実はこんなにたくさんある!品川区×SDGs

知る
北品川駅, 新馬場駅, 大井町駅

テレビや新聞などでもよく目にするようになった「SDGs」という言葉。名前は知っているけど何だかよく分からない、と思っている人も多いのではないでしょうか。難しく聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。

SDGsは“Sustainable Development Goals”の略称で、日本語だと「持続可能な開発目標」のこと。地球環境や人権など、よりよい世界を目指すために達成したい17の国際目標を国連が定めています。

今回は、そんなSDGsにまつわる取り組みに力を入れている品川区内のお店やスポットをご紹介します。(2021.11.28)

  1. 生産者の笑顔でよりおいしいコーヒーを 「NOG COFFEE ROASTERS品川」

  2. まずご紹介するのは、京急線北品川駅から徒歩約8分のところにあるコーヒースタンド「NOG COFFEE ROASTERS(ノグコーヒーロースターズ)」。

    こちらのお店では、コーヒー農家から直接仕入れた豆を使用。自家焙煎した2種類のブレンドコーヒーや旬のシングルオリジンコーヒーなどを提供しています。見た目の可愛い「あんバターワッフル」も人気メニューの1つです。

    「普通のコーヒー」(350円)と「あんバターワッフル」(500円)

    「現在のコーヒー業界には、平等という概念は存在しません」と話すのは、代表・野口航太さん。

    コーヒー農家と商社の立場の違いからおきる不均衡な取引、多すぎる中間業者による中抜きなどの問題があり、コーヒー農家には十分な利益が還元されないそう。そのため、コーヒー豆を育てる農家が貧困に陥ったり、子どもが働かざるをえない状況に繋がったりしていると言います。

    そんなコーヒー業界の問題をなんとかしたいと思っていた野口さんは、2020年にオランダにある「This Side Up(ディスサイドアップ)」というコーヒーの生豆輸入業者と出会いました。

    「コーヒー農家とロースターが直接取引できる、透明性の高い仕組みを作る」という姿勢に共感した野口さん。「This Side Up Japan」を立ち上げ、日本でもトレーサビリティ(追跡可能性)の高いコーヒーの取引をサポートしています。

    ほかにも、再利用できる「Keep Cup(キープカップ)」の販売や、コーヒー豆を買う際にふたつきの保存容器を持ってきた方には20円割引するサービスなど、環境に配慮した取り組みにも積極的です。

    「コーヒーは寒暖差で身が引き締まり、おいしくなります。地球温暖化が進めば、同じ産地でも味が変わってしまうかもしれません。大好きなコーヒーを守っていくためにも、持続可能な取り組みをしていきたいです」と野口さん。

    生産者の方に思いをはせながら、コーヒーで一息ついてみてはいかがでしょうか。

    NOG COFFEE ROASTERS品川
    ・住所 東京都品川区東品川1-5-10
    ・電話番号 050-6862-7277
    ・営業時間/定休日 10:00~17:00/無休
    ・URL https://nogcoffeeroasters.com/
    ・関係するSDGsのゴール 1「貧困をなくそう」 2「飢餓をゼロに」 8「働きがいも、経済成長も」 12「つくる責任つかう責任」 17「パートナーシップで目標を達成しよう」

  3. 子どもたちの笑顔が原動力 「クロモンこども食堂」

  4. 最近、地域住民や自治体が中心となって、無料または低価格で子どもたちに食事を提供する「子ども食堂」というコミュニティが全国で広がっています。

    2015年9月から、北品川の旧東海道沿いにある「クロモンカフェ」で、そんな「子ども食堂」を運営しているのが、薄葉聖子さんです。

    「子どもの孤食問題などについての新聞記事を読み、世の中にさまざまな問題を抱えた子どもたちがいると知りました。そうした子どもたちに温かいご飯をお腹いっぱい食べてほしいという思いから、子どもたちの居場所づくりを始めました。子どもやお母さんの笑顔がうれしくて、ずっと続いています」と薄葉さん。

    週1回開催の「クロモンこども食堂」は、子ども200円、おとな500円でおかわり自由。現在は新型コロナウイルス感染症の影響で中止していますが、2020年3月までに199回開催し、子ども4180人、大人2034人の利用があったとのこと。

    「クロモンこども食堂」をお休みする代わりに、2020年3月からは「フードパントリー」を新たにスタートしました。

    「フードパントリー」は、コロナ禍で休業している飲食店やさまざまな企業、団体から食材を集めて、必要としている家庭に届ける取り組み。月2回ほどのペースで、これまでに合計44回実施してきました。

    「フードパントリーを始めてから、コロナ禍で仕事を失ったり減ってしまったりしたご家族からのSOSが届くようになってきました。持続的に活動を続けていくためには、費用はあまりかけられません。ですが、Facebook上で活動の様子を発信しているうちに、いろんな企業や団体などから協力の手が差し伸べられるようになってきました」と薄葉さん。

    そのほかにも、品川区社会福祉協議会と連携し、「しながわ子ども食堂ネットワーク」を立ち上げたり、日本全国の子ども食堂と協力し合ったりするなど、子ども食堂の輪を広げていく活動にも積極的に取り組んでいます。

    そんな薄葉さんが運営する「クロモンカフェ」は建物の老朽化のため、残念ながら2022年の1月で閉店してしまうそう。

    「場所はなくなってしますが、これからもフードパントリーなどの活動は続けていくつもりです。いつか、北品川で子ども食堂を再開したいと思っています」と意欲をみせる薄葉さん。いつの日か、クロモンこども食堂が再開するのが楽しみですね。

    クロモンこども食堂
    ・住所 東京都品川区北品川2丁目2−7
    ・営業時間 毎週火曜または水曜 18:00~21:00
    ・URL https://www.facebook.com/kuromon.kodomo.shokudou/
    ・関係するSDGsのゴール 1「貧困をなくそう」 2「飢餓をゼロに」 3「すべての人に健康と福祉を」11「住み続けられるまちづくりを」17「パートナーシップで目標を達成しよう」

  5. クルーズ船に乗って海の豊かさを守ろう! 「Zeal クルーズ」

  6. 次に紹介するのは、クルージングや水中撮影など海に関わる事業を手がける「Zeal(ジール) クルーズ」です。東京モノレールとりんかい線 天王洲アイル駅から徒歩約5分、天王洲運河沿いにあるクルージング船の乗り場「天王洲ヤマツピア」を拠点にしています。

    同社では、体験型プラン「東京の環境を楽しく学ぶ海洋教育クルーズ」を月に1回実施しています。

    「このプランを始めたのは、マイクロプラスチック問題の啓蒙活動をしている『Race for Water(R4W号)』という船と出会ったのがきっかけ」と話すのは元航海士・片山亮さんです。

    「2020年、R4W号は化石燃料に頼らず、環境にやさしい太陽光や水素、帆を使った世界一周の航海をしていました。しかし、コロナ禍でビザの発給が遅れ、日本近海で船員不足に。そこで、ジールから2名のスタッフを派遣しサポートしたんです。R4W号での生活を通して、環境問題について考えるようになりました」と話します。

    プランの詳細は、東京海洋大学の佐々木剛教授が講師として、船内にて約30分間プラスチック問題についての事前学習をした後、約1時間の東京湾クルーズに出かけます。

    道中、船上から東京観光をしつつ、採水。約40分間のワークショップで、顕微鏡を使って採取した水に含まれるマイクロプラスチックの観察や、グループごとに環境保護に向けてやるべきことの発表を行います。

    「このクルーズを通して、海について知り、どんなことができるのか一緒に考えるきっかけづくりになればうれしい。親子での参加や、大人の社会科見学としても好評なプランです」と片山さん。

    12月以降も月1回を目安に実施。予約は公式ホームページから(最少催行人数に満たない場合は催行中止)。波に揺られながら、海の豊かさについての理解を深めてみてはいかがでしょうか。

    Zealクルージング
    ・住所 東京都品川区東品川1丁目39−21
    ・電話番号 03-3454-0432
    ・開催時間 10:30~12:40
    ・利用料金 大人=7,500円、小人(4歳~12歳未満)=5,500円、幼児(3歳以下)=0円
    ・URL https://www.zeal.ne.jp/plan/sdgs14/
    ・関係するSDGsのゴール SDGs4「質の高い教育をみんなに」 SDGs14「海の豊かさを守ろう」
    17「パートナーシップで目標を達成しよう」

  7. 男女別ではない、新しいかたちのトイレ 「大井町駅前公衆便所」

  8. 写真提供:あかるい建築計画

    続いて紹介するのは、JR大井町駅の南側すぐ近く、高さが異なる6棟の塔状の男女兼用トイレ「大井町駅前公衆便所」。

    写真提供:あかるい建築計画

    もっとも大きなもので高さ12メートルにもなるユニークな外観は、煙突効果で自然換気を行いつつ、自然光を取り込むための構造とのこと。これは、どうしてもネガティブなイメージをもたれやすい公衆トイレを、明るく清潔感が感じられるようにするための工夫の1つだそう。

    写真提供:あかるい建築計画

    もう一つ、こちらのトイレの大きな特徴は、性別ではなく、機能別の個室で分けられていること。各個室には、おむつ交換台やベビーチェア、着替え台、パウダールーム、オストメイト対応、車いす対応など、それぞれ異なる設備が備えられています。

    写真提供:あかるい建築計画

    従来の公衆トイレとは全く違うこちらのトイレは、品川区主催、公益社団法人日本建築家協会の協力・支援のもと開かれた設計コンペティションで選ばれたもの。デザイン・設計を手掛けたのは「あかるい建築計画」の川嶋貫介さん、斎藤信吾さん、根本友樹さんです。

    こちらのトイレのコンセプトは、「LGBTQの方への配慮や男性の積極的な子育てへの参加など、社会は変化しているにもかかわらず、トイレのあり方はずっとそのままで今の時代に合っているのか」という疑問から考えはじめたものだそう。

    写真提供:あかるい建築計画

    また、トイレなどでよく使われている人の形をしたピクトグラムにも工夫があります。

    もともとピクトグラムは1964年の東京オリンピック時に田中一光さんが中心となってデザインし、世界中に広まっていったもの。当時、体型ではなく服装で男女の違いを表現していたのだとか。しかし、現在のJIS規格のピクトグラムでは、女性はウエストを細く、男性は肩幅を広く、服装だけでなく体型も表現されています。

    このトイレでは体の性と心の性の違いなどへの配慮の観点から、男女を表すピクトグラムは1964年に田中さんが開発した服装の違いだけで表現したものを使用。さらに、着替えやおむつ替えのトイレのサインは現代に合わせたかたちで新たにデザインしたそうです。

    清潔で明るく、誰でも快適に使える、これからの社会に適したトイレを目指して作られたこちらのトイレ。すでに、大井町駅前の新しい風景となりつつあります。近くに寄った際は、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

    大井町駅前公衆便所
    ・住所 東京都品川区大井1丁目2-6
    ・関係するSDGsのゴール 5「ジェンダー平等を実現しよう」 6「安全な水とトイレを世界中に」
    7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」11「住み続けられるまちづくり」

  9. 食品ロスを減らすために! 「SHINAGAWA“もったいない”プロジェクト」

  10. 品川区でもいくつかのSDGsに関連する取り組みをしています。今回はその中でも『SHINAGAWA “もったいない”プロジェクト』を紹介します。

    このプロジェクトは日本生まれの世界共通語である“もったいない”の精神を普及させ、品川区の環境意識・イメージを向上させるため、「食品ロス」をテーマに活動をしています。

    例えば、「もったいないレシピコンテスト」では、家庭で余った食材をおいしく食べるためのレシピを募集。入賞作品は、品川区のホームページ上で公開されています。

    「フードドライブ」は家庭で眠っている食品などを集めて、区内の子ども食堂などに寄付をする活動。毎年2月の「環境表彰式&環境講演会」や5月の「しながわECOフェスティバル」の会場にて実施しています。

    また、品川区内で食品ロス削減に取り組んでいる店舗を紹介した「SHINAGAWA“もったいない”推進店ガイドブック」を作成・配布も。2021年11月現在、24の商店街と151の店舗が登録されています。

    SHINAGAWA“もったいない”プロジェクト
    ・URL
    https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kankyo/kankyo-kankyo/kankyo-kankyo-zyosei/kankyo-kankyo-zyosei-mottainai/index.html
    ・関係するSDGsのゴール SDGs12「つくる責任 つかう責任」17「パートナーシップで目標を達成しよう」

  11. 環境を楽しく学び、発信していくための拠点 「エコルとごし」

  12. 最後に紹介するのは、2022年5月1日、戸越公園内にオープンする予定の品川区立環境学習交流施設「エコルとごし」です。

    こちらの施設は「つなぐ つづける つくりだす ~エコなミライへ~」をコンセプトに、楽しみながら環境について学べる憩いと交流の場として作られています。

    3階建ての1階は誰もが利用できる休憩スペースや情報発信エリア、企画展示エリア、キッズスペースを備えた、多機能な「コミュニティラウンジ」。

    2階は地域活動の拠点の場「地域交流室」と、施設内や区内で環境に関するボランティアを行っている方の活動の場「ボランティア室」。

    3階は「展示室」と「多目的スペース」の大きく2つのスペースに分かれています。「展示室」のメインテーマは、温暖化対策。自分と環境との関わりを疑似体験できる大型映像展示や「みる・聞く・さわる」といった体感を重視した常設展示をしています。また、「多目的スペース」では、講座・講演会やワークショップを開催予定。

    約半年後にオープン予定のエコルとごし。オープン日が待ち遠しいです。

    エコルとごし
    ・住所 東京都品川区豊町2丁目1−30(戸越公園内)
    ・電話番号 03-5742-6755
    ・URL https://ecoru-togoshi.jp/
    ・関係するSDGsのゴール 4「質の高い教育をみんなに」 13「気候変動に具体的な対策を」17「パートナーシップで目標を達成しよう」

    品川区だけでもこんなにSDGsに関係がある取り組みがされているなんて、驚いた人も多いのではないでしょうか?

    「自分には関係ないこと」と思わずに、身近なところからサステナブルな取り組みに挑戦してみましょう!

    ※価格はすべて税込み。
    ※記事中の店舗情報は2021年11月25日時点の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。

    (取材:西村重樹 編集:鬼頭佳代/ノオト)

    マップ
    生産者の笑顔でよりおいしいコーヒーを 「NOG COFFEE ROASTERS品川」
    子どもたちの笑顔が原動力 「クロモンこども食堂」
    クルーズ船に乗って海の豊かさを守ろう! 「Zeal クルーズ」
    男女別ではない、新しいかたちのトイレ 「大井町駅前公衆便所」