品川ゆかりの個性豊かな5名の作家さん
芸術の秋がやってきました!実は品川区内には、個性豊かなアート作品をつくるアーティストさんがたくさんいるのをご存知でしょうか?
先日行われた「品川区民芸術祭 品川アーティスト展」は無観客の開催でしたが、数多くのアーティストさんが集結し、盛り上がりました。今回は品川区にゆかりのある個性豊かな5名の作家さんに取材し、活動内容やこれからについてお話をお伺いしました。(2021.10.09)
1. 見れば見るほど好きになる魅力的なキャラクターにハマる人続出! 深澤ユリコさん
荏原中延の昭和通り商店会マスコットキャラクター「しょうちゃん」をご存知でしょうか?こちらのイラストを手掛けたのは、品川区で生まれ育った深澤ユリコさん。
独特な世界観のあるイラストで、「しょうちゃん」もなんの生物かわからないようなキャラクターに仕上げたそうです。
幼少期から絵を描くことが好きだったという深澤さん。美術短大を卒業後、家業を手伝いながら都内での個展やグループ展に参加されていきます。
「展示会で作品を見て、涙を流す人、素通りする人、首をかしげる人、笑う人、本当に様々な反応をしてくれます。同じ作品でも見た人によって様々な解釈や捉え方をしてくださるのは、私自身の発見にもなります。次の作品を作る原動力にもなっています」
最近は、キャラクターの1つである線画のうさぎのイラストが人気なのだとか。
このうさぎは、エンタテイメントで品川区を盛り上げる活動をしている任意団体『しながわ学院エンタ部』、品川区商店街連合会が主催する東京の木と暮らすきっかけを作る活動『木ッカケ』、SLOWMARKETなどとコラボをしています。
今後は、様々なジャンルで活躍するアーティストさんとコラボしてみたいと語ってくれました。「コラボしてみたい!」という方はぜひ深澤さんへご相談を!
見る人やタイミング、触れた感触によって作品の色合いが変化する深澤さんの魅力的なアート作品の一部はオンラインで購入が可能。北品川のクロモンカフェでも、深澤さんのアート作品を気軽に楽しめます。2021年10月以降も、品川区周辺で開催されるイベントにも参加される予定です。
<2021年の予定> 5月〜 北品川 クロモンマルシェ部(オブジェ展示中・マルシェ不定期出店/終了時期未定) 10月10日 大崎 しながわ夢さん橋出店 10月16日 西小山 にしこやまつり出店(キャラクターデザイン制作) 11月7日〜 西小山 チェイロデトキオ/カレンダー展(3人展)
活動の詳細については、ウェブサイトやInstagramでご確認ください。 ホームページ:https://yurikofukazawa.jimdofree.com/ オンラインショップ:https://fukafukawork.thebase.in/ Instagram:https://www.instagram.com/yuriko_fukazawa_art/
2. ワンちゃんが紡いだ“かごバッグ”のご縁「Un Deruno(旧:I am )」貝塚なおこさん(武蔵小山)
2021年3月、武蔵小山駅からすぐの場所にあるMUSAKOHOUSE(武蔵小山創業支援センター)で、期間限定ショップをオープンさせた貝塚なおこさん。
結婚を機に2017年から品川区へとやってきた貝塚さんは、もともと茅ヶ崎でかごバッグづくりのワークショップを行う人気の作家さんでした。
もともとかご編みが得意だった……というわけではなく、ワンちゃんのしつけ教室でつかうスナックバッグをかご編みしたが創作を始めるきっかけに。
スナックバッグを見た犬友達の間で、「私にも教えてほしい」「同じものがほしい」と話題となり、ワークショップを開催するようになったそう。
スタート当時は、材料費も取らず「みんなで作りたい」という一心で活動していたため、利益などは考えていなかったのだとか。
その後、結婚と出産を経て、雑誌に掲載されたワークショップの記事が話題となり、2020年には書籍『3時間でできるかごバッグ』(主婦と生活社)を出版することに。
さらに勢いの止まらない貝塚さんは、チャレンジショップの存在を知り、応募すると見事一発合格! 2022年8月までの期間限定ショップをオープンさせました。
現在では、MUSAKOHOUSE内での販売に加えて、月5〜6回のワークショップ開催やオーダー注文の受付、他地域のポップアップストアへの出店と充実した日々を過ごしているそうです。
「将来は販売もオーダーも受けられて、かごバッグのワークショップも開催できるドッグカフェのような空間を作りたいなと思っています。ワンちゃんに繋いでもらったご縁で、私自身、一歩踏み出し、たくさんのチャンスを手にすることができました。何かやりたくて悩んでいる人がいるなら、どんどん行動してみてほしいです」(貝塚さん)
未来について笑顔で語る貝塚さんの姿は、輝いていました。武蔵小山のお店には、季節に合わせた素敵なかごバッグが多数販売されています。人気は、自分のペットの姿を編み込んだオーダーメイドの『わんこカゴバッグ』(15000円〜)。ワンちゃんとのお散歩にぜひお立ち寄りください。
MUSAKOHOUSE(武蔵小山創業支援センター) ・住所 〒142-0062 東京都品川区小山3-27-5 ・営業時間/定休日 11:00〜18:00/なし ・URL https://iamkagobag2012.amebaownd.com/
3. キラキラ輝くビー玉アートを日本中に広げたい!手作り雑貨の雅〈miyabi〉の堀間雅絵さん(中延)
今年の2月に品川区を舞台にしたTwitterドラマ『はつ恋とビー玉〜10の約束〜』にも登場したビー玉アートを手がけるのは、堀間雅絵さん。
結婚後に移り住んだ岩手県で子育てをしながら、企業で忙しく働いていたころ、たまたま入った雑貨店で、岩手県発祥のビー玉アート(マーブルアート)と出会い、心惹かれてしまったのだとか。
「もともと趣味と呼べるものもなくて、アートにも関心はありませんでした。けれどビー玉アートと出会ってからは、寝る時間も忘れるくらいに作るのが楽しくなってしまって。そんなころの東京出張中、たまたま今のお店の空き物件を見かけて、『私はここでビー玉アートのお店を開業するぞ!』って決意しちゃったんです」(堀間さん)
開業の決意を固めた堀間さんは仕事を辞め、家族の協力を得ながら手作り雑貨の雅〈miyabi〉を2015年、中延にオープン。月の半分を東京でのお店運営、残りを岩手での作品づくりに充て、二拠点生活をスタートさせます。
お店も軌道に乗り始め、ビー玉アートを習いたいと生徒さんが増えてきた2020年、新型コロナウイルスにより2拠点での活動が難しくなってしまいます。
しかし、ビー玉アートの楽しさを一人でも多くの人に届けたいと願う堀間さんは作品づくりの手を止めることはありませんでした。
コロナが収まるまでお店は不定休とし、『ビー玉アート体験』の飛び入り参加は一時休止中。現在は、じゃらん遊び体験のサイトから事前申し込みした方のみ、受け入れ対応をしています。(2021年9月現在、体験は不定期開催です)
「ビー玉サンキャッチャー」や「ビー玉のネックレス」をつくる体験を通じて、少し塞ぎがちな気持ちをキラキラとしたビー玉の輝きが元気にしてくれるはず! 1日でもはやく、笑顔でビー玉アートを楽しめる日を迎えたいですね。
手作り雑貨の雅〈miyabi〉 ・住所 〒142-0053 東京都品川区中延2-15-13 ・電話番号 090-2997-4490 ・営業時間/定休日 不定休(変動あり/営業時間はブログを確認ください) ・ホームページ https://www.hello-miyabi.com/ ・ブログ https://ameblo.jp/miyabi81135/
4. イラストレーターから現代アートまで! 自分に限界を作らない、橋爪かおりさん
品川区アート活動応援マスコット『しなーと』のデザインを担当されている、イラストレーターの橋爪かおりさん。品川区の鳥、ユリカモメをモチーフに、品川区内で活動するアーティストさんたちを応援するキャラクターとして活用されています。
しなーとは橋爪さんご自身が「かわいい!」と思えるキャラクターを描いで完成させたキャラクターなんだとか。
子育て中に参加していたPTA活動の中で、イラストを描く楽しさを感じていた橋爪さん。「何かのプロになりたいなら早いうちから始めなさい」いう母親の言葉を機に、主婦をしながらイラスト教室へ通い始めます。
通い続けるうち、イラスト教室の先生から「ポートフォリオを持って、出版社へ行きなさい」と薦められ、いくつもの出版社を渡り歩いたのだとか!
その結果、少しずつお仕事もらえるようになり、雑誌の挿絵や新聞の連載など順調に商業イラストレーターとしての階段を上がっていきます。お子さんが大学受験をきっかけに「一緒に学ぶ姿勢を!」と、改めてイラスト教室へと通い直し、再び仕事へのエンジンをかけていったそう。
子育てと仕事の忙しい毎日の中で、病気とも戦うことになった橋爪さんですが、過去を振り返る様子はとってもポジティブです。
「私のモットーは現状維持。『これからイラストを仕事にしたい!』と考えているのなら、まずは『自分の立ち位置を知ること』が大切だと思います。焦らずにゆっくり、バランスをとりながら、無理のない範囲で欲張らずにやってみてほしいですね。子育て中の方も、自由になってからの時間は長いですよ!」
現在はイラスト制作のお仕事をしながら、ドローイングのワークショップも開催中。
最初は「自分のために」と靴やカバンにドローイングを始めたという橋爪さん。次第に「描き方を教えてほしい」「私の靴にも描いてほしい」と言われることが増えてきたそう。
また最近は、「現代アート」の教室にも通っている橋爪さん。きっかけは現代アートの見方を知りたかったからなのだとか。新しい作品づくりにも挑戦中です。幅広い作風の中にも、橋爪さんの優しさと芯の通った強さがしっかりと描かれています。
<2021年の予定> 10月28日、11月25日、12月23日(全3回) 神奈川県横浜市 港北カルチャーセンター「ボールペンイラスト講座」 https://www.culture.gr.jp/detail/kouhoku/itemview_40_903048785.html
活動の詳細やワークショップについては、橋爪さんのホームページでご確認ください。 ホームページ:https://knoow.jp/@/hananocafe ドローイングのInstagram:https://www.instagram.com/edamamet818kaorin_drawing/
5. 生活にそっと寄り添う温かみのあるキャンドルを。LUNE CANDLEのLunaさん
2020年末まで中延にある「インストールの途中だビル」にて活動されていたLUNE CANDLEのLunaさん。
現在は、関東近県を中心に出張型ワークショップや、アトリエでのキャンドル教室を開催されています。11月には、「品川アーティスト7人展」へも出展します。
カラフルでかわいいキャンドルですが、早いものでは約30分のワークショップで完成させられるのだとか。
「『小さいお子さんから大人まで気軽に楽しんで作れるキャンドル』をモットーにワークショップを開催しています。キャンドルと言っても、手でこねて作るものから、溶かしたロウをシリコンの型に入れて形作るものまで、幅広い作り方があるので作りたい形の作品をつくれますよ」(Lunaさん)
もともとキャンドルに灯された炎を眺めるのが大好きだったというLunaさん。その頃は自分で作るなんて考えていなかったそうですが、キャンドルの魅力にどんどんとハマってしまい、キャンドルアーティスト・インストラクターの資格を取得。
2017年から、本格的にキャンドル作家として活動をスタートしました。これまで数百点以上の作品を制作し、展示会で発表しています。
また、品川文化振興事業団が主催するクラウドファンディング『コロナ禍でもがんばるアーティストを応援する新マスコットしなーとを着ぐるみにしよう』のリターン商品としてもLunaさんのキャンドルが提供されています。
先にご紹介した橋爪さんが描かれた「しなーと」のキャンドルがとってもかわいい! コロナ禍でも頑張るアーティスト・アート活動支援のためのクラウドファンディングですので、気になる方はこちらもぜひチェックください。
いつかキャンドル作家になりたい!という人に向けてメッセージをお願いしたところ、「やりたい気持ちがあるのなら、できない理由を探さずに行動あるのみ!」とLunaさん。温かさの中に、まっすぐな芯が通ったLunaさんは、まるでキャンドルのよう。
また、オンラインショップからキャンドルは購入可能。ワークショップに参加したい方は、Instagramに最新情報が掲載されていますよ。
秋から冬にかけて夜の時間も長くなってくるので、Lunaさんのキャンドルを灯して、自分だけの時間を過ごしてみませんか?
<2021年の予定> 10月3日 立川アレアレア ハロウィンキャンドル作りワークショップ(要予約・150名限定) 10月10日 西新井住宅展示場 ハロウィンキャンドル作りワークショップ 10月21〜26日 池袋東武百貨店 展示販売 11月 品川アーティスト7人展出展
※オーダーメイドも対応可能。サイトやインスタグラムのDM(ダイレクトメール)からご相談ください
※購入についてはオンラインショップ、ワークショップなど最新情報についてInstagramでご確認ください。
オンラインショップ:https://lunecandle.thebase.in/ Instagram:https://www.instagram.com/lune_candle/
品川区とゆかりのあるアーティストさん5名にお話を伺いましたが、みなさん本当に個性豊かでお話を伺っている私の方が元気になるそんな取材となりました。
キラキラと輝く皆さんの活動を知り、作品に触れることで、自分自身の感性も刺激され、新たなアイディアや視点が得られるはず!
かわいい……、面白そう……。などちょっと気になるものからでもアートの扉をノックして、あなたの世界を広げてみては?
※記事中の店舗情報は2021年9月28日時点の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。
(取材:つるたちかこ 編集:鬼頭佳代/ノオト)