日本茶を味わおう!品川区のおすすめ5店
海外では抹茶(Matcha)の人気が高まり、改めて注目される日本茶。製法によって、煎茶、抹茶、玉露、ほうじ茶などさまざまな種類があり、身近ながら奥深い存在です。日本茶カフェでお茶を楽しんだり、専門店で茶葉を選んだり、品川区内のお店でお茶の魅力に触れてみませんか?(2026.5.29公開)

1. モダンな店内で、抹茶や季節の和菓子を味わうカフェバー「あおいやま」(不動前)

東急目黒線・不動前駅から徒歩2分ほど、モダンな外観が目を引く和菓子カフェ&バー「あおいやま」。
2025年11月に目黒本町から移転オープンし、昼はカフェ、夜はバーとして営業します。

メインとなるカウンターは、やわらかな曲線を描くデザインに。居心地がよく、やさしい印象の店内に仕上げました。カウンター5席、テーブル9席を設け、ペット連れでの入店も可能です。
店名の「あおいやま」は、俳人・種田山頭火の俳句「分け入っても分け入っても青い山」に由来します。
店主の酒井麻紗子さんは、この俳句について「本来は種田山頭火の行き場のない閉塞感を詠んだ句ですが、私は『青い山』という句から青々としたきれいな新緑の景色をイメージし、前向きなパワーを感じました」と話します。
会社員を辞めて「あおいやま」をオープンした酒井さん。「未知の世界に足を踏み入れるほど、そこから見える景色が新緑のきらきらした世界であってほしい」という思いから名付けたそうです。

その場で点ててくれる抹茶と、酒井さんが味やデザインを手がける季節の練り切りを注文しました。
こちらの薄茶(ホット、800円)は、京都に本店を構える「一保堂茶舗」の抹茶を使っています。深みや渋みがありつつも、すっきりとした口当たりです。茶葉は定期的に産地を変えるそうで、行く度に違った味を楽しめます。
練り切りは月替わりで、取材時に提供していた「青風果(せいふうか)」(600円)は、中のあんにドライパイナップルが入っています。柔らかな甘さとしっとりとした口当たりの中に、ほのかな甘酸っぱさと果肉の食感が楽しい、さわやかな初夏の空気を表現した一品です。

このほか、ドリンクは黒豆茶・黒豆の和菓子専門店「寛永堂」の「無添加黒豆茶」や、日本茶「かごしま知覧茶」(以上750円)、コーヒー(500円)などを用意。特製粒あんの「どらやき」(330円)、季節のフルーツを添えた「自家製白玉あんみつ」(900円)といったスイーツもそろえます。

「気分は日によって変わるもの。お客さまのその時々の思いに寄り添えるお店を目指しています。おひとりでゆっくり過ごしたい日も、誰かと言葉を交わしたい日も、それぞれ自由に楽しんでもらえたら」と酒井さん。
バータイムにはビールや焼酎、ワインなどのアルコールも提供します。昼とはまた少し違った落ち着いた雰囲気の中で、和菓子をいただきながらゆっくりと過ごせそうです。
あおいやま ・住所 東京都品川区西五反田4-29-12 丸福マンション1F ・営業時間 カフェタイム=13:00〜18:00、バータイム=18:00〜22:00(火曜・金曜はバータイム営業のみ) ・定休日 月曜 ・URL https://www.instagram.com/aoiyama2024/
2. 現代の暮らしになじむ、新しい日本茶の楽しみ方を提案「茶雑菓」(戸越銀座)

東急池上線・戸越銀座駅から徒歩7分、戸越銀座商店街を進むと、地元の住民や観光客に親しまれている日本茶ショップ「茶雑菓」が見えてきました。
お店を運営しているのは、1932年創業の地元メーカー「吉村」。日本茶のパッケージ製作などを手がけています。
かつて商店街にはお茶のお店が数軒ありましたが、今ではすっかり姿を消してしまったそう。お茶業界が伸び悩むなか、誰でも手軽においしく飲める日本茶の魅力を伝えたいと、2022年に直営店をオープンしました。

「茶雑菓」という店名は、お茶の「茶」、雑貨・茶器の「雑」、お菓子の「菓」を組み合わせたもの。
店内には茶葉はもちろん、便利な家庭用茶器や、日本茶と相性ぴったりのお菓子などがずらり……! お茶にまつわる多種多様なアイテムがそろっていて、思わずワクワクしてしまいます。

こちらは人気商品の「ぶらり茶(緑茶・アイス)」(200円)。一見すると何の変哲もない紙コップですが、底に茶葉とフィルターが仕込まれています。

お湯と氷を入れたら、あっという間に冷たい緑茶の完成! 急須やコップを準備する手間いらずの、とても便利な商品です。
お湯を注ぎ足せば、2〜3杯おかわりしても緑茶の味わいをしっかり楽しめます。

茶こし付きの便利な水出し用ボトル(2,200円〜)は、容量の異なるタイプや横置きできるものなど、さまざまな種類をそろえます。ボトルの中に茶葉と水を入れ、30分〜1時間ほど待つと冷たいお茶の出来上がりです。

同店では茨城県や静岡県など各地の茶葉を月替わりで販売するほか、好きなお酒とお茶を選んでお茶割りを作るイベント「お茶割りBAR」など、さまざまな催しを企画しています。
便利でかわいいお茶グッズや多様なイベントを通じて、日本茶を暮らしに取り入れてみませんか?
茶雑菓 ・住所 東京都品川区戸越1-19-17 ・電話番号 03-6426-2828 ・営業時間 平日12:00〜18:00 土曜・日曜・祝日11:00〜18:00 ・定休日 月曜・火曜 ・URL https://www.chazakka.net/
3. レトロな宿場町でお茶と薬膳和菓子を堪能「南品川 茶箱」(新馬場)

京浜急行電鉄・新馬場駅から徒歩5分、閑静な街並みにたたずむ日本茶カフェ「南品川 茶箱」。旧東海道沿いにあるこちらのお店は、どこか昔ながらの懐かしい雰囲気を感じます。

2018年にオープンした同店。大正時代に建てられたという理髪店跡を、できるだけ手を加えずにそのまま残しています。場所貸しも行っていて、イベントや忘年会などで店内をレンタルすることも可能です。

店内のカウンターには、和菓子職人が作った薬膳和菓子やケーキが並びます。週替わりの「気まぐれおやつ」(300円~)、白あんが練り込まれたキャロットケーキ(480円)、黒米大福、もちきび大福(以上300円)などをラインナップ。
日本茶は、静岡・掛川産の深蒸し茶(500円)のほか、京都・宇治産の「かぶせ茶」(500円)や抹茶(700円)などを用意します。お茶は2杯目のおわかりが無料ですよ。

店主さんは「この深蒸し茶は、お店を開くきっかけとなったお茶。日本茶の色味がしっかりと出ていて、茶葉の旨味と渋みのバランスが良いことに驚いたんです」と話します。
黒ごまあん入りの「黒米大福」は、黒米のプチプチとした食感が心地よいアクセントに。やさしい甘味にほんのりと塩味が重なり、味わいを引き締めます。

お店では2か月に1回、常連さんが持参した絵本の朗読会なども開かれるんだとか。その本の雰囲気やテーマに合わせた和菓子も一緒に提供するそう……!
店主さんは「読書会やギターの弾き語りなど、これからもお客さんがやりたいことを叶えられるような場にしたい。このお店が、地元に根付いたアットホームな空間であり続けることを願っています」と話します。
日本茶を味わいながらゆったりと過ごせる、地域の憩いの場。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
南品川 茶箱 ・住所 東京都品川区南品川2-11-5 ・電話番号 なし ・営業時間 11:00〜18:00 ・定休日 月曜・火曜・水曜 ・URL https://www.instagram.com/cha8ko/
4. 創業100年、地域に寄りそうお茶と海苔の専門店「一元園」(荏原中延)

東急池上線・荏原中延駅から徒歩3分、昭和通り商店街にある「一元園」は、今年で創業100年を迎えたお茶と海苔の専門店です。
店頭では月に数回、焙煎機で茶葉を煎るそうで、近隣の小学校から下校中の子ども達がほうじ茶の良い香りにつられてお店を覗くこともあるんだとか。なんとも素敵な光景ですね。

店内には全国各地の茶葉や海苔、茶菓子、お茶を淹れるための道具が並んでいます。
有名産地の茶葉は一通りそろえていますが、同店がメインで扱っているのは静岡・島田産と掛川産の深蒸し茶。昔から変わらない、一元園と言えばこれ、と地域の人に親しまれている味です。
3代目店主の中野憲一さんは、日本茶の専門知識や技術を有する「日本茶インストラクター」の資格を持っています。そんな中野さんに、おすすめのお茶を聞いてみました。

「今は急須がない家庭も多いですから、ティーバッグの商品なら手軽にお茶を飲めます。焼き海苔とのセットがしながわみやげに認定されたこちらの商品は、煎茶のほかに玄米茶やほうじ茶、和紅茶もそろえていますよ」(中野さん)
また、季節を感じられるのもお茶の醍醐味。「『八十八夜摘み新茶』と言って、節分から数えて八十八日目の夜に良いお茶ができると言われています。2026年の場合は5月2日。年に1度しか収穫できないおいしい新茶を、半年分まとめて買っていくお客さんもいます」と中野さん。

同店では、「せっかく訪れてくれたのなら一息ついてほしい」とお客さんにお茶をふるまうことも。中野さんが季節に合わせて選んで淹れたお茶をいただきながら、気になる商品をじっくり選んでみましょう。

新茶の「つゆひかり」(648円)を購入し、自宅で水出しで飲んでみました。暑くなるこれからの時期にぴったりなのはもちろん、水出しはお湯に比べて渋みやカフェインの量をぐっと抑えられるという嬉しいポイントもあるんです。
筆者は久しぶりに緑茶を飲みましたが、「こんなに甘くてまろやかだったっけ?」と驚き。爽やかな香りやきれいな薄緑色も、ホッと落ち着く時間をもたらしてくれました。

「お客さんは地元の方が多いですが、最近は若い方や外国人観光客も増えています。お茶になじみがない人も、気軽に立ち寄ってほしいですね」と中野さん。
日本茶についてよく知らなくても大丈夫。おすすめの茶葉や道具の使い方について、中野さんが丁寧に教えてくれますよ。
一元園 ・住所 東京都品川区中延2-16-4 ・電話番号 03-3782-2363 ・営業時間 9:00〜19:00 ・定休日 日曜 ・URL なし
5. コース料理のように煎茶を提供、ワインソムリエが営む「日本茶専門店 粋.sui」(天王洲)

りんかい線・天王洲アイル駅から徒歩10分の「日本茶専門店 粋.sui」。寺田倉庫が運営するアート複合施設「TERRADA ART COMPLEX Ⅰ(テラダアートコンプレックス1)」の中庭に位置しています。
店主は、銀座でワインソムリエを務めていた島村みちるさん。独立してワインのお店を持ちたいと考えていたところ、常滑焼(とこなめやき)の名工・磯部輝之さんの急須を贈られたことがきっかけで日本茶に興味を持ち、このお店を開きました。

店内は木のぬくもりを感じるカウンタースタイル。心地よく静かな空間で、島村さんが目の前で一煎ずつ丁寧に淹れる日本茶を味わえます。
急須は全て作家物の常滑焼で、それぞれ色や形が異なります。「注文の際はお客さまが選んだ急須でお茶を淹れるので、お気に入りを見つけてみてください。今は約40客ありますが、100客になるまで集めたいですね」(島村さん)

煎茶のメニューはどれも、産地や銘柄ではなく数字を冠しています。先入観をなくして味わうための工夫です。この日いただいた煎茶「七.,Sept(セット)」(1,430円)は、鼻を抜ける爽やかな香りが特徴的で、濃厚な旨味とほどよいビター感を味わえる1杯でした。
「さやまかおりという茶葉を使っています。針金のような形状の上質な茶葉のみを選別して淹れることで、お茶の色が澄みわたり、余韻を楽しめる味わいに仕上がりました」(島村さん)
1煎目は軽くて薄いカクテルグラス、2煎目は重厚感のあるブルゴーニュグラス、3煎目はティーカップで提供し、さながらコース料理のように煎茶を味わえます。このほか、ほうじ茶や玄米茶、抹茶ラテなどのドリンクもそろえています。

健康に気遣い、体に優しい食材で作る自家製スイーツも用意。きび砂糖で仕上げた「マスカルポーネとクリームチーズのブランマンジェ あまおうの苺ソース」(880円)は、あまおう本来の甘みや酸味が口いっぱいに広がりました。

「生産者がこだわり抜いて作り、私が惚れ込んだお茶の味わいを、多くの方に知ってもらいたい。当店をきっかけに、日本茶の概念が覆る体験をしていただきたいです」と話す島村さん。その言葉通り、静謐な空間でゆったりと言葉を交わしながらいただくことで、普段とは一味違うお茶を堪能できますよ。
日本茶専門店 粋.sui ・住所 東京都品川区東品川1-33-10 ・電話番号 03-4400-4938 ・営業時間 11:00~18:00 ・定休日 月曜 ・URL https://coubic.com/_sui
自宅で気軽に飲んだり、専門店でじっくり時間をかけて味わったり、多様な広がりを見せている日本茶の世界。自分に合った飲み方で、お茶を楽しんでみてくださいね。
※記事中の店舗情報は2026年5月の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。
取材・文 アベユヅキ(あおいやま、茶雑菓、南品川 茶箱) 阿部夏美(一元園) 梶原たくま(日本茶専門店 粋.sui)
編集 ノオト





