご紹介するのは、東急目黒線・不動前駅から目黒川沿いに歩いて徒歩6分のところにあるカフェ「TONER(トナー)」。入口前に置かれた卓球台が目印です。
店内に入って一際目立つのが、テーブル前後にあるスケートボード用のランプ!「お客さんの目を引く大きな存在感がほしい」ということで、取り入れたのだとか。
店長の岡崎洵(まこと)さんは、「お客さまや従業員が『色』だと捉えているため、店内はあえてグレーで統一しました。グレーの中でも少しずつトーンを変えています。人にもさまざまなバッググラウンドや価値観があるように、幅の広さを表現できたらと考えました」と内装のコンセプトを話してくれました。
店内ではカフェの運営はもちろん、イベントやワークショップ、ライブ、展示会などを開催しています。
階段を上がったところにあるロフトスペースのソファ席は、大きなガラス張りの窓から目黒川沿いの桜が見える特等席! 岡崎さんいわく、お店の前にある桜は開花が少し遅い八重桜なのだそう。
奥には、一味違った雰囲気のおしゃれなバーカウンターが。夜は日本酒を楽しめるそうですが、もちろん昼でも利用できます。
「『ピスタチオ&ホワイトチョコチャンク』は、アメリカで一般的なソフトクッキーをイメージして作りました。片手で食べられるので、テイクアウトにもぴったりです」と岡崎さん。
ブラジル産のコーヒー豆を使った「カフェモカ」は、ラズベリーシロップとパウダーが入っているため、爽やかな酸味がアクセントに。春らしい味わいを楽しめます。
桜の時期、窓沿いのカウンター席からの眺めはこちら。外にある卓球台で遊んだり、ベンチに座ったりといった楽しみ方もできます。
カメラマンとしても活動する岡崎さん。「地域の方はもちろん、いろんな人との出会いを大切にしていきたいです。これからは、イベントをもっと積極的にやっていけたら。近いうちに直接売り手から購入できる『中古カメラ市』をやりたいな、と今は考えています」と笑顔を見せてくれました。
テイクアウトはもちろん、桜並木一帯をお散歩しながら休憩でお店に立ち寄ってみるのもよさそうです。イベント情報も随時チェックしておくと、素敵な出会いがあるかもしれませんよ。
・住所 東京都品川区西五反田3-8-3 町原ビル1階 ・電話番号 03-3494-8933 ・営業時間/定休日 カフェ:11:00〜19:00/月曜 日本酒バー:19:00〜2:00(金曜・土曜は3:30まで)/日曜 ・URL https://www.instagram.com/toner_tokyo/
2. 桜トンネルのすぐそばで、自家製手ごねベーグルを!「FUDGE gallery&cafe」(不動前)
東急目黒線・不動前駅から徒歩6分、かむろ坂の桜並木を少し脇に入ったところにある「FUDGE(ファッジ) gallery&cafe」。こちらはアートやハンドメイド作品を見ながら、自家製ベーグルなどを楽しめるこぢんまりしたギャラリーカフェです。入口には、店主の小沢妃美さんが育てた多肉植物が並んでいました。
入ってすぐのところには、ハンドメイド作品の委託販売スペースがあります。個性豊かなアクセサリーやフェルトアート、インテリア雑貨など、アーティストさんの愛とこだわりが詰まった作品ばかり。見ていると自然と笑顔になってしまいます。
白を基調とした店内の壁には、イラストや写真などのアート作品なども飾ってありました。作品によっては購入も可能だそう。
店内奥に足を進めると、地下へと続くこんな階段が……!
なんだか秘密基地に向かうようでワクワクしちゃいますね。降りるときは頭上が少し低いのでご注意を!
地下にあったのは、個展やグループ展、ポップアップストアとして活用できるギャラリースペース。この日は、絵画展が開催されていました。
カフェのおすすめメニューは「日替わりベーグルプレート」。日替わりのお惣菜とマリネ、サラダ、卵がセットになっています。
「もともとベーグル作りが趣味で、お店をオープンする前から研究をしていました。このベーグルは北海道の小麦粉と甜菜糖、塩、酵母を使った無添加。店内で手ごねして焼いています。サクッとした外側と、モチモチした食感を楽しんでもらえたら」と小沢さん。
シフォンケーキの期間限定メニュー「春恋しイチゴ」は、注文が入ってから生クリームを泡立てるのでとてもフレッシュ。ふわふわした生地で、ぺろりと食べられちゃいました。
ドリンクの「ざくろジンジャー」は、ざくろの香りとジンジャーのピリピリした刺激がほどよくマッチ!
小沢さんのお父さまは芸術家。その影響で、小沢さん自身も子どものころから絵画やアートに触れていたそうです。
「初心者でも気軽に作品を発表できる場として運営しています。仲良しの作家さんをはじめ、クリエイターさんやアーティストさんとの輪がどんどん繋がっていくのが楽しいです」と小沢さん。
桜トンネルをくぐるとアートとカフェを一気に楽しめる素敵な空間がありました。さまざまな作品と桜に囲まれながら、自家製ベーグルやスイーツを味わってみるのはいかがでしょうか?
FUDGE gallery&cafe ・住所 東京都品川区西五反田4-25−9 ・電話番号 080-3349-9060 ・営業時間/定休日 11:00〜19:00/水曜 ・URL https://fudge-cafe.shopinfo.jp/
3. 黄金色に輝く安納芋に驚き! テイクアウトできる安納芋スイーツ専門店「Seed Rings」(下神明)
※Seed Rings(シードリングス)は、2023年1月22日に閉店しました。
下神明駅の前にある「しながわ中央公園」では、ソメイヨシノ、シダレザクラなどの桜が景色いっぱいに見られます。
そんな下神明駅から徒歩5分。品川区役所の近くにあるのが、安納芋スイーツ専門店「Seed Rings(シードリングス)」です。
店内には、ナチュラルな木目調のテーブルやドライフラワーが置かれています。ソファ席もあり、落ち着いた雰囲気でリラックスして過ごせます。
お花見のお供としてテイクアウトするなら、「安納芋のフライ」と「大学芋」がおすすめ。
「『安納芋のフライ』は素揚げした安納芋に、塩胡椒で味付けしているので甘じょっぱく仕上げてあり、実はお酒のおつまみにもぴったり。お花見しながら、お酒片手に楽しんでいただけるメニューですよ」と店長の楠誠司さん。
安納芋を素揚げすると、外はカリカリ、中はねっとりしている食感になります。さらに、フォークに刺してびっくり! ほろっとした中身はまさに黄金色で、口に入れると、カスタードのようなクリーミーな口当たりが衝撃的。
「大学芋」は、シンプルな味わいの自家製タレと黒ごまがよく合っていました。
「当店で使用しているのは種子島産の安納芋のみ。種子島の土壌にはミネラルが多く含まれているので、他の地域の安納芋より糖度がぐっと高く育つんです。この安納芋を初めて食べたとき、感動しました」とほほ笑みながら話してくれました。
ほかにも、「安納芋マフィン」(1個=380円)、「安納芋スティック」(1本=200円)、「安納芋ブリュレ」(550円)、「安納芋チーズケーキ」(600円)、「紅はるかの干し芋」(650円)など、さつまいも好きには堪らないラインナップが勢揃いです。
「お芋のポテンシャルが本当に高いので、素材のよさを楽しんでいただけるメニューを開発しています。ぜひ、地域住民の方にも安納芋のおいしさをより広く知っていただけたら。地域に愛されるお店にしていきたいです」と楠さん。
今後はさらにテイクアウト商品を充実させていきたいとのこと。安納芋の魅力を引き立たせてくれるSeed Ringsさんの新商品に期待ですね。
Seed Rings ・住所 東京都品川区二葉1-8-11 エスポワール102 ・電話番号 03-6882-3917 ・営業時間/定休日 11:00〜19:00/日曜・祝日 ・URL https://www.seedrings.com/
4. お花見しながら、幸せを乗せたホットケーキを味わおう「ペドラブランカ」(戸越公園)
続いて、紹介するのが無添加の厚焼きホットケーキ店「PEDRA BRANCA(ペドラブランカ)」です。お花見スポットの戸越公園から徒歩2分の距離にあります。
以前は戸越八幡神社近くにあった同店ですが、2021年に戸越公園駅近くの宮前商店街に移転し、テイクアウト専門店としてリニューアルオープンしました。
「小さな幸せ」がコンセプトの同店。テイクアウトだけではなく、通販用の商品もこの場所で生産しています。ここから全国に「小さな幸せ」をお届けしているのですね。
食べ歩きもしやすい「ペドラ焼き」は、小麦と米粉の2種類から選べます。最近は、米粉を選ぶお客さんも多いそう。
「最初は小麦粉のプレーン味で販売していたのですが、米粉で作ったものや抹茶、チョコレート、紅茶などの味のバリエーションも増やしています」と店主の白石崇雄さん。
食感はサクッともっちり、さらに米粉ならではのふわっと。ほんのりとした自然な甘みに身体が喜んでいるのを感じます。
白石さんは「もともと素材のよさを活かすためシンプルに作っていたのですが、米粉を使うことによって素材一つひとつの味がさらに際立つようになりました。『ペドラ焼き』が米粉とよく合っていたのだと思います」と話します。
「ペドラ焼き」をより楽しんでもらうため、コーヒーにもこだわりが。「トップスペシャリティコーヒー」と呼ばれる高級コーヒー豆を使用し、雑味がないすっきりとした味わいを重視しているそう。
とてもフルーティーで苦味も酸味もなく飲みやすいコーヒーなので、口の中でホットケーキの甘さと程よく溶け合います。
店先には風情あるベンチがあるので、ここで小休憩しながらほっと一息つくのもいいですね。レトロな趣のある外観で、ノスタルジックな気分に浸りましょう。
白石さんは「ここにオープンしてから約1年。テイクアウトや通販を通じて、商品に自分たちの愛情を乗せるとお客さまにダイレクトにそれが届いている感覚がありました。私たちが『幸せ』を届けているはずなのに、お客さまからお礼のお言葉をいただくことで私たちも『幸せ』をもらっていて。大げさかもしれないけれど、『こんなふうに思いって伝わるんだ、生きていてよかった』と思っちゃいますね」とはにかんでくれました。
「幸せ」が詰まった『ペドラ焼き』を片手に、戸越公園のきれいな桜を見れば、きっと幸福感も2倍になるはず。テイクアウトではぜひ熱々を召し上がってくださいね。
ペドラブランカ ・住所 東京都品川区戸越4-8−6 ・営業時間/定休日 10:00〜18:00/火曜 ・URL https://pedrabranca-cafe.com/
5. ハラル料理の「ケバブ」を発信! 東品川公園の桜と共に「ハラルサクラ」(品川シーサイド)
品川シーサイド駅にある品川シーサイドフォレスト・オーバルガーデンに並ぶ、ハラル料理専門店「HALAL SAKURA(ハラルサクラ)」。こちらのお店は、ムスリムと呼ばれるイスラム教徒の方々にとっても憩いの場となっています。
イスラム教では、豚肉やアルコールをはじめ、禁止されている食材があります。ハラル料理は、そんなイスラム教において食べることを許されている料理を指すのです。
ムスリムの方たちにとって、日本で食事するのは大変です。トルコとウズベキスタンにルーツを持つオーナーのユヌス・イシャンクロフさんもムスリム。日本での食事に苦労している方々の気持ちがよく分かるそう。
「近隣に勤務しているムスリムの方が、同僚を連れてきて、同じものを一緒に食べている姿を見ると、私も嬉しくなります」とユヌスさんはほほ笑みます。
お店では、トルコ料理として有名なケバブも提供しています。保存料や化学調味料を使わずに仕込んだお肉を、ケバブマシーンで回転させながら焼き、ナイフか専用の機械で切り落とします。
「ケバブ」は中身がぎっしり。ソースは甘口・中辛・辛口から、お肉はチキン・ビーフ・ミックス(チキンとビーフ)から選べます。テイクアウトでもきちんと紙にくるんでくれるので、手を汚さず食べられるのがポイント。
片手で食べられるものの、スパイスのアクセントが効いたお肉がボリューム満点で腹持ちも抜群! なのに、全く油っこくないので野菜と合わせておいしくいただきました。
「ただのケバブ屋さんにはなりたくないんです」とユヌスさん。「ケバブは路上販売や屋台のイメージが強いと思いますが、路面店で販売することでハラル料理として本場のケバブを発信していきたいと考えています」と話します。
こちらは、ラム肉と牛肉のひき肉をスパイスに漬けて、串焼きにした「シャシリク」。ラム肉は漬け込むことで、特有の臭みがなく柔らかい食感に。ラム初心者の方にもおすすめ! バターがかかったご飯とサラダが入っているので、お弁当のように食べられます。
日本に来て16年になるユヌスさん。「ケバブを出すからといって、トルコの要素だけにはしたくなかったです。せっかく日本でやっているからこそ、日本とトルコの文化のいいところを融合させたいと考えています」と話します。
その思いは、店名やお店のテーマカラーにトルコと日本の国旗の共通点である赤を選んだことに表れています。
「ハラルサクラ」から歩いて5分の距離にある東品川公園は、屋上庭園からベイエリア一帯の桜を見下ろせます。ケバブをテイクアウトして、日本とトルコ、両方の文化を同時に楽しんでみるのもいいですね。
HALAL SAKURA 品川シーサイド店 ・住所 東京都品川区東品川4-12−4 ・電話番号 03-5460-5540 ・営業時間/定休日 11:00〜20:00/なし
古くから日本の春を彩り、人々を魅了し続けてきた桜。華やかな桜を楽しみながら、おいしいものを堪能したり、お気に入りのお店を発見したりできたら最高ですよね。
1年に1回しかないお花見シーズン。せっかくなので、ぜひ心ときめく素敵な時間を過ごしてください。
※記事中の店舗情報は2022年3月中旬の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。
(取材:矢内あや 編集:鬼頭佳代/ノオト) (2022.3.23)