自然たっぷり!品川区の公園を散策しよう
緑豊かな公園は、さまざまな過ごし方ができるスポット。桜や紅葉を眺めたり、家族や友人とピクニックや散歩をしたり、お子さんと一緒にのびのび遊んだりと、思い思いの時間を満喫してみませんか? 今回は、子どもから大人まで楽しめる品川区内の公園・庭園を5つ紹介します。(2023.5.20)
1. ボルダリング場を新設、新幹線も眺められる「しながわ中央公園」(下神明)
最初に紹介するのは、東急大井町線下神明駅より徒歩1分の場所にある「しながわ中央公園」。品川区のちょうど中心あたりに位置する公園で、有料のスポーツ広場や噴水広場、防災機能を備えた広場があります。
しながわ中央公園はお花見スポットとしても人気。3種類の桜の木に囲まれた「多目的広場」では、3月上旬からカンヒザクラ、3月下旬にはソメイヨシノ、4月上旬にはアマノガワが見頃を迎え、比較的長い期間、桜を楽しめます。グラウンドの周りをぐるっと散策するのがおすすめです。
美しい花々で彩られる花壇は、春になるとチューリップやビオラ、キンギョソウ、夏から秋にかけてマリーゴールド、ジニアなどが楽しめます。季節ごとに訪れたくなりますね。園内には木陰やベンチが多く、休憩しやすいのもうれしいポイント。
2023年4月30日には、「山の噴水広場」にボルダリング場がオープンしました。
東京2020オリンピック・パラリンピックで正式競技として採用され注目を浴びたボルダリングは、壁に並んだ色とりどりのホールドを使って壁や斜面を上っていく競技です。気軽に体験できるスポットとして、今回新設されました。
申し込み不要な「無料エリア」は、小さなお子さんでも楽しめるよう年齢制限はなし。手や足をかけるホールドの間隔もお子さんが楽しめるように設計されています。
事前申し込みが必要な「有料エリア」は、小学4年生から利用可能です。難易度の違うコースが複数用意され、初心者から上級者までチャレンジできます。
インストラクターは常駐しませんが、定期的に初心者向けの教室を開催予定。気になる方はぜひホームページをチェックしてみてください。
グループやチームで運動するのにぴったりな、テニスコートや多目的広場も。多目的広場では、ミニサッカーやフットサル、陸上競技、スリーオンスリーなどのスポーツが楽しめます。
公園西側の遊具広場では、トンネル型すべり台のある遊具でお子さんと一緒に遊べます。今回は平日の午前中に公園を訪れ、子どもたちが「きゃ〜!」と楽しそうな声をあげてすべり台で遊ぶ姿が見られました。
遊具広場の階段を登った先には、公園周辺の景観を見渡せるデッキがあります。東急大井町線やJR湘南新宿ライン、東海道新幹線の線路が一望できます。運が良ければ、「幸せを呼ぶ黄色の新幹線」と言われるドクターイエローを見られるかもしれません。電車好きのお子さんと一緒に訪れるのにぴったりのスポットですね。
しながわ中央公園 ・住所 東京都品川区西品川1-20,27,28 ・電話番号 03-5740-5037 ・駐車場 なし
2. 和の情緒たっぷりな回遊式庭園、環境学習施設も備える「戸越公園」(戸越公園)
東急大井町線の戸越公園駅や下神明駅から徒歩数分の場所にある「戸越公園」。公園の正面には「薬医門」、東側には「冠木門」を構えます。
駅名にもなっているこの地の歴史は、江戸時代まで遡ります。もとは熊本藩主・細川家の下屋敷があり、その後は細川家の戸越屋敷として庭園が造られました。当時の屋敷は質素な造りで、ここでは鷹狩りやキジ狩り、茶会などが行われていたそうです。
戸越公園の最大の特徴は、中央の池を中心に、園内を一周しながら景観を鑑賞できる「回遊式庭園」であること。青空の日には池に景色が映り込み、さらに美しい眺めを楽しめます。秋から冬にかけては、40羽ほどのオナガガモが大陸から渡ってくるそうです。
池の周りを散策すると、迫力のある滝や浅瀬ゾーンを発見。青々と生い茂る緑や流水のやさしい音など、五感で自然を感じられ、癒しの時間を過ごせました。
周りを見渡すと、ご年配のご夫婦が滝の前で写真撮影をしたり、親子が浅瀬で水遊びを楽しんだりする姿が。夏場にはザリガニ釣りも楽しめるそうです。
橋の手前にある広場には、大きなすべり台やブランコ、鉄棒、砂場、健康遊具を設けます。
春にはソメイヨシノなど45本の桜が咲き、風情あるお花見スポットとして来園者の目を楽しませます。
紅葉の見頃は、11月下旬から12月上旬。モミジやイチョウの葉が色づき、その美しさからウェディングフォトの撮影スポットとして利用する方もいるそうです。
12月中旬には徐々に葉が落ち始めますが、滝の周りに落ちたイチョウの葉が黄色い絨毯のようになるのも魅力的。園内のさまざまな景色が、訪れた人々に四季を届けてくれます。
2022年5月には、園内に品川区立環境学習交流施設「エコルとごし」がオープンしました。展示や多目的スペース、ラウンジが設けられており、散策後の休憩スポットにもぴったりです。
戸越公園 ・住所 〒142-0042 東京都品川区豊町2-1-30 ・電話番号 03-3782-8819 ・駐車場 なし
3. 近隣商店街でのテイクアウトも楽しめる癒やしスポット「文庫の森」(戸越公園)
「戸越公園」から徒歩2分の場所にある「文庫の森」は、ピクニックやお散歩にぴったりな癒やしスポットです。
ジグザグとした八つ橋が池に架かる「水辺の広場」、太陽の光がさんさんと降り注ぐ「ひだまりの広場」、こもれびのやさしい光に癒される「こもれびの広場」などが園内に広がります。
「文庫の森」という名前は、かつて三井財閥が資料保管のため1918年に発足した三井文庫にちなんで名付けられました。
資料をしっかりと保存できるよう鉄筋コンクリートが用いられた「旧三井文庫第二書庫」は、当時の日本では非常に貴重なものだったそう。その価値の高さから登録有形文化財に認定されています。
現在は防災備蓄倉庫となっており、通常は中に入ることができませんが、11月3日の「文化の日」に合わせ、内部が一般公開されることも。旧三井文庫第二書庫は、1923年の関東大震災でもほとんど被害を受けることがなかったといいます。現在まで残り続ける歴史的な建物に興味がある方は必見です。
園内のいたるところに休憩用のベンチが完備されており、ピクニックやランチ、読書などにぴったりです。公園を訪れた日も、ベンチに腰掛けておしゃべりを楽しんだり、のんびりランチしたりする方々がいました。
園内でランチやコーヒーを楽しみたい方にぜひ足を伸ばしてほしいのが、文庫の森近くの「宮前商店街」。ジェラートショップやコーヒー店、サンドイッチ店、米粉を使ったパンケーキショップなど、テイクアウト可能なお店が並びます。
この日、筆者がチョイスしたのは、サンドイッチカフェ「spread it(スプレッドイット)」。「チキンと2種のスプレッド」(450円)と「自家製スパイシーレモネード」(480円) を注文しました。
酸味と甘味のバランスが絶妙なサンドイッチと、鼻からふわっとスパイシーな香りが抜けるレモネードが相性抜群です。「天気のいい公園で食べるサンドイッチってどうしてこんなにおいしいのかな」と、大変ほのぼのした気持ちになりました。
文庫の森 ・住所 東京都品川区豊町1-16-23 ・電話番号 03-3785-2000 ・駐車場 なし
spread it ・住所 品川区戸越4-5-11-1F ・電話番号 03-6874-2563 ・営業時間 11:00〜16:00、テイクアウトのみ ・定休日 木曜
4. 樹木が200種類以上、みんなの憩いの場「林試の森公園」(武蔵小山)
品川区と目黒区の境に位置する「林試の森公園」。研究のための林業試験場だった歴史があり、現在でも専門家が思わず立ち止まってしまうというほどめずらしい樹木を観察できる公園です。園内には、日本産・外国産合わせて約200種類以上の樹木が植えられています。
巨木を間近で見られるのが林試の森公園の魅力の一つ。芝生広場には林試の森公園のシンボル「大きなクスノキ」がそびえ立ちます。樹高は約29メートル、樹齢100年を越す巨木です。
芝生広場では、一足早く2月中旬〜3月上旬に河津桜が見頃を迎えます。レジャーシートを敷いて、自然たっぷりの休日を過ごしたくなりますね。
公園の中心「せせらぎ橋」の周辺には、ラクウショウの森が広がっています。11月上旬〜中旬には、線型のめずらしい葉が紅葉をはじめるそうです。春には新緑、秋には紅葉と、四季折々の美しい景観が広がります。
せせらぎ橋の周りには大きな池が流れており、カメの親子が日向ぼっこしていました。マイナスイオンたっぷりの緑に囲まれた小道を歩いていると、ここが都内であることを忘れてしまうほど。飲み物片手におしゃべりしながら散策デート、お子さん連れなら植物観察にもってこいですね。
ぜひ立ち寄ってほしいのが、冒険広場の「ユーカリガーデン」。2011年9月に東日本へ上陸した台風15号の影響で倒れてしまったユーカリの木を間近で見ることができます。
このユーカリの木は林業試験場だった頃に植栽されたもので、倒木した当時は樹高34メートル、幹周り329センチメートルにおよぶ巨木でした。林試の森ではあえてこの土地にユーカリの木を残し、どのように自然へと還っていくのか見守っています。
すべり台やシーソーなどの遊具も。周辺にはテーブル付きのベンチや自転車の駐輪場が備わり、子ども連れの方にぴったりな環境がととのっていました。
7月中旬~8月末(予定)には、小学生以下の子どもたちが水遊びを楽しめる「ジャブジャブ池」が開放されます。水辺で遊ぶ楽しさ、面白さを体験できるスポットです。
林試の森公園の外周をぐるっと1周するのに、所要時間は45分。めずらしい樹木をより深く観察できるスポットが知りたい方は、ぜひ公園北門近くのサービスセンターに立ち寄って「おすすめの散策ルート」を聞いてみてください。
林試の森公園 ・住所 品川区小山台2・目黒区下目黒5 ・電話番号 03-3792-3800 ・駐車場 なし
5. 御殿山トラストシティの庭園で桜や紅葉を満喫「御殿山庭園」(北品川)
JR品川駅や京急北品川駅から徒歩圏内にある御殿山トラストシティ/東京マリオットホテルの南側に位置する「御殿山庭園」。桜の名所である御殿山の、昔ながらの面影を今に伝える日本庭園です。
庭園内には約70本ほどの桜が植栽されており、春には「御殿山さくらまつり」が開催されます。2023年は、幻想的な風景を楽しめる「桜霞」の演出や、さくら葉をブレンドしたお茶をいただく体験会が催されました。
11月中旬には、庭園内のモミジやイチョウが鮮やかに色づき始めます。大きな池に映り込む赤、黄、緑の色彩豊かな風景も見どころの一つです。庭園内は15分ほどで一周できますが、豊かな自然、迫力のある滝水の音、四季を感じる風の匂いなど、思わず深呼吸したくなるような癒しの時間を与えてくれます。
建築家・磯崎新氏が設計した茶室「有時庵(うじあん)」は、庭園内にあった茶室が戦後に半壊状態となった経緯から、それに代替する形で1992年に建てられました。
一見茶室とは思えないスタイリッシュな佇まいで、丸と四角を組み合わせた外観、ステンレス製のにじり口(茶室の入り口)や扉からは、現代建築の雰囲気を感じ取れます。
通常は非公開ですが、イベント時などには中に入ることができる機会もあるそうです。
庭園内を散策した後は、東京マリオットホテル1階「Lounge & Dining G」 で3カ月ごとに切り替わる季節のケーキ、コーヒーや紅茶などのドリンクを楽しむのもおすすめです。
こ の日いただいた「エテ」は、フランス語で「夏」を表すケーキ。マンゴームースの中にカシスのジュレとムースが入っています。開放感のあるテラス席からは庭園の緑や心地良い風が感じられました。
テイクアウトにおすすめしたいのが、東京マリオットホテル1階「Pastry & Bakery GGCo.」 の「TOKYO MARRIOTT カレーパン」(380円)。このカレーパンを目当てに、ホテルへ訪れる方もいるのだとか。
パンの中に特製ビーフカレーがぎっしり詰め込まれ、パンはモッチモチで食べ応え抜群でした。このほか、園内にはキッチンカーのお弁当を楽しむ方々の姿も。
地域の方はもちろん、周辺で働く人の癒しの場として愛される御殿山庭園。都会のオアシス的な存在であると同時に、豊かな自然、歴史を感じ取れるスポットです。
御殿山庭園 ・住所 品川区北品川4-7-35 ・電話番号 03-5473-2848 ・開園時間 6:00〜19:00 ・URL https://www.trustcity-g.com/about/gotenyama_garden
自然たっぷりの公園・庭園をご紹介しました。気になるスポットはありましたか? 最近思いっきり深呼吸できていないなと感じている方、お子さんと一緒に自然をたっぷり感じられるスポットをお探しの方はぜひ、品川区内の公園・庭園での散策を楽しんでみてくださいね!
※記事中の店舗情報は2023年4月中旬の内容です。
(取材:はせがわみき 編集:森夏紀/ノオト)
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