品川区内でもできる?世界グルメ旅行!
商店街にある小さなお店から、オフィス街にある老舗まで。実は、品川区内には個性豊かなワールドグルメのお店が潜んでいます。今回は東京オリンピック・パラリンピックに先駆けて、5カ国の魅力的なグルメを楽しみましょう!(2019.12.19公開)
1. 世界三大料理のひとつトルコ料理をリーズナブルに味わえる「トルコレストランDEDE」
最初に紹介するのは、仲良しご夫婦が営む「トルコレストランDEDE(デデ)」。東急大井町線・荏原町駅から出てすぐの荏原町商店街にあるトルコ料理屋さんです。
真っ赤な壁の店内は、まるでトルコに来た気分にさせてくれます。
おすすめは、店頭で焼き上げるケバブ、こだわりのお米とスープがセットになった「チキンケバブプレート」(800円・税込)。
テイクアウトでは、パン生地から毎日手作りしている「鶏肉のケバブサンド」(550円・税込)が人気とのこと。パン生地は、もちもちとしていて厚みもあり、一般的な“ケバブ”の想像を超えるおいしさ。ジューシーなお肉との相性も抜群で、ランチはもちろん、お酒やスポーツ観戦のお供にもピッタリ!
最近では、宅配サービスの需要も高まっているんだとか。ご家庭で本格的なトルコ料理を楽しむのもいいですね!
ランチで提供するのは、インドのミルクたっぷりのチャイではなく、「シアチャイ」と呼ばれる黒っぽい紅茶のストーレートティー。気温が高く暑い日が多いにもかかわらず、トルコではあつ~いチャイを飲むのが一般的なんだとか。すっきりとした味わいで、ガラスのカップで熱いチャイをちょっとずつ飲んでいるとトルコ旅行をしている気分になってきます。
トルコ人と日本人のご夫婦でお店を営み始めたのは2015年10月。「商店街の横のつながりがあるから、楽しく仕事ができる」と妻のひとみさん。近所にはトルコ雑貨を扱うお店もあり、トルコに関するお店が荏原町周辺で増えてきているそうです。
お店のキッチン付近には、奥様がトルコから買ってきた雑貨を並べています。日本における「お守り」のような役割を果たしている目玉の魔除「ナザールボンジュ」(20〜600円)の販売も。
最後に、オリンピックと絡めて、トルコでメジャーなスポーツを伺ってみたところ、「サッカーが一番人気だけど、女子バレーボールも強いですよ」とのこと。ぜひ、トルコ料理と合わせてスポーツ観戦も楽しみましょう♪
トルコレストランDEDE ・住所 〒142-0053 東京都品川区中延5-6-17 ・電話番号 03-3786-5600 ・営業時間/定休日 11:00~14:30(LO 14:30)、17:00~23:00(LO 22:30)/火曜定休、不定休あり ・URL https://turkish-restaurant-dede.owst.jp/
2. 優しいマミーが作るケニア・カンバ族の家庭料理「マシューコウズ・バッファローカフェ」
次に紹介するのは、ケニア・カンバ族の家庭料理が楽しめる五反田の「マシューコウズ・バッファローカフェ」。ケニア大使館で働いていたオーナーのマシューコウさんが、2015年12月に始めたお店です。
マシューコウさんは、親しみを込めて“マミー”と常連客から呼ばれているそう! 「最初はカフェのつもりでオープンしたけど、周りの人から『料理も出してよ』って言われたから、カンバ族の家庭料理を教えてもらって出すようになったんだよ」と教えてくれました。
たくさんの部族がいるなかでも、ケニア・カンバ族の住む地域には、近くに病院がないため、普段から病気にならないように“腸にいい食べ物”や鮮度を大切にしているんだとか。そのため、お店でもフレッシュな食材にこだわり、作り置きや冷凍は一切していないそう。
要予約の「マトゥンボ」(1,500円・税別)は、モツ(ハチノス)を使った煮込み料理。見た目から「辛い料理なのかな?」と思ったのですが、実際に食べてみると、20種類以上の野菜の旨味と甘味が溶け出す、愛情がたっぷりの優しい味! 塩胡椒だけのシンプルな味付けですが、モツの臭みは一切なく楽しめます。
またランチタイムにも楽しめる「ビーフカランガ」(1,000円・税別)は、トロッと煮込まれた牛肉と、たっぷりのお野菜の旨味が溶け出した煮込み料理。ご飯が進むとってもヘルシーな味でした。「病気にならないように、野菜をいっぱい使っている」とマシューコウさん。
「ウジー」(600円・税別)は、どろっとした乳酸菌飲料のような味わいのドリンク。すり下ろした生姜、はちみつ、ヨーグルト、レモン、コーンミールなどをマミーオリジナルの配合でブレンドです。体が温まるのはもちろん、花粉症シーズンには花粉症を吹き飛ばすくらいのパワーもあるんだとか。飲み出すと「もっと飲みたい!」と体が欲するような魔法のパワードリンクでした。
ちなみに、服も文化も顔も違う、さまざまな部族が暮らすケニアでは、「ウジー」の呼び名も地域によって変わってくるそうです。
優しいマミーに会いに行くだけでもハッピーになれそうな「マシューコウズ・バッファローカフェ」ですが、店内の装飾や絵などでもケニアを感じられます。店内には、バッファローのツノを使った椅子が3脚も! 座れば、王様気分を味わえます。
実はケニアの紅茶の生産量は、インドに次ぐほど。ランチタイムには、おいしい紅茶も頂けます。
ティーバッグ(864円・税込)と茶葉(1,540円・税込)の両方を販売しているので、ライフスタイルに合わせてケニアの紅茶を手軽に味わってみてはいかがでしょうか。
「ケニアの優しい味ってどんな味……?」と気になる方は、百聞は一見に如かず! ぜひ一度足を運んでみてください。
マシューコウズ・バッファローカフェ ・住所 〒141-0031 東京都品川区西五反田2-30-10 セブンスターマンション第一 1F ・電話番号 03-6431-8324 ・営業時間/定休日 ランチ11:30〜14:00、カフェタイム14:00〜15:00、ディナー18:00〜22:00/日曜・月曜定休
3. 本場スイスワインとラクレットをカジュアルに楽しめるバー「ラヴェイン」
旗の台駅の東口改札を降りてすぐ、商店街の小さな路地を入ったところにあるスイスバー「LaVeine(ラヴェイン)」。希少なスイスワインと、本場スイスチーズを使ったお料理をカジュアルに楽しめるお店です。深夜2時まで営業しているので、地元のみならず、遠方から足を運ぶお客さんも。
もともとウェブデザイナーやバーテンダーとして働いていた、店長さん。何か特徴のあるバーを作りたいと考えていたそう。子供の頃、スイスに滞在していたことから、親しみのあったスイス料理を中心としたバーを2014年7月にオープンしました。
「自家製鶏レバーパテ」(680円・税込)などお酒に合う料理はもちろんですが、おすすめは1人前からオーダーできる「ラクレット」(1人前=1,280円・税込)。彩り豊かな野菜と、スライスされた本場スイスのラクレットチーズを専用の機械で溶かしながらいただく一品です。
「最近はSNS映えを狙って大きなチーズを溶かすお店が多いですが、実はスイスの家庭ではそういう食べ方はしないんです(笑)。本場のラクレットをたくさんの人に楽しんでもらいたいですね」と店長さん。
グツグツとトロけてきたチーズを、お皿で温めていた野菜にとろ〜りとかけて……。濃厚ですっきりとした味わいのチーズは赤ワインとも相性バッチリ。スイスではじゃがいもにかけて食べるのがほとんどですが、お店では様々な野菜と一緒に楽しめます。追加の野菜やチーズのオーダーもできるので、お仲間とでもテーブルを囲んでワイワイするのもいいですね。
ところで、なぜスイスワインが希少になるのでしょうか。それは、生産量よりも国内の消費量の方が多いから! それだけスイスではワイン好きが多いということなんですね。
初めてスイスワインを飲む方には、「シャスラー(白)」(ボトル=5,500円・税込)と「チーズフォンデュ」(1人前980円・税込)の組み合わせがおすすめ。気の合う仲間とボトルを囲んで希少なワインとおいしいチーズで長い夜を過ごすのも良いですよね。
ちなみに、タイミングが合えば、オリンピックやスポーツ観戦を店内で実施しているとのこと。スイスはテニスの強豪国なので、お店で観戦するのも楽しいかも。
都内でもスイスワインを味わえるお店は限られているので、ぜひ一度足を運んでみてくださいね。
ラヴェイン (LaVeine) ・住所 〒142-0064 東京都品川区旗の台3-11-13 ERM旗の台2F ・電話番号 03-5749-3339 ・営業時間/定休日 18:00~翌2:00/日曜定休 ・URL http://laveine.c-basement.com/
4. 本格的な中南米の料理をお腹いっぱいいただけるレストラン「SHANGO(チャンゴ)」
荏原町駅から徒歩4分、にぎやかな商店街の中に「SHANGO(チャンゴ)」があります。ペルーやキューバ、メキシコといった本格的な中南米料理をリーズナブルに楽しめる都内では珍しいレストランです。
シェフを勤めるのは、キューバのホテルでもシェフ経験のある、日本滞在歴20年以上のアリアム・マルティ・ルイスさん(写真左)。妻の富永美香さん(写真右)は、スポーツインストラクターのお仕事をしながらお店のお手伝いをされているそう。
ランチタイムは近所のビジネスパーソンに大人気の同店。一番人気は、サラダとドリンクがついた「日替わりキューバプレート」(890円・税別)。また、お昼からお手頃価格で贅沢気分を味わえる「ステーキランチ」(950円・税別)は、お財布にも胃袋にもうれしいメニューです。
ディナータイムのおすすめは「ロパ ビエハ」(1,250円・税別)というキューバスタイルの牛ハラミのトマトソース煮込み、黒豆もポタージュ、青バナナのフライ添え、ご飯がセットになったプレート。キューバでは、ひとつのプレートにのった料理をぐちゃぐちゃに混ぜるのが定番の食べ方だそう。一つひとつの料理もおいしいのですが、本場風に混ぜるとよりおいしさが際立ちました! 遠慮なく、混ぜて食べてもらいたいです。
隠れメニューは、「ソパハポネサデトマテイシラントロ」(680円・税別)という締めのラーメン! 常連さんに人気メニューです。
人気なのは「キューバサンド(ポテト付き)」(1,000円・税別)で、自家製のローストポークとハム、チーズ、ピクルスなどがたっぷり。一度食べたらやみつきになるおいしさです。
キューバサンドのほか、野菜とお肉の炒め物をタコスやトルティーヤで包んで食べる「ファヒータス」(1,100円〜・税別)などのメニューはテイクアウト可能です。
ところで、キューバはモヒート発祥の地だというのはご存知ですか? 「チャンゴ」では、よく見かけるライムより小ぶりな「キーライム」を取り寄せ、本場モヒートを再現しています。鼻に抜けるアルコールが心地よく、私も仕事を忘れ、おいしくいただいてしまいました!(笑)
キューバ現地で撮影した素敵な写真がたくさん飾られた店内。じっくり眺めているだけでも旅行気分を楽しめます。
1年間の平均気温が25度を超えるキューバ。ご主人に観光におすすめの季節を聞いてみると「夏は外に出るのは無理だよ! 3〜5月くらいはちょうどいいんじゃないかな?」とのこと。
現地で腕を磨いたご主人だからこその本場の味には、ファンも多く、キューバ出身のプロ野球選手や近所のアスリートたちも常連なんだとか。オリンピック期間中もキューバ選手たちの胃袋を満たすお店として注目されそうですね!
「添加物も入れず、食材にもこだわった料理を提供しています。最近では、ビーガンをはじめ食事にこだわりのある方も増えてきたので、『魚しか食べられない』『野菜だけで食べたい』などの要望にもお応えしています」と奥様の富永さん。休日は地元のお客様でにぎわうそうなので、ぜひ予約をした上で楽しんでくださいね!
SHANGO(チャンゴ) ・住所 〒142-0053 東京都品川区中延5-13-16 パープルビル 2F ・電話番号 03-6451-3442 ・営業時間/定休日 11:30〜15:00(LO 14:30)、17:30~23:00(LO 22:30)/火曜定休
5. 刺激的で魅力的! ネパール本場の味を全身で浴びられる「バルピパル」
最後に紹介するのは、西小山駅から徒歩1分ほどの場所にあるネパール料理店「バルピパル」。2016年2月に武蔵小山から西小山に移転してきました。目黒にも姉妹店「バルピパル kitchen(東京都品川区上大崎2-26-5 メグロード2階 )」があり、知る人ぞ知るネパール料理の名店です。
学生時代、留学で日本にやってきたオーナーのマハラジャンさん(写真中央)。滞在中に、すっかり日本が大好きになり、お店を出すことを決めたそう。
提供するのは、ネパール料理の中でも「ネワール料理」。お酒を飲む民族なので、お酒にぴったりな味付けの料理が多いんだとか。現地では水牛を使ったメニューが親しまれているそうです。お店のランチタイムで人気ナンバーワンは、ネパールの定食「ダルバート(カレー2種)」(1,020円・税込)。
今回は、日本でいう焼きそばのような料理「チャウミン」に挑戦! 日本ではあまり知られていないものの、ネパールでは日常的に食べられています。たまご麺と野菜が、エキゾチックでスパイシーな味付け。お箸がどんどん進む、お酒ともぴったりな一品です。
ランチタイムは「チャウミン&モモセット」(970円・税込)を注文すれば、若い女性に人気なネパールの餃子モモも付いてくるのでとってもお得! モモにつけるソースはカレーのような味で、ネパールの食文化を存分に味わえます。
実はアルコールメニューも充実。注目は、ネパールの焼酎「ロクシ」(グラス=580円・税別)で、アルコール度数はなんと48度! お祭りが大好きなネパール人は、普段からラム酒の「ククリラム」(グラス=500円・税別)や焼酎などいろいろなお酒をたくさん飲むそうです。
飲みやすいお酒として人気なのは、さっぱりとした飲み口の「ネパールモヒート」(630円・税別)。ネパールの地ビールもあるので、ちょっぴり辛い料理とおいしいお酒を飲みながら、全身でネパールを楽しみましょう。
異国情緒あふれる店内では、ネパール料理だけでなく、水タバコ「シーシャ」(1,180円・税別)も味わえます。食後のまったりタイムに水タバコ……。まさにネパールに旅行しているような気分になれる空間です。
ちなみに、ネパールではクリケットが人気スポーツなんだとか。「陸上や格闘技は強いけど、オリンピックで活躍できる選手はまだまだこれから」とのこと。東京オリンピックで、どんな走りを見せてくれるか楽しみですね。
バルピパル ・住所 〒142-0062 東京都品川区小山6-7-16 ・電話番号 03-3786-1214 ・営業時間/定休日 11:00〜15:00(LO 14:30), 17:00〜24:00(LO 23:30)/火曜定休 ・URL https://www.barpipal-nepal.com/nishikoyama
品川区で世界旅行気分を味わおう!
「こんな国の料理が食べられるの?」と、思わず驚くようなラインナップでお届けしました。
食を通じていろんな国を巡ってみると、その国の文化や習慣を一緒に知ることができ、とても楽しい取材となりました。オリンピックが始まる前に、旅行気分で品川区内の珍しい国のグルメを巡ってみましょう。
(取材:つるたちかこ 編集:鬼頭佳代/ノオト)
※価格及びメニューは、2019.12.19公開時の情報です