東急目黒線沿いでお花見グルメさんぽ
今年も桜が舞うシーズンがやって来ました。出会いと別れの季節を優しく見守ってくれる桜に、私たちは毎年癒されていますよね。目黒川、かむろ坂、林試の森公園、立会道路の桜並木など、東急目黒線沿いには花見スポットがたくさん。少し足をのばして、桜を楽しんでみませんか?
今回は目黒線沿いのグルメスポットに注目。窓からお花見ができるお店や、桜並木を散策して休憩がてら立ち寄れるお店をご紹介します。(2024.3.22)
1. “食の冒険”をするならここで! 新しい味に出合えるスパイスカレー店「ケラク」(目黒)
最初にご紹介するのは、目黒駅を出て白金台方面に徒歩2分、目黒通りを一本脇道に入ったビルの地下にあるスパイスカレー専門店「KERAKU(ケラク)」です。
スパイスの香りにつられ階段を降りていくと、ネパール出身の店長・ラジェスさんと、スパイスカレー好きが高じて同店で働くことになったスタッフ・あかねさんが出迎えてくれました。
同店のメニューは、代々木上原にある人気スパイスカレー店「ハルダモンカレー」が監修したレシピで作られています。南インド・ケララ地方のカレーを中心に、あっと驚くアレンジを加えたメニューが特徴です。ラジェスさんとあかねさんがオリジナルレシピを作ることも。
「お客さまとのおしゃべりが好きなので、つい自分から『今週のカレーはどうでした?』と聞いちゃいます(笑)。毎週の新作カレーの感想を言ってくれたり、お気に入りのカレーが終わっちゃうのが寂しいと伝えてくれたりするお客さまがいて、そうした反応がうれしいです」(あかねさん)
この日は、「A:サグチキンコルマカレー」「B:スパイシーペジミートキーマ」「C:ケララフィッシュカレー」に加えて、期間限定の「黒タンコフタ(ミートボール)カレー」というラインナップ。週に一度、ABCいずれか1種類のカレーが新しくなります。
さまざまな味を楽しみたい人におすすめな「A+B+Cのあいがけ」(1,800円)は、ダルや豆サラダ、うずらの卵などの副菜が4〜5種も付く豪華なワンプレート。食欲をかき立てるスパイシーな香りで、ついクセになる味とはまさにこのこと! 口いっぱいに旨みと辛みのバランスよい味わいが広がります。
それぞれの味を楽しんだら、全部をぐちゃっと混ぜて食べるのも一興。今回はインドの漬け物「玉子アチャール」(150円)もトッピングしました。
「二人で相談しながらお店作りをしています。サイドメニューとして、ビーフチョエラというネパール料理をこれから出す予定。肉や野菜の料理を少しずつ増やしていきたいです」とラジェスさん。
浄土の安楽を意味する仏教の言葉「快楽(けらく)」が店名の由来だそう。お花見で目黒川沿いをたくさん歩いたら、ケラクのスパイスカレーを食べて元気をチャージしちゃいましょう!
・住所 東京都品川区上大崎3-3-1 坂上ビルB1F ・営業時間 11:00~17:00(カレーがなくなり次第、閉店) ・URL https://kerakuspicecurry.com/
2. 本場のフランス家庭料理を広めたい 陽気なシェフが待つ「キャトルアブリール」(不動前)
不動前駅から徒歩3分、かむろ坂沿いにあるフランス家庭料理「キャトルアブリール」。2012年に武蔵小山でオープンし、2022年に現店舗に移転しました。
店主兼シェフのジャン・ボスコさんは南フランスのトゥールーズ出身で、家族のルーツは西アフリカのコートジボワールにあります。
店内はオレンジを基調とし、フランスの田舎の家庭をイメージしたといいます。店名の「キャトルアブリール」はフランス語の4月4日という意味。この日はボスコさんの娘の誕生日なのだとか。
2階に上がると、窓からはかむろ坂の桜が臨めます。毎年、花見シーズンはバイキング形式のパーティーを開催するそうです。
時期によってさまざまなメニューが味わえる同店。この日はランチに前菜と食後のコーヒーが付く「ヤッサ」(1,700円)を頼みました。
柔らかい骨付き鶏もも肉のコンフィに、たっぷりのオニオンが入ったソースが染み込んでとてもおいしいです。さわやかなレモンとアクセントになるオリーブがよく引き立ちます。
デザートには、りんごを丸ごと20個も使ったボスコさんオリジナルの「タルトタタン」(1ピース=1,100円)が人気。砂糖を使わず、りんごを何層にも重ねた生地。ほろほろとしたりんごが口いっぱいに広がる、とても贅沢な味わいです。
店の入り口には、焼き菓子の「ピーナッツのキャラメリゼ」「クロケット」「カヌレ」(以上300円)や「ブリオッシュ」(950円)なども並び、テイクアウトもできます。
「フランス料理といっても地域によって郷土色豊かなので、さまざまなフランスの家庭料理をこれからも提供したいです。慣れ親しんできた郷土料理が、遠く離れた日本のお客さまにも浸透していてとても面白いし楽しく感じます」と話すボスコさん。
写真の笑顔からも伝わるとおり、ボスコさんはとても陽気なお人柄。初めて来たお客さんにも「それどう? おいしかった?」と気さくに話しかけてくれます。本場のフランス家庭料理、体験したことがない方はぜひ! まさに現地で食べているような気分になれますよ。
・住所 東京都品川区西五反田4-8-11 ・電話番号 03-6431-9363 ・営業時間 11:30~15:00、18:00~23:00 ※水曜・金曜はディナータイムのみ ・定休日 月曜 ・URL https://www.facebook.com/bistrot.quatre.avril/
3. 一人でふらっと入店も大歓迎! 臨機応変なエスニック料理「CBC」(武蔵小山)
武蔵小山駅から武蔵小山商店街パルム方面へ徒歩5分。ネオンサインが目印の「エキゾチックカフェCBC 武蔵小山」にやって来ました。
グループはもちろん、おひとり様の来店も大歓迎だそう。テラス席はワンちゃんの同伴もOKです。
コロナ禍の休業を経て、2022年に営業を再開した同店。店名の「CBC」は「case-by-case(ケースバイケース)」の頭文字から付けられました。
店主の冨部麻里さんは、店名に込められた思いを大事に「お客さまの希望でメニューをアレンジしたり、食べられる食材に変更したり、できる限り一人ひとりに合わせた食事を提供しています」と笑顔を見せます。
「レモングラス香る揚げ春巻き」(480円)は、一般的に想像する春巻きとはちょっと違います。レモングラスがたっぷり入った鶏のつくねをライスペーパーで包んで揚げたもので、ザクザクとした食感がクセになる! 本場ベトナムと同じように、レモンとスイートチリソースをかけて野菜で巻いて召し上がれ。
同店一番人気の「焼きブロッコリー」(850円)は、香ばしい焦がしネギとニンニクがたっぷりと上にかかります。冨部さんいわく、ブロッコリーが苦手だったけれど、このメニューで克服できた人もいるそう。お酒との相性もバッチリです。
アルコールメニューには、さっぱりとした味わいでビール初心者にも飲みやすい東南アジアの瓶ビール(各800円)のほか、焼酎をバニラの香りがするタイの紅茶で割った「タイティー割」(640円)「タイティーミルク割」(680円)、「自家製フルーツビネガーサワー」(750円)なども。
また、今年からランチタイムとCBCの店休日には、タイ料理店「COZY食堂」が営業しています。
「カオソーイクン(海老)」(昼:1,300円、夜:1,600円)のほか、「カオソーイヌア(牛)」(昼:1,200円、夜:1,500円)などを用意。
店長の古山幸治さんはタイ料理にハマったことをきっかけにお店をオープン。「一般的なカオソーイとは異なり、スパイスが効いたスープにココナッツスープを後から自分で足して味変できるオリジナルカオソーイです」と話します。
「お店を開く前はよくタイに旅行に行っていました。今後はベトナムやラオス、タイ北部のほうにも足をのばして、また現地の味を体験しに行きたいです。そこで受けたインスピレーションをメニュー作りにも生かしていけたら」と冨部さん。夜桜を鑑賞したあとは、ぜひエスニックなディナータイムを!
・住所 東京都品川区小山3-22-7メゾンいずみ1-111 ・営業時間 17:00〜23:00 ・定休日 月曜、火曜 ・URL https://www.instagram.com/exoticcafe_cbc/
・営業時間 11:30〜15:30、18:00〜23:00 ・営業日 月曜、火曜、土曜(ランチのみ)、日曜(ランチのみ) ・URL https://www.instagram.com/cozy_syokudo
4. 窓から桜を眺められる特等席も アートな空間でおしゃれなお花見を「I LAUGH」(西小山)
西小山駅から徒歩7分、ビル2階にあるイタリアンダイニング「I LAUGH(アイラフ)」。竹林や木々に囲まれた入り口で、「この先に何があるんだろう?」と好奇心に駆られます。
階段を上がると、ビンテージショップのようなおしゃれな店内に思わずワクワク! 壁には地図をモチーフにした布のアート、中央にはロンドンの骨董市で購入したというアンティークなディスプレイ。
店主の福元友子さんは、デザイナーやアーティストとしても活動中。福元さんのセンスを生かしたアンティークな世界観が広がる店内は、インテリアの一つ一つに発見があり、眺めているだけで楽しくなります。
立会川道路に面している同店。目の前には大きな桜の大木があり、桜の季節は窓際からこんな景色が見えるそう。なんとも贅沢です。
ランチは日替わりメニューが中心。「桜エビと菜の花のペペロンチーノセット」(1,400円)は、ピンク色の大きめな桜エビと春の訪れを感じさせる菜の花、レモンが合わさり、さっぱりとした味わい。サラダとキャロットラペ、コンソメスープが付きます。
デザートには、人気の「クロッフル」(980円)を。クロワッサン生地をワッフル状にしていて、さくふわな食感でぺろりと食べられちゃいます。
「今後は店内でアーティストによる展示や雑貨、ジュエリー販売なども行っていきたいです。お客さまが食事と一緒にもう一つ楽しめる要素をプラスできたら。4月13日でお店が5周年を迎えるため、さっそく周年イベントとして5人のアーティストによるアート展を4月7日~21日まで開催予定です」(福元さん)
春に合わせて、桜色のロゼワインも登場予定。素敵な空間で食事と花見酒を楽しんじゃいましょう!
・住所 東京都品川区荏原5-7-19 きざくらビル2F ・営業時間 11:00~15:00(ラストオーダー14:30)、18:00~23:00(ラストオーダー22:00) ※日曜・祝日は22:00まで(ラストオーダー21:00) ・定休日 水曜 ・URL http://i-l-a-u-g-h.com/
5. しっとりorほっくり、どちらがお好み? 壺焼きのさつまいもを堪能「銀六いも」(西小山)
西小山駅徒歩2分、壺(つぼ)焼き芋専門店「銀六いも」です。2019年から冬季限定で戸越銀座商店街のビル軒先で営業していましたが、2023年11月に西小山で常設店を構えました。
ガラス張りの店内から見える、大きな二つの壺。店主の柴岡由利子さんが愛知まで足を運んで選んだ、とっておきの道具なのだそう。
「炭火による遠赤外線効果でじっくりと熱が入り、甘い焼き芋に仕上がります。火の入り方は湿度や温度にも影響を受けるので、日によって調整しています」と柴岡さん。
ナチュラルウッドなインテリアをそろえた温かみのある店内。さらに、柴岡さんの気さくな接客と素敵な笑顔は思わず心がほっこりします。
ふわっと優しいお芋の香りが漂ってきました。ふわふわなエスプーマクリームが乗った「壺焼き芋シェイク」(690円)は、芋の甘みが引き立って濃厚! 焼き芋との組み合わせは、さつまいも好きにはたまりません。
ねっとりとコクのある甘みが特徴的な「紅はるか」、さっぱりとした甘みのほくほくした「鳴門金時 里むすめ」。半分に割って、友人や家族、カップルでシェアしてもいいですね。
さつまいもは、柴岡さんが農家に赴き直接仕入れることも。「同じ品種でも栽培や保存の方法は作り手によって異なります。そのこだわりを伺って、幅広い品種・味の焼き芋をそろえています。お客さまにも農家さんの思いを伝え、いろんなさつまいもを食べ比べて楽しんでもらえたら」(柴岡さん)
今後は、焼き芋のトッピングとして、バニラアイスやクリームチーズを用意するほか、新メニューのブリュレ、夏に向けて自家製シロップのかき氷も販売予定です。焼き芋片手にお花見、贅沢な時間が過ごせそうですね。
銀六いも
・住所 東京都品川区小山6-5-4 1F ・営業時間 11:30~17:30 ・定休日 不定休 ・URL https://www.instagram.com/ginrokuimo/
今回ご紹介したお店は、どこもお花見スポットに近いところばかりです。桜を楽しみながら、おいしいグルメに舌鼓! ぽかぽかと暖かくなる季節、ぜひ散策がてら立ち寄ってみてくださいね。
※記事中の店舗情報は2024年3月の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。
(取材:矢内あや 編集:森夏紀/ノオト)
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