大崎の気になるカフェ・ベーカリー
駅前にオフィスビルがたちならぶ大崎エリア。働く人たちが行き交うこの街に、実はここ数年、カフェやベーカリーなどおしゃれなお店が増えています。ほっとひと息つける紅茶専門店やコーヒーショップ、ベーカリー、スイーツや本を楽しめるカフェまで、気になる5店を紹介します。(2024.10.4)
1. 紅茶専門店でくつろぎの一杯を、アフタヌーンティーも人気「amsu tea house TOKYO」
JR大崎駅から5分ほど歩くと、大崎ブライトタワー1階に店を構える「amsu tea house TOKYO(アムシュティーハウス東京)」が見えてきました。
“紅茶のエキスパート”として、茶葉の輸入から加工までを行う株式会社ビッグメイクが運営する紅茶専門店。大阪に次ぐ2号店で、東京初進出です。
「紅茶を楽しみながら、時間を忘れてゆったりくつろいでもらいたい」という思いがつまった店内には、座り心地を重視した椅子と海外から取り寄せた生地で作ったクッションを並べます。シャンデリアやカーテンもインテリアに合わせて特注したのだとか。
ティーコージー(紅茶のポットにかぶせるカバー)にもクッションと同じ生地を使うなど、小物にも統一感があり、落ち着いて紅茶を嗜むのにぴったりな空間です。
人気No.1のメニューは、なんといっても「トップアップティー」(1,500円)。カップが空になると、店員さんがその日のおすすめの紅茶を継ぎ足しにきてくれるシステムです。いろいろな紅茶を少量ずつ、心ゆくまで堪能できます。
「何杯でも飲んでいただけるよう、渋みや苦みのない、すっきりと飲める紅茶をそろえている」とのこと。定番フレーバーは約60種類! 茶葉をブレンドする技術を持った同社のティーブレンダーが、味や香りのバランスをみて調合しているそうです。
紅茶とともに楽しむ「スコーンセット」(2,100円)は、フレーバーティーの茶葉を練り込んだ紅茶風味とプレーン、2種類のスコーンを楽しめます。
外はサクッと中はしっとりと焼き上げたスコーンは、香り高い紅茶と相性抜群。季節のジャムと英国ロダスのクロテッドクリームをのせて、至高の組み合わせを召し上がれ。
スコーンセットの食後に提供される「ティーアフォガード」は、バニラアイスに温かい紅茶を注いでいただきます。濃厚な紅茶にアイスが溶け込み、マイルドでリッチな味わい。鼻から抜ける茶葉の香りがたまりません。
ギフトコーナーも充実。ティーバッグの詰め合わせは、手軽な袋タイプから重厚感のあるギフト缶まで、豊富なバリエーションがそろっています。ちょっとした手土産や、自分へのご褒美にぜひ。
紅茶とスイーツを味わえる季節替わりの「アフタヌーンティーセット」(5,500円〜)も要チェック。同社では2024年9月、カカオ豆から作る本格的なチョコレートブランド「éclat de paix(エクラ・ドゥ・ペ)」を大阪で立ち上げたばかり。今後は東京のお店でも、紅茶とチョコレートの組み合わせがいっそう楽しめるかも?
窓からは緑も見え、都会の喧騒から離れて落ち着いた時間を満喫できること間違いなし。おいしい紅茶で優雅なひとときをぜひ楽しんでみてくださいね。
amsu tea house TOKYO ・住所 東京都品川区北品川5-6-1 大崎ブライトタワー1階103 ・電話番号 03-6432-5638 ・営業時間 11:00〜19:00(フードL.O.18:00/ドリンクL.O.18:30) ・定休日 不定休 ・URL https://www.amsu-tea.com/pages/tea-house-tokyo
2. 40種類以上のパンがずらり! わくわくするベーカリー「小麦girl」
JR大崎駅の西口から徒歩4分、オフィス街から住宅街へ街並みが変化するT字路の先に「小麦girl」があります。耳に残るネーミングと、かわいらしい少女のロゴが目を惹き、取材中も途切れなくお客さんが来店していました。
ドライフラワーが天井や壁に飾られているおしゃれな店内。開店時には40種類以上ものパンや焼き菓子が並びます。
「なるべくすべてのパンをそろえてからお店を開けています。お客さまに来たときより元気になって帰ってもらえたらうれしいですね」と話すのは、代表の横畑大地さん。たしかに、パンがずらりと並んでいる光景ってすごくわくわくしますよね!
そんな「小麦girl」の特徴は、日本人の口内水分量に合わせて考え抜かれた、しっとり、もっちりとしたパン。国産小麦、外国産小麦どちらかにこだわるのではなく、一つひとつのパンに合わせたブレンドを試行錯誤しているのだそうです。
大きなドーム型の黒パン「カンパーニュ」(500円)は、外国産小麦4種をブレンド。むちっとした食感で、小麦の強い旨味や酸味が口のなかにどっしり広がる味わいでした。
一方、「国産小麦のミルクフランス」(310円)は、小麦の穏やかな甘味を感じる味わい。フランスパンですが、そのままかじれるちょうどいい柔らかさと太さです。
「小麦girl」はパンのみならず、カヌレなどの洋菓子も自慢。「フランスの伝統菓子であるカヌレは基本に忠実に作っています」と横畑さん。ギフトボックスを用意しているので、手土産として買っていく人も多いのだそうです。
2023年11月のオープンからもうすぐ1年。横畑さんは「これからも地に足をつけて、地域の人に求められるパンを作っていきたい」と話します。地域の声を聞く一つの方法が、Instagramの質問コーナー。近隣のお客さんの気軽な質問に、横畑さんが実直に向き合っている投稿が印象的です。
ちなみに「小麦girl」の2カ月後にオープンした近隣のカフェ「MAHIRO COFFEE ROASTERY」とは、お互いの商品をお店で販売しています。地域のつながりを感じながら、おいしいパンでほっとひと息ついてみませんか。
小麦girl ・住所 東京都品川区大崎2丁目7−4 メゾン三鋼 1階 ・電話番号 なし ・営業時間 11:00〜18:30 ・定休日 月曜・火曜 ・URL https://www.instagram.com/komugigirl/
3. コーヒーの香り漂う店内で、好みの豆を探してみよう「MAHIRO COFFEE ROASTERY」
大崎駅新東口から徒歩1分の場所にある焙煎(ばいせん)カフェ「MAHIRO COFFEE ROASTERY(マヒロコーヒーロースタリー)」。打ちっ放しコンクリートのスタイリッシュな外観と、窓越しに見える熱風式の電気自動焙煎機が目をひきます。
店内では、「普段使いと、日々の癒しとなる非日常のコーヒー体験」をコンセプトに、店主の齊藤真希さんが厳選したコーヒー豆が楽しめます。
「味だけでなく産地の違いも楽しんでもらいたい」と、自ら海外の仕入れ先に出向くほど熱意のある齊藤さん。
「他店では味わえないコーヒー豆を探すべく、いろんな農園や業者さんと繋がりを持つようにしています。先日訪ねたネパールの農園は、四駆じゃないと登れないような険しい山道の先にありました。標高が高いと、空気と水のおいしさが違いますね」
イチ押しメニューは、約30種類のコーヒー豆から好きな味を選ぶ「ドリップコーヒー」(600円)。コーヒーのお供には全国から週替わりで取り寄せる和菓子(300円、ドリップコーヒーセット=800円)がおすすめです。
「ドリップコーヒーは、全種類を同価格で楽しめるのでお得です。実は、コーヒーだけではなく『自家製クラフトコーラ』(500円)も人気なんですよ」
もちろん店内に並ぶコーヒー豆(880円~)も購入できます。電気自動焙煎機は、6〜7分で焙煎できるすぐれもの。ドリップコーヒーを飲んでいる間に、自宅で淹れる用の豆の焙煎をお願いするのもいいかも。
「好みの味わいはもちろんのこと、体調や気分だけでも教えてもらえたら。リラックスするには香り高い品種、眠い時はガツンとした深煎りなど、いろいろご提案できます。気軽に声をかけてください」
メニューはすべて、テイクアウトOK。大崎駅西口にあるベーカリー「小麦girl」から約10種類のパンを仕入れて販売しているため、朝はモーニングとして利用するお客さんもいるのだとか。
「お客さんから『こんなにおいしいコーヒーは初めて。通います!』と言っていただけると励みになります。コーヒーの奥深さと、焙煎時のチョコレートのような甘い香りをたくさんの人に楽しんでいただきたいですね」
MAHIRO COFFEE ROASTERY ・住所 東京都品川区大崎1-20-8 INOビル E区画 ・電話番号 03-6421-7309 ・営業時間 8:00~19:00 ・定休日 日曜不定休、営業日はインスタグラムに掲載 ・URL https://mahiro-coffee.com/ https://www.instagram.com/mahiro_coffee_roastery/
4. バスクチーズケーキの食べ比べも! 住宅街のゆったりカフェ「HONEYCOMB COFFEE」
大崎駅から徒歩9分、閑静な住宅街に佇む「HONEYCOMB COFFEE(ハニカムコーヒー)」。種類豊富なドリンクと自家製スイーツを提供しています。
「近隣にお住まいのお客さまを中心に、スイーツめあてに遠方から来てくださる方も多いです」と話すのは、オーナーの田尾さん。
ハニカム(Honey Comb)は、「味や空間の心地よさなど、カフェにとって大切なことが蜂の巣の六角形のようにバランスのとれている場所を作りたい」という思いから名付けられました。
店内の一部はドッグフレンドリーエリア。広々とした空間にはゆったりと腰掛けられるベンチもあり、散歩の途中でワンちゃんとリラックスしているご近所さんも多いそうです。
清潔感のあるホワイトとグリーンを基調とした、シンプルながらもデザイン性のある内装。まさに「居心地の良さ」を感じられる空間が広がっています。
ドリンクは定番のコーヒーだけでなく、紅茶やレモネードなど25種類をそろえています。なかでもアイコニックなのが、ミルクにエスプレッソとハチミツを加えた「ハニカムラテ」(682円)。
まろやかなミルクにエスプレッソとハチミツが混じり合い、ほろ苦さの中に奥深い甘味を感じるドリンクです。底に沈むシロップをかき混ぜながら飲むと、味の変化を楽しめます。
一番人気のスイーツメニューは、「バスクチーズケーキ食べ比べセット」(1,188円)。月替わりのフレーバーなど3種類のバスクチーズケーキを一度に味わえる、大満足の一皿です。
「バスクチーズケーキ発祥の地・スペインまで赴き、現地の味からレシピを作った渾身の一品です」と田尾さん。
サイドにトッピングされた生クリームとエスプレッソの粉で味変も! 最後まで楽しんで食べてもらおうと田尾さんがこしらえた幸せの工夫です。
店頭には日替わりで焼き菓子も並びます。お店で焼き上げた出来立てをいただけるのが、うれしいポイント。「バスクチーズケーキ食べ比べセット」以外はお持ち帰りできます。
日常の延長にフラッと来るもよし。作業場としてガッツリ集中してもよし。 おいしいコーヒーとスイーツをおともに、「HONEYCOMB COFFEE」で特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
HONEYCOMB COFFEE ・住所 東京都品川区大崎3-15-23 鈴木ビル1F ・営業時間 9:00〜18:00 ・定休日 水曜 ・URL https://www.instagram.com/honeycomb.coffee/
5. 2500冊の蔵書に囲まれて自家焙煎コーヒーを味わう「大崎ブックカフェ」
JR大崎駅から徒歩6分、百反(ひゃくたん)通り沿いにある「大崎ブックカフェ」にやって来ました。
オーナーは元システムエンジニア。近隣にオフィスビルが立ち並ぶ大崎でひと味違った時間を過ごせるカフェを作りたいと、2021年にこのお店を始めました。
2500冊以上の蔵書の中には、お客さんから寄贈されたものも。ビジネス書や哲学、文学、マンガなどバラエティー豊かな本がそろっています。
全席に電源とWi-Fiが備えられていて、コワーキングスペースとしても利用できます。伺った当日もパソコンを持参して仕事をしているお客さんが多く、落ち着いた雰囲気で集中して読書や仕事をしたい方にはぴったりです。
ドリンクメニューのコーヒー(500円)は、自家焙煎する豆で淹れた一杯です。オーナーの中学時代の同級生である「Beans station」(南品川2)店主から焙煎方法を教えてもらったのだとか。銘柄は日替わりなので、来店するたびに別の味わいを楽しむことができますよ。
ちなみに、フードメニューのランチセット(各1,400円、ワンドリンク付き)は、塩麹を使った和食中心のラインナップ。おすすめは「塩麹肉じゃが定食」だそう。読書や仕事がひと段落ついた際に、おいしいコーヒーとともにいただいてみては。
大崎ブックカフェ ・住所 東京都品川区大崎2-7-11 小澤ビル1F ・電話番号 080-6671-0990 ・営業時間 10:00〜20:00(レンタルスペースの利用状況により変動) ・定休日 土曜・日曜・祝日 ・URL https://osaki-book-cafe.1web.jp/#google_vignette
品川駅や空港からのアクセスも良い大崎は、観光やビジネスで立ち寄りやすいエリア。ほっとひと息つけるお気に入りスポットを見つけて、ゆったり素敵な時間を過ごしてみませんか?
※記事中の店舗情報は2024年9月の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。
取材・文: 竹内美里(amsu tea house TOKYO、HONEYCOMB COFFEE) 安光あずみ(小麦girl) ゆきどっぐ(MAHIRO COFFEE ROASTERY) 梶原たくま(大崎ブックカフェ)