品川区注目のニュースポット 2022
今年も品川区にはさまざまなお店や施設が誕生しました。行列のできるケーキ店から、話題のイタリアン、地元密着型のバーや居酒屋、楽しみながらSDGsを学べる品川区立の体験型施設まで、この1年でオープンした区内注目のスポットを紹介していきます。(2022.12.16)
1. 德永シェフが作る、どんな人にもおいしいケーキ「équilibre」(エキリーブル)(不動前)
2022年3月、東急目黒線・不動前駅近くにオープンした洋菓子店「équilibre(エキリーブル)」。店主の德永純司さんはコンテストで数々の受賞歴を持つパティシエで、TBSドラマ「この恋あたためますか」「グランメゾン東京」のスイーツ監修も手がけました。
そんな德永さんがついに独立するということで注目を集めた同店。出店先は目黒線沿いで探していたといい、「地元の方にちょっと道を訪ねたりすると快く応えてくださって、不動前は街や人の雰囲気がいいなと感じました」と徳永さん。
同店では、ケーキ、焼き菓子、チョコレートを販売しています。店頭商品のほか、バースデーケーキやクリスマスケーキなど、オンライン予約限定のケーキも。オンラインショップも要チェックです。
ショーケースの中には、光り輝くようなきれいなケーキが約20種類。ショートケーキやモンブランなどの定番に加え、新作や旬のフルーツを使った季節のケーキが並びます。味や食感、見た目など全ての要素のバランスにこだわり、どんな人にも食べやすい、親しみやすいケーキ作りを心がけているそう。
サクサクのメレンゲにまったりと濃厚なマロンクリームを絞った「モンブラン」(810円)は同店の人気商品だそうです。色鮮やかな「カシス」(750円)は酸味と甘みのバランスが絶妙。「苺のショートケーキ」(710円)は脂肪分の違う生クリームを合わせて使い、スポンジはきめ細やかでもっちりふわふわです。
季節によって旬のフルーツを使うタルトも。「洋梨のタルトシブスト」(830円)は、タルトに洋梨、クリームをのせ表面をキャラメリゼした一品です。すっきりとした味わいの洋梨、ぽってりしたクリーム、そしてタルトという異なる味・食感の食材が、一緒に食べると口の中で不思議とマッチ。
焼き菓子は、クッキーやパウンドケーキなどが20種類。幅広い味・食感のラインナップです。
「ケークオランジュ」(320円)は爽やかなオレンジピール、「フィナンシェ」(330円)はバターとアーモンドが香ります。ざくざくしたチョコやクルミの食感が楽しい「バナナブラウニー」(390円)は、徳永さんもお気に入りだそう。
焼き菓子は、おすすめを集めたセット(6個=2,710円 12個=4,980円)や、詰め合わせ4個を自分で選べるギフトセット(商品代+箱代200円)なども用意。オフィス街も近いため、手土産に買っていく人も多いのだそうです。
オープン直後には、連日長い行列が見られた同店。入店は4組ずつに制限しているので少し待つこともありますが、現在は落ち着いているそう。自分へのご褒美に、手土産に、お祝いに、「équilibre」のケーキや焼き菓子はさまざまなシーンに寄り添います。
équilibre(エキリーブル) ・住所 〒141-0031 東京都品川区西五反田5-11-10 ・電話番号 03-6417-4882 ・営業時間 11:00〜19:00 ・定休日 火曜、水曜 ※臨時休業は公式ホームページ等でご確認ください ・URL https://www.equilibre.tokyo/
2. 旬の食材とワインを味わうイタリアン「nerisa」(ネリザ)(西小山)
続いて紹介するのは、東急目黒線・西小山駅から徒歩2分の立会道路沿いにあるイタリアン「nerisa(ネリザ)」。学芸大学エリアの人気店「リ・カーリカ」でシェフを務めた田中隆照さんが独立し、2021年12月にオープンしました。
席数はカウンター8席、テーブル最大6席。木とグレーの落ち着いた店内は、ゆったりと過ごせそうです。
「コロナをきっかけに、人が『出かける場所』ではなく『帰ってくる場所』に出店したいと考えていました」と田中さん。西小山や武蔵小山は開発が進んでこれからおもしろくなると聞き、同エリアで場所を探します。そして「小さいお店をやりたい」という理想に合う物件と出合い、西小山にオープンしました。
「nerisa」では旬の食材を使った日替わりメニューを提供。取材時にいただいた2品は、「富山産アオリイカとフェンネルのタルタル」(1,900円)と「手打ちタヤリン ミートソース」(2,200円)です。
「富山産アオリイカとフェンネルのタルタル」は、アオリイカ、セロリのような食感の野菜・フェンネル、塩漬けのレモンを刻んで合わせたタルタルの上に、アンチョビを利かせたパン粉をまぶした一品です。
ねっちりとしたアオリイカ、シャキシャキのフェンネル、ザクザクした香ばしいパン粉の異なる食感、そしてレモンの爽やかさとアンチョビの塩気が合わさります。いつまでも噛んでいたい重層的な食感と味わいです。
「タヤリン」とは、田中さんの修業先であるイタリア・ピエモンテ州で親しまれているパスタで、小麦粉と卵の黄身で作ります。パスタと聞いてイメージするものとはおよそ違う口当たりで、細く平たい形状です。
ミートソースのお肉は3、4種類を合わせ、炒めるのではなく赤ワインや肉汁と煮詰めることで優しい味わいになるのだそう。ホロホロとしたお肉のミートソースが細麺によく絡みます。
「食事のシメとして食べてもらうことを想定しているので、あっさりめに仕上げています」という田中さんの言葉通り、スルスルと食べられてしまう軽やかさ。同店のメニューは基本的に日替わりですが、こちらのパスタは定番にしていく予定だそうです。
飲み物は、カウンター席後ろのワインセラーからお客さん自身が飲みたいものを探すスタイルです。1段目にはビールや蒸留酒、デザートワイン、2、3段目にはイタリアの自然派ワインが300種類ほど並びます。
「ずっとお客さんの手に取られず熟成が進んだワインが、何年後かに発見され『こんな掘り出し物が!』と驚かれるのもおもしろいかなと」(田中さん)
現在は田中さんお一人で切り盛りされている同店。自分で選んだワインを味わいながら、のんびりと食事を楽しんでくださいね。
nerisa
・住所 〒142-0062 東京都品川区小山6-7-6 ・電話番号 03-6770-6348 ・営業時間 17:00〜23:00 ・定休日 不定休 ・URL https://www.instagram.com/nerisa_nishikoyama/
3. エコを楽しく学ぼう! 品川区立の新しい憩いの場「エコルとごし」(戸越)
戸越公園内に2022年5月にオープンした品川区立環境学習交流施設「エコルとごし」は、子どもたちがエコについて楽しみながら学べる展示のほか、ラウンジや多目的スペースなどを設けた施設です。
同施設は、とっても環境にやさしいつくりになっています。都内の公共建築物として初めて「Nearly ZEB(ニアリーゼブ)」認証を取得。これは建物で使用するエネルギー収支ゼロを目指す建築物「ZEB」基準の一つです。
館内の各所には、環境にやさしい建物の仕組みについての説明パネルを設置するほか、「エコ見える化モニター」でエネルギーの発電・利用状況をリアルタイムでお知らせしています。
入館してまず目に飛び込んでくるのは、1階のコミュニティラウンジ。窓から日光が降り注ぐ開放的な空間です。ラウンジは朝7:00から21:30まで利用でき、飲食も可能。
館長の中藏康之さんは、「昼ごろまでは散歩の休憩にひと休みする年配の方や小さいお子さん連れの方、午後は小学生、夕方からは勉強をする学生や社会人など、1日を通して幅広い方々に利用されています」と話します。
学習施設といっても堅苦しさはなく、思い思いに過ごしているうちに自然と環境について身近に感じたり学んだりできる、そんなイメージでしょうか。区立の施設で、どなたでも無料で使えるため、すでに戸越エリアの住民の憩いの場として親しまれているそう。
ラウンジのそばにはキッズスペースも。同施設は授乳室やオムツ替えスペース、幼児用の手洗い場やトイレも設けています。小さなお子さん連れの利用は想定以上に多く、遠方から訪れる人もいるそうです。
3階では体験型の映像展示を上映。床・壁といった空間全体に投影される映像に触れると、さまざまな反応が返ってきます。未就学児から楽しめると人気の「いきものタッチ」は、陸や水の世界の生き物にタッチして触れ合うプログラム。小学生におすすめの「バランスプラネット」は、参加者が協力してさまざまなアクションを起こし、地球環境を守るために大切な「3つのチカラ」を学ぼうというストーリーです。
1秒や1日、1年、10年の間に地球の環境にはどんな変化が起きているのか、その時間で地球のためにどんなことができるのか。常設展示「トイカケのジカン」では、ゲームやパズル、扉やフタを開けるなどアクションを伴う体験型展示で、「時間」という身近な視点から地球環境について知ることができます。
「環境学習は難しく捉えられがちなので、少しでも楽しく学んでほしいですね」と広報の坂下冬子さん。
施設の主な利用者である、未来を担う子どもたちについて、「何にでも興味を持ったり感動したり、子どもたちにはそういう感覚を持ち続けていて欲しいです」と中藏さん。「そのために、体験を通じて驚きや感動を感じられる機会をここで作っていけたら」と続けます。
エコルとごしでは、エコに関するさまざまな催し物を企画。区民に広く知ってもらうために、地域のイベントにも積極的に参加中です。気になる方は、ぜひ公式サイトやSNSをチェックしてみてください。
・住所 〒142-0042 東京都品川区豊町2-1-30(戸越公園内) ・電話番号 03-6451-3411(休館日を除く9:00~20:00) ・開館時間 7:00~21:30(展示・キッズスペース等は9:00~18:00) ・休館日 毎月第4月曜(祝日の場合は翌平日休)、年末年始 ・URL
4. 地域の人が集い、缶詰をつまみに乾杯「CANNED BAR pisaro」(西大井)
JR西大井駅近く、のんき商店街にある缶詰酒場「CANNED BAR pisaro(ピサロ)」。今年で50周年を迎えた老舗イタリアン「pisaro(ピサロ)」の営業後、夜間の店内を利用してオープンします。
運営するのは、「pisaro」店主の娘である葛形京子さんです。コロナ禍で多くの店が閉店していく中、お酒を飲める場所、みんなで集まれる場所を作ってほしいという地元の声を受け、2022年5月に開店しました。席数は20席です。
カウンターにずらりと並ぶのは、おつまみとして提供する缶詰。80種類ほどそろえます。「2軒めとして飲みに来た人が、ちょっとつまめるように」と葛形さん。価格は300円〜1,200円で、焼き鳥やイワシなど定番品から、ミックスフルーツやあんみつなど甘い缶詰まで幅広いラインナップです。
缶詰は温めて提供し、ネギなどのトッピングサービスも。最近いち押しだというおでん缶(800円)は寒い季節にぴったり。サバの水煮缶(300円)はネギとマヨネーズを合わせる葛形さんおすすめのスタイルでいただきました。
冷凍みかんをつぶしながら飲む「みかんサワー」(500円)は、常連さんによく飲まれているメニューだそうです。ドリンクは生ビールやハイボール、ワイン、焼酎など各種アルコールのほか、お茶やジュースも用意します。
「セルフピザ」(1,800円)も用意します。自分で生地にソースを塗ってチーズや具材をトッピングし、焼き上げるのはお店におまかせです。「pisaro」のピザメニューを自分で仕上げられるのは、夜の業態限定。缶詰を追加でトッピングすることも可能で、自由にアレンジが楽しめそうですね。
11月からは、西大井駅前の焼肉店「一門」のデリバリーサービスも始まりました。「一門」のメニューを3,000円以上注文すると「pisaro」まで届けてもらえます。
「少し入りにくい外観だけど、中に入ればみんな友だち。わいわい一緒に飲みましょう!」と葛形さん。その言葉通り、月1で訪れるという常連さんは「居合わせた人と自然に仲良くなれて、楽しくてホッとできる場所です」と話してくれました。
とても気さくな葛形さんのもと、缶詰をつまみながら楽しい時間を過ごしてみませんか?
CANNED BAR pisaro
・住所 〒142-0043 東京都品川区二葉3-15-6 ・電話番号 03-3786-7911 ・営業時間 金曜・土曜の19:00〜 ・定休日 月曜〜木曜、日曜 ・URL https://instagram.com/pisaro_nishiooi
5. トロットロのビーフシチューと卵料理の居酒屋「たまや」(旗の台)
東急線・旗の台駅から徒歩1分の居酒屋「たまや」。2022年3月の開店当初は海鮮を中心に出すお店でしたが、10月のリニューアルオープンに伴い店のコンセプトを変更。卵料理をメインに提供します。
店内はカウンター3席、テーブル12席。卵の色をイメージしたイスとテーブルを置き、壁には同店の人気メニュー、「濃厚ビーフオムシチュー」のイラストが描かれています。
店主の柴田絵里香さんは近隣エリアの出身で、恵比寿でスナックを経営しています。「居酒屋も好きなのでやってみたかったんです。地元の皆に喜んでもらえるようなお店にしたいなと思いました」と話します。同店は旗の台の飲食店が集まったチーム「旗飲(はたのみ)」のメンバーで、マルシェなどの地域イベントにも参加しています。
「冷奴」や「梅水晶」など居酒屋の定番メニューや、「ハッシュポテト」(440円)「えびフリット」(528円)といった揚げ物も用意しますが、同店の特徴は卵料理! 「好きな人が多く、レパートリーも豊富なことに加え、それをメインに出すお店は意外と少ないのでは?」と考えたことから提供するようになったそう。
「半熟煮たまご」(180円)、「たまご焼き」(860円)、プレーンや納豆、ツナマヨなどの「オムレツ」(各660円〜)、ハムや豆腐、トマトなどの「たまご炒め」(各660円〜)を提供します。
人気の料理は黒毛和牛のスネ肉を使う「濃厚ビーフシチュー」(1,386円)や、松阪牛のすじを使う「絶品すじデミトマカレー」(1,650円)。「すじはコラーゲンたっぷり。お酒を飲む方こそ健康に気をつけてほしいので、化学調味料などは使いません。体にいいものを食べてもらえたら」と柴田さん。
カレーやシチューは仕事終わりに夕飯として食べる人が多いそう。飲んだ後のシメに、ミニサイズも用意します。
取材時には「濃厚ビーフオムシチュー」(ミニサイズ=1,320円)を注文しました。3時間以上煮込む牛肉と、卵3個(通常サイズ時)を使うオムレツはトロットロ! 具材の旨味が溶け出したルーは濃厚な味わいで、素揚げしたさやえんどうのシャキシャキした食感もいいアクセントです。
柴田さんのおすすめドリンクは、「内臓美人ハイ」(704円)。国産青葉に抹茶を加え、アルコールの分解に必要な成分や栄養素、美容成分を補いつつもお茶のような飲みやすさです。
このほか、日本酒は柴田さんが好きなものや、評判のいいものを仕入れます。
今後は卵料理のレパートリーを増やしていく予定で、「1人でも気軽に来てください」と柴田さん。卵料理とお酒を楽しみたい方は、たまやを訪れてみてはいかがでしょうか。
たまや
・住所 〒142-0064 東京都品川区旗の台3-11-9 ・電話番号 03-6822-7792 ・営業時間 18:00〜24:00 ・定休日 不定休 ・URL https://instagram.com/tamaya_hatanodai
この1年ほどで品川区内にオープンした新たなスポットを紹介しました。こだわりの一品を味わいに、人との交流を楽しみに、お散歩ついでに、ぜひ訪れてみてくださいね!
※記事中の店舗情報は2022年11月下旬の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。取材当日は撮影時のみマスクを外しています。
(取材:阿部夏美/ノオト 編集:森夏紀/ノオト)
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