旧東海道のまちと建築を歩く
京急線 北品川駅
1. 八ツ山橋
八ツ山は武蔵台地の突端の丘陵で、地名は海岸に突き出た岬が八つあったことに由来します。東海道とJR東海道線を立体交差させるために明治5年に架けられた八ツ山橋は、大正2年、昭和5年、昭和60年に架け替えられ、現在は4代目。橋のたもとには2代目の八ツ山橋の親柱が保存されています。
詳細を見る2. 船溜まり
今も屋形船や釣り船が舳先を並べる品川浦・船溜まり。大正14年(1925)に架橋された「北品川橋」から眺めれば、昔ながらの古い家並みと品川駅周辺の高層ビル群のコントラストが楽しめます。
3. 善福寺
永仁2年(1294)開山と伝わる時宗の寺院。本堂上部壁面にはかなり剥落が進んでいますが、伊豆長八(いずのちょうはち)による龍の漆喰鏝絵が残ります。伊豆長八は江戸から明治にかけて活躍した左官の名工で、品川宿では他に寄木神社に作品が残っています。
4. 法禅寺
1384年開創と伝わる浄土宗寺院。本堂の側壁に煉瓦を用いているのは珍しく、洋風のアーチを思わせる積み方など、当時の煉瓦職人のていねいな仕事ぶりが伺えます。虹梁(こうりょう)の彫刻にも近代らしい優美さが見てとれます。
5. 虚空蔵横丁の煉瓦塀
旧東海道から北馬場通りへ抜ける虚空蔵横丁には煉瓦塀が残っています。趣きのある情景は映画やドラマのロケ地にもなりました。この辺りの路地にはまだ井戸がいくつか残っており、懐かしさ漂うエリアです。
6. 北馬場通り 看板建築
旧東海道から品川神社へと続く北馬場通りに建つ看板建築。関東大震災後に数多く建設された、洋風の外観を持った店舗併用の都市型住居は、銅板葺きファサードの青緑が印象的。品川宿にはこの他にもいくつか看板建築のお店が見られます。
7. 品川宿交流館
東海道沿いに建つ品川宿交流館は、地域住民と品川宿を訪れる人々の交流を目指し、まちづくりの拠点&情報発信基地。1階の無料休憩所に併設された駄菓子屋「またあした」には子供たちが毎日のようにやって来ます。2階は品川宿の歴史や文化を紹介する展示室。観光パンフレットも揃っています。
8. 海徳寺
大永2年(1522)創建の日蓮宗寺院。本堂は江戸時代中期、寛延4年(1751)に建築された当時の古材を再利用して建て替えられたもので、軒下の彫刻が見事。本堂前の釈迦生誕像は彫刻家 長谷川昴の作品です。参道脇にある小さな蔵の意匠も見所。
9. 昭和ネオン品川本社ビル
屋外広告・ネオンサインを手掛ける昭和ネオンは 大正11年(1922)に「高村看板店」として創業。旧東海道に建つ品川本社ビルの2Fには3代目社長・故 高村五郎氏が収集した江戸から昭和初期の古看板約180点を展示する「高村看板ミュージアム」があります。昭和48年(1972)に竣工した本社ビル、サイン看板も昭和の雰囲気を今に伝えます。
10. 茶箱
古民家をリノベーションし平成30年(2018)にオープンした日本茶カフェ。元は理容室だった店内は、当時の大きな鏡や柱や梁が今も残っています。急須でていねいに淹れるこだわりの日本茶とオリジナルの和菓子で旅人や住民の憩いのスペースとなっています。
11. 松岡畳店
安永8年(1779年)創業の老舗畳店。大正初期に建てられた現在の店は浜風を避けるため中2階になっており、かつては職人さんが寝泊まりしていたそうです。