東急大井町線でふらりと沿線飲み歩き

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大井町駅, 下神明駅, 中延駅

今日はふらっと、お酒を飲みに行きたい。そんな時につい立ち寄りたくなる居酒屋やバーが、東急大井町線の沿線にはたくさんあるんです。

ラフに楽しめるワインの立ち飲みをはじめ、とっておきの一品をつまみながら日本酒を飲み比べたり、ビールで乾杯したり。今回は、東急大井町線の沿線にあるおすすめの飲み歩きスポットを5つ紹介します。(2023.12.1)

  1. 立ち飲みスタイルで、カジュアルにジョージアワインを楽しむ「wine stand SAMI」(大井町)

  2. sami

    まずは東急大井町線・大井町駅にやって来ました。駅前を南へ進み、少し坂を登ると見えてくるのが「wine stand SAMI(サミ)」。立ち飲みで誰でも気軽に楽しめるお店です。

    東ヨーロッパの国・ジョージアのワインを中心にそろえる同店。「クヴェヴリ」という素焼きのかめを使い、醸造家のラド・ウズナシュヴィリさんが伝統的な醸造方法で作った銘柄を仕入れています。

    sami oimachi 大井町線呑み歩き_2

    特におすすめは「琥珀(アンバー)ワイン」。透き通った琥珀色で、白ワインと赤ワインのいいとこ取りのような味わいです。ワインとのペアリングが難しいと言われる韓国料理や中華料理をはじめ、どんな料理とも相性が良いのだとか。

    ジョージアワインの特徴を生かすかのように、同店はフードメニューも独特。旬の食材を使った日替わりの創作料理が味わえます。

    sami

    この日注文したのは、「カツオとクレソンのマスタードポンズサラダ」(680円)。おひとりさまでも食べやすいよう、一皿の量は少なめです。ポン酢とマスタードの斬新な組み合わせは、カツオの旨味にベストマッチ!

    アンバーワイン「シオ ムツヴァネ トラディショナル」(600円)は香り高くフルーティーで、誰もが飲みやすいお味。しっかりとした深い渋みも感じられ、カツオとの相性も抜群です。

    この店を切り盛りする店主の細野真子さん(写真左)は、元栄養士。「おいしいお店がある」と友人に紹介されて足を運んだら、いつの間にかアルバイトをすることに。2023年4月に2号店の「stand LOTI」ができたタイミングで、創業者の洪静恵さんからこの店をバトンタッチされたのだそう。

    「20代からシニアまで、さまざまな人が来てくれますね。常連さんはもちろん、新規の方やおひとりさまもたくさんいらっしゃいます。混んでいると遠慮してしまうかもしれませんが、勇気を出して中に入ってきてもらえたら、みんなスペースを空けてくれます。楽しい時間を過ごせるはず!」(細野さん)

    月に1度、「SAMI JAPON」と称した日本酒イベントも開催しているそう。日本酒好きな細野さんが始めたこの企画は、お客さんにも大人気。常識にとらわれず、新しいことに今後もチャレンジしていきたいと細野さんは話します。

    sami

    がっつりお食事からサクッと一人飲みまで、自由な使い方のできる「wine stand SAMI」。どんな人にもおすすめできるお店です。

     

    wine stand SAMI

    ・住所 〒140-0014 東京都品川区大井1−55
    ・電話番号 080-1361-4641
    ・営業時間 17:00〜23:00
    ・URL  https://www.instagram.com/sami_oimachi/

  3. 旬を感じる和食と、店主厳選の日本酒でしっぽり「料理屋 幸森」(下神明)

  4. 幸森

    品川区役所の最寄り駅・下神明駅の周辺は、住宅が多く比較的落ち着いたエリア。徒歩5分ほど歩くと、三間通り沿いに和食と日本酒の店「料理屋 幸森」が見えてきました。

    店内には、カウンターのほか小上がりの座敷席を用意。ひとりでふらっと立ち寄るお客さんはもちろん、子ども連れのファミリーもよく来店するのだとか。入り口や通路は、ベビーカーが入りやすいようスペースを広くとっています。

    幸森

    店主の幸森洋一さんは、日本橋や銀座の店で板前として働き、料理長も勤めていたそう。2020年に、地元であるこの場所で独立出店を果たしました。「実は、1年間だけITエンジニアをやっていたことがあるんですよ。でも、やっぱり物足りなくて。板前に戻ってきました」と幸森さん。

    仕入れによって日々変えているメニューは、お客さんのリクエストにも臨機応変に対応。ときにはお食い初めの祝い膳を頼まれることも。

    幸森

    店の自慢は、なんといっても海鮮料理! 豊洲から仕入れた新鮮な魚を提供します。迷ったらまずは「お造り盛り合わせ」(1,628円)を頼むのがおすすめ。この日のラインアップは、しめ鯖、シマアジ、アオリイカ、ブリ、バショウカジキ、クエ。クエの上には、なんとウニまで乗っています!

    自家製の「すじこの西京漬け」(825円)は、風味豊かな味噌のコクがあり、日本酒のアテにぴったり。ついお酒に手が伸びてしまいそうな味です。

    もう一品、自家製からすみ(1,210円)もいただきました。下に敷いてある大根と一緒に食べることで、からすみの塩味がほどよくなり、ついつい箸が進んでしまいます。

    幸森

    日本酒は、店主の幸森さんが「おいしい!」と思ったものだけをそろえているとのこと。全て140mlのグラスで提供します。3種類を飲み比べる「日本酒お試しセット」(1,650円)もありますよ。

    締めには、炊きたての土鍋ごはんや炊き込みごはんをどうぞ。「ご家族連れもおひとりさまも大歓迎。アットホームでローカルなエリアですが、最近は新規のお客さまも増えてきています。気軽に足を運んでみてほしいです」と幸森さん。

    おいしい日本酒片手に、新鮮な海鮮料理をしっぽりと楽しんでみませんか?

     

    料理屋 幸森

    ・住所 〒140-0043 東京都品川区二葉1−13−4
    ・電話番号 03-6426-8649
    ・営業時間 16:00〜24:00
    ・定休日 水曜、日曜
    ・URL  https://twitter.com/TemaeItamae

  5. 飲み歩きからお買い物まで! 地元の人々がつどう「中延商店街」(中延)

  6. 東急大井町線・中延駅前から東急池上線・荏原中延駅前までを一直線につなぐ「中延商店街」。地元民の生活を支える、通称「なかのぶスキップロード」です。この名前は、一般公募で決まったのだとか。

    中延商店街が誕生したのは、1948年。70年以上の歴史を誇り、飲食店や個人商店など100店舗以上が店を構えています。全長は約330メートル。

    2023年夏に開催された中延よさこい祭りの様子(写真提供=中延商店街振興組合)

    夏には中延ねぶた祭りと中延よさこい祭りを毎年交互に開催しています。コロナ禍で規模を縮小していましたが、2023年からは完全復活。以前の賑わいが戻ってきました。

    「ざっくばらんな雰囲気があり、地元の人々に愛されています。最近は都市開発で新しいマンションが建ちつつあり、商店街でも親子連れをよく見かけるようになりました。飲食店も増えて、活気が戻ってきたように感じますね」と話すのは、中延商店街振興組合の事務長・大庭雄策さん。

    中延商店街には、飲み歩きスポットもたくさん。中華に和食、焼肉、焼き鳥、串カツ……。その中でもお酒好きにおすすめなのが、中延商店街の真ん中あたりにある「シュウ・サケ・コーポレーション」。全国各地の日本酒をそろえる酒屋です。

    店内には約400本もの日本酒がずらり。居酒屋ではないものの、20ml=100円で日本酒の試飲ができます。気になる味をその場で確かめられるのはうれしいですね。なかには、角打ちのように楽しむ人もいるのだとか。

    お買い物に行くのも良し、はしご酒をするのも良し。温かみのあるローカルな中延商店街をふらっと歩いてみれば、思いもよらぬ好きなお店が見つかるかもしれません。

     

    中延商店街

    ・住所 〒142-0052 東京都品川区東中延2−7−19
    ・電話番号 03−3786−0201
    ・URL  https://nakanobu.com/

    シュウ・サケ・コーポレーション

    ・住所 〒142-0053 東京都品川区中延3-7-10
    ・電話番号 090-7509-7571
    ・営業時間 13:00~19:00
    ・URL https://shu-sake.com/wp/

  7. おいしい串焼きをアテに、サクッと一杯「焼とんSAKU」(戸越公園)

  8. SAKU 
    (写真提供=焼とんSAKU)

    戸越公園駅の南口から徒歩3分、住宅街の一角で香ばしい匂いを漂わせている「焼とんSAKU」。一本一本炭火で丁寧に焼き上げた焼きとんや焼き鳥が、リーズナブルに楽しめるお店です。

    2019年のオープン以来、近隣に住む住民たちが足繁く通っています。最近は口コミで新しいお客さんもどんどん増えているのだとか。若いカップルや、おひとりさまの来店も多いそうです。

    SAKU 

    焼き場に立つのは、店主の佐久間彬さん。串焼き店で15年の経験を積んだ後、念願の独立出店を果たしました。「一時は違う職種に就職したのですが、やっぱり自分にしかできないことをやりたいと思い、飲食業界に戻ってきました。お客さんの喜んでいる姿を目の前で見られるのは、うれしいものです」とにっこりほほ笑みます。

    SAKU 
    肉は芝浦の食肉市場から仕入れます。生ビールは450円とリーズナブル!

    「ねぎま」「つくね」(以上150円)、「はつ」「かしら」「たん」(以上130円)の5本と、「もつ煮込み」(480円)が運ばれてきて、いざ乾杯。

    仕事帰りに串焼きを頬張ってビールをぐいっと一口! 疲れた心身に染み渡ります。この瞬間が、居酒屋の醍醐味とも言えますね。もつ煮込みには柚子こしょうが添えられていました。珍しい組み合わせですが、さっぱりしてとってもおいしい!

    席はカウンターがメイン。お客さん同士で会話が弾み、いつの間にか仲良くなっていることも。とことん通い詰めたい人は、ボトルキープもできるそう。居酒屋では珍しい「いいちこ フラスコボトル」も用意しています。

    串焼きはテイクアウトも可能。家で飲みたい気分の日は、晩酌のおとも調達に立ち寄れます。まず一度、扉を開けてみてほしいお店です。

     

    焼とんSAKU

    ・住所 〒142-0042 東京都品川区豊町4−1−14
    ・電話番号 03-6426-2557
    ・営業時間 16:00〜24:00
    ・定休日 月曜、第二日曜
    ・URL https://www.yakitonsaku.com/

  9. いつでもほっこり家庭の味、おしゃべりが弾む「隠れ処 鳥ふじ 隼」(荏原町)

  10. 隠れ処 鳥ふじ 隼

    荏原町商店街の小道を入った路地裏にある「隠れ処 鳥ふじ 隼(はやぶさ)」。地元住民の憩いの場として賑わう、アットホームな居酒屋です。

    この店は、1967年に荏原町で創業し、2023年に旗の台へ移転した居酒屋「鳥ふじ 本店」の“隠れ家”として、2013年にオープンしました。お店を切り盛りするのは、本店創業者の妻・加藤久子さんと息子の征也さん。

    隠れ処 鳥ふじ 隼

    店名は、征也さんの大好きなバイクに由来。店に入ってすぐ右手に停められているスズキの「隼」は、迫力満点です。店内は本店よりもこぢんまりとしており、お客さんとの距離が近く和気あいあいとした雰囲気。

    隠れ処 鳥ふじ 隼

    ここに集まるお客さんは、なんと言っても「ちゃこちゃん」こと母・久子さんとのおしゃべりを楽しみに来ているのだとか。手が空いているときは、人生相談にも乗ってもらえるそうです。おしゃべり好きなちゃこちゃんとお話しながらの一杯は、なんだか帰省した時のような安心感を覚えます。

    隠れ処 鳥ふじ 隼

    お通しのない同店では、まず「鳥ふじサラダ」(350円)を注文する人が多いのだとか。きゅうりとレタスのシャキシャキ感がたまりません!

    看板メニューは、「鳥ふじ 本店」の創業時から変わらない味を守り続ける「鶏のから揚げ」(500円)。鹿児島県産の純然鶏は柔らかくも弾力があり、噛むと肉汁がじゅわっと口の中に広がります。懐かしさを感じる家庭的な味わい。

    ほかにも日替わりメニューや「母の逸品」など盛りだくさん。まるで実家のように「今日の夜ご飯はなにかな?」とワクワクしてしまいます。

    お酒にもこだわり、生ビールはドイツ・ミュンヘンの白ビール「エルディンガー」(300ml=700円)を提供。小麦を原料とした「ヴァイツェン」と呼ばれる種類で、苦味が少なくフルーティーな味わいが特徴です。から揚げと一緒に、グイグイ飲めてしまいます!

    さらにこの店では、関東の飲食店では7店舗しか置いていない一ノ蔵の希少な日本酒「祥雲金龍」も味わえるのだとか。2杯目はレアな日本酒を嗜んでみてください。

    「おひとりさまの女性や子ども連れのご家族もよく来るんですよ。お酒を飲むだけでなく、みんなで食卓を囲んだり、おしゃべりしたり、そういった空間を好きでいてくれるお客さんは多いですね」と話す征也さん。カウンター越しに、お客さんたちとみんなで仲良く会話する姿がとても印象的でした。

    ほっこりする家庭料理と、久子さんや征也さん、そしてお客さんたちとの会話を楽しめる「隠れ処 鳥ふじ 隼」。ふらっと立ち寄れば、きっと心がやすらぎます。

     

    隠れ処 鳥ふじ 隼

    ・住所 〒142-0053 東京都品川区中延6−1−26
    ・電話番号 03-6426-8441
    ・営業時間 18:00〜24:00(日曜のみ17:00〜23:00)
    ・定休日 月曜、第2・4日曜
    ・URL  http://www.torifuji.jp/

    東急大井町線の沿線にある飲み歩きスポットを5つ紹介しました。仕事帰りに、休日に、ひとりでも、みんなでも。たまには途中下車して、はしご酒を楽しんでみてくださいね。

    ※記事中の店舗情報は2023年10月下旬の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。取材当日は撮影時のみマスクを外しています。

    (取材:中込有紀、森夏紀 編集:ノオト)

     

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