大井町ランチ、通いたくなる5店
今日は大井町でお昼にしよう! おひとりさまからグループまで、ランチタイムにおすすめのお店をピックアップ。普段使いしたいカレー店や、昼飲みにぴったりの居酒屋、とっておきのフレンチや鯛めし膳をいただける和食店まで、大満足な5店を訪ねました。(2024.7.12)
1. ボリュームたっぷりのフランス郷土料理をめしあがれ「ポワソンルージュ」
大井町駅から5分ほど歩くと、大井三ツ又商店街沿いにたくさんの緑やちょっとレトロなオーニングが目を引くお店が現れます。フランス料理とワインを提供する「BRASSERIE POISSON ROUGE(ブラッスリー ポワソンルージュ)」です。
シェフの臼井崇裕さんの地元に近く、馴染みのあるエリアだったことから、2005年にオープンしました。
店内の奥にはワインとともに、フランスの伝統的な郷土料理のレシピ本が並びます。
「フランスはヨーロッパの中心に位置しているので、地域によってドイツ料理風、スペイン料理風と、隣国の料理のエッセンスが入っています。そこに惹かれて、フランス料理を志しました」(臼井さん)
ランチセットは、「スープとメイン」(1,950円〜)、「前菜とメイン」(2,200円〜)、「前菜、スープ、メイン」(2,900円〜)の3種類。それぞれ、いくつかの料理から選択できます。
今日はメインに人気の「牛肉のハンバーグ 網脂包み焼き」をチョイス。マッシュポテトの上にゴロンと大きなハンバーグが乗っています。
「網脂包み焼きって何だろう?」と思いながら注文しましたが、食べてみて納得。ジューシーで噛みごたえのある牛ひき肉とともに不思議な食感が広がります。ぜひご自身で食べて確かめてみてください。
「魚のうらごしスープ」は、魚介の旨味がぎゅっと濃縮された味わい。お好みで、卵黄とにんにくのソースを溶かしていただきます。
前菜はキャロットラペやラタトゥイユ、サラダとボリュームたっぷり。お客さんからは「野菜がたくさん食べられてうれしい」と好評なのだそう。
「たけのこのキッシュ」は、細切りにしたシャキシャキホクホクのたけのこと、クリーミーな卵液がベストマッチ! タルト生地はしっとりとサクサクが両方楽しめる絶妙な焼き加減です。
「郷土料理の伝統的なレシピに基づきながらも、日本人の口に合いやすいよう少しアレンジを加えています」と臼井さん。「フランス料理の中でもうちは大衆食堂やビストロといったジャンル。お客さんがお腹いっぱいになるように、量は多めですね」と話します。
ボリューム満点で大満足のお料理を楽しめる同店は、ランチもディナーも予約必須。来店の際は、お腹をすかせて訪れてみてくださいね。
ポワソンルージュ ・住所 東京都品川区大井1丁目53-8 ・電話番号 03-3775-1660 ・営業時間 11:30〜14:30(L.O.13:30)、17:30〜22:30(L.O.20:30) ・定休日 日曜、月曜 ・URL https://twitter.com/poisson2005
2. 工夫がつまった一皿にやさしく満たされる「スパイスカレーとおやつ Curia Lente」
JR大井町駅東口から徒歩2分、きゅりあん1階に店を構える「スパイスカレーとおやつ Curia Lente(キュリアレンテ)」にやって来ました。
2020年にオープンした同店。お店を営む町田さん夫妻は、佳祐さんがカレー、円香さんがケーキや焼き菓子を担当します。ご結婚やお子さんの誕生を経て、2024年4月から現在の営業スタイルになりました。
パワーチャージしたいお昼にぴったりのスパイスカレーは、月替わりで2種類を用意。薬膳をベースに、和風やインド風、欧風など、佳祐さんのアイデアが一皿につまっています。
この日いただいた「海鮮出汁(だし)のアサリカレー」(1,300円)は、アサリと蟹のだしをきかせたスープカレーとキーマカレーのあいがけ。アチャールやピクルスなど豊富なトッピングで、口に運ぶごとに味や食感の変化を楽しめます。
「スパイスの組み合わせのちょっとした変化で味や香りが決まります。いくらでも試しがいがあって、いつまでも勉強の日々なんです」と佳祐さん。昨年はスリランカを訪れて現地のカレー文化を体感したそう。
店頭には、レモンケーキやマフィンなどがならびます。円香さんが作りたいのは、身近な人や自分自身が食べたくなる、からだにいいお菓子。「おいしくて、次の食事の時間までにはちゃんとおなかがすくようなものを目指しています」(円香さん)
クルミやレーズン、ココナッツなどがごろごろと入った「キャロットケーキ」(650円)は、カルダモンという清涼感のあるスパイス入りのチーズクリームがよく合います。
「オーダースパイスティー」(800円)は、注文したお客さんの体の調子に合わせて、アーユルヴェーダの資格を持つ佳祐さんが丁寧に淹れる一杯です。
ゆったりとした時間が過ごせる同店。ちなみに、夜はスタッフの北村さんが切り盛りする「スパイス酒場 アオハル」に変身。こちらもぜひ足を運んでみてくださいね。
スパイスカレーとおやつ Curia Lente ・住所 東京都品川区東大井5-18-1きゅりあん1階 ・電話番号 03-6875-5588 ・営業時間 11:00~14:30 ・定休日 月曜 ・URL https://curia-lente.com/
3. 土鍋で味わう絶品鯛めしランチ「魚菜 由良 2号店」
大井町駅から区役所方面に徒歩5分ほど、東急大井町線沿いに店を構える日本料理店「魚菜 由良(ぎょさい ゆら) 2号店」。新鮮な食材を使った和食を提供しています。
「お客さんは地元の常連さんが中心です。大井町の人は穏やかな方が多いなという印象ですね」と話すのは、店主の本橋裕之さん。大井町には、本橋さんが手がける本店とこちらの2号店のほか、のれん分けした「魚菜 由良 鼎(かなえ)」があります。
1階はカウンター席のみ、2階にテーブル席を設けます。席数が多くないため、予約しての来店がおすすめ。
ディナーはコースのみですが、ランチタイムには土鍋の鯛めしをメインにしたセットを提供しています。今回は、定番人気だという「土鍋の鯛めし膳」(1,100円)を注文しました。
鯛めしもあら汁も、鯛の身がたっぷり! 毎日店内でひいた鰹出汁を使った鯛めしは、ほっとする優しい味わい。一方、鯛の旨味や脂が溶け出したあら汁はとっても濃厚です。シャキシャキした水菜がいいアクセントに。
鯛めし膳には、季節ごとに内容が変わる小鉢3品、天ぷら、湯葉が付きます。
この日の小鉢は山形の郷土料理「だし」をかけた冷奴、しらすおろし、ねぎとろの山かけ、天ぷらはエビとちくわでした。どれもこだわりを感じる、丁寧に作られた一品です。
そのほかのランチメニューは、「地鶏と茄子のみぞれ煮膳」(1,200円)、「お刺身膳」(1,400円)や、「鯛のごま醤油」と鯛の唐揚げが付き、締めは出汁をかけて鯛めし茶漬けを食べられる「鯛づくし膳」(1,500円)を用意。「土鍋の鯛めし膳」の内容にそれぞれ料理が追加された、お得なセットです。
2023年11月に起きた火災の影響で、1号店は現在、近隣の居酒屋「和酒バー 楽土」に移転して営業しています。まずは2号店でランチから気軽に、こだわりの和食を味わってみてはいかがでしょうか?
魚菜 由良 2号店 ・住所 東京都品川区大井1-15-1 ・電話番号 03-6417-1220 ・営業時間 11:30〜13:30(L.O.13:00)、17:30~22:00 (L.O. 21:30) ・定休日 日曜・祝日 ・URL http://www.ooimachiyura.jp/sub/
4. 変わらない味が思い出になる、欧風カレーとコーヒーの店「アンクルJr.」
1997年に創業した、欧風カレーとコーヒーの店「アンクルJr.」。大井町駅・下神明駅からそれぞれ徒歩6分、品川区役所からもほど近い立会道路沿いに店を構えます。
「開業当時、このあたりは一本橋商店街を行き交う人たちで活気がありました」と話すのは、2代目店主の山口彩人さん。小学生の頃、それまで会社勤めだった父が大井町で「アンクルJr.」をオープン。山口さんは食品関係の企業に勤めた後、2020年に同店を引き継ぎました。
創業当時から変わらない味を心がけている同店。看板メニューの「特製欧風カレー」(1,000円〜)は、野菜やフルーツを煮詰めてブイヨンから作る本格派。「15種類ほどの香辛料を炒めてスープと合わせ、寝かせます。完成まで7〜10日ほどかかるんです」と山口さん。口にいれると、ぎゅっと詰まったうまみに驚きました。
チキンやビーフのほか、「えびとホタテ」、「フランクフルトとほうれん草」など10種類ほどの欧風カレーを日替わりで提供します。
毎週金曜日に販売する「焼きカレーパン」(各300円)は、コロナ禍に考案した新メニュー。しながわみやげにも認定されました。
「カレーの楽しみ方をもっと広げたくて。パンに合うフィリングの試作を繰り返して生まれました。カレーの味を生かし、揚げずに仕上げています」(山口さん)
チーズ入りの定番「焼きカレーパン」のほか、旬の野菜などを使った週替わりの2品を用意します。
店頭では「ダートコーヒー」の豆の販売も。50年以上前に山口さんの祖父が外国の食品を扱う仕事をしていたことから付き合いが始まったのだとか。「アンクルJr.」特選ブレンドは、食事に合うすっきりとした味わいです。
「店を継いだばかりの頃は『新しいことをやらなきゃ』と思っていましたが、一番難しいのは維持していくこと。店をきれいに保ち、料理や接客の質を落とさずに続けていくことの大切さを今、実感しています」と山口さん。
再開発の進む大井町で、変わらない魅力を磨き続ける「アンクルJr.」。常連さんはもちろん、初めましての人や久しぶりの人もおおらかに迎えてくれる店内で、肩の力を抜いてカレーをぱくり。大井町の思い出ランチになること間違いなしです。
アンクルJr. ・住所 東京都品川区二葉1丁目19-1アンシャンテ大井 ・電話番号 03-5702-5441 ・営業時間 11:00〜20:30(月曜は18:00まで) ・定休日 日曜、祝日 ・URL http://unclejr.tokyo/
5. 理想の昼飲み、ここにあり! おひとりさま歓迎の大衆酒場「こいさご」
大井町駅から徒歩4分、駅前の商業施設・阪急大井町ガーデンを横目にJRの線路沿いを進み、歩道橋をわたってすぐのマンション1階にのれんを発見。
2022年にオープンしたばかりの「大衆酒場こいさご大井町本店」は、既に大井町の酒飲みたちから愛されるお店です。
「自分にとって理想の飲み屋を作った」と話すのは、店主の綿貫和人さん。会社員時代からさまざまな街で飲み歩き、ついに自分で店を開くことに。大井町で飲食業をしていた兄弟と一緒に、「こいさご」を始めました。
ホワイトボードに書かれた今日のおすすめや、ぎっしり書かれたメニュー表を眺めて、気になったものを注文してみましょう。
まず運ばれてきたのは、思わず頬がゆるんでしまうほど理想的な「大根煮」(220円)と「たまご煮」(110円)! 味の染みた分厚い大根に箸を入れつつ……
グラスからこぼれる日本酒をくいっと一杯! 昼飲みの幸せをかみしめます。
日本酒は10種類ほど、焼酎は20種類ほどをそろえます。この日はキンミヤ焼酎で知られる三重県・宮﨑本店の日本酒「宮の雪 純米」(495円)を注いでもらいました。
「地養鶏 塩レバー煮」(440円)や「煮込み」(308円)は、卓上にある一味ニンニクを添えるのがおすすめ。「地養鶏 チキン南蛮」(495円)は、柴漬け入りのタルタルソースもうれしいポイントです。
天ぷらは「春菊天」(220円)が人気だそう。レモンを絞った酎ハイ(275円、レモン=110円)で、さっぱり気持ちよく箸が進みました。
理想の昼飲みをこれでもかと堪能できる同店。「『あの店に行けば間違いない』と思ってもらえる、毎日通える場所」を目指しているという綿貫さん。すぐにまた訪れたくなるお店です!
大衆酒場こいさご大井町本店 ・住所 東京都品川区東大井6-1-7 ・電話番号 090-6942-8182 ・営業時間 14:00〜23:00(日曜・祝日は21:30まで) ・定休日 水曜 ・URL https://www.instagram.com/koisago_ooimachi/
再開発が進み、これからの変化も注目される大井町。昔ながらの名店からユニークな新店まで、活気あるさまざまな飲食店の存在も魅力のひとつです。ぜひお気に入りのお店を探してみてくださいね。
※記事中の店舗情報は2024年5月の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。
取材:阿部夏美(ポワソンルージュ/魚菜 由良 2号店)、森夏紀(スパイスカレーとおやつ Curia Lente/アンクルJr./大衆酒場こいさご大井町本店) 編集:ノオト
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