東京・品川区内のおいしいアイス・ジェラート
暑い季節に食べたくなる、アイスクリームやジェラート。フルーツやミルクを使った定番フレーバーから、焼き芋やトリュフといったユニークなものまで、実は一年を通して旬の素材を楽しめるのも魅力です。地域のみなさんに親しまれている品川区内の5店を紹介します。(2024.8.3公開)
1. 店内工房で作る、できたてジェラートをどうぞ 「ファブリカ・エッフェ」(北品川)
京急本線・北品川駅から徒歩4分、旧東海道の商店街沿いにある「ファブリカ・エッフェ」。
カラフルでポップなジェラートの看板が目印です!
「ファブリカ・エッフェ」では、1階の奥にある店内 工房で手作りされた、こだわり素材のジェラートが楽しめます。
ジェラートは素材が命。「そもそもおいしい素材を選んだうえで、素材を活かすための配合を研究しています」と店長の福田靖子さんは話します。
店頭には週替わり、月替わりのジェラートが並んでいました。時期によっては「とうもろこし」、「焼き芋」といった変わり種もあるそう。
注文したのは左から、「ラムネシャーベット」「ブラッドオレンジ」「チョカオ(チョコレート)」「ピーチヨーグルト」。カップ、コーンともに各500円(ダブル)です。
素材の風味が活かされていて、しつこい甘さはなく、ダブル2つでもぺろっと食べることができました!
暑い夏にはジェラートがあっという間に溶けてしまうので、2階の広々としたイートインスペースを利用するのがおすすめです。
1階にはコーヒー豆やスイーツの販売もありました。エスプレッソの本場イタリアで高い評価を受けている「ミラーニ豆」などが購入できます。
驚いたのは、取材中たった1時間のあいだに、おばあさんから小学生まで幅広い年代のお客さんが来店していたこと。たまたま来店した隣の焼肉店「ソウル苑」のスタッフさんは、「通いすぎてもう全種類食べたことがあるね」と楽しげです。
東麻布から2023年に移転した「ファブリカ・エッフェ」。すっかり北品川の商店街に馴染み、老若男女から愛されるお店となりました。「ちゃんとしたものを手の届く価格で」をポリシーに、これからも品川のまちに根ざしながら、本格ジェラートを提供していきます。
ファブリカ・エッフェ ・住所 東京都品川区北品川1-28-9北品川YTビル1F ・電話番号 03-6277-7580 ・営業時間 11:00~18:00 ・定休日 月曜(当面水曜日も定休) ・URL https://www.delsole.st/shopinfomation/fabbrica/
2. 旬のミルクと季節の果物、一年を通して楽しみたい「Gelateria FELICE」(戸越銀座)
東急池上線・戸越銀座駅から徒歩5分、都営浅草線・戸越駅から徒歩4分。戸越台中学校裏にあるジェラート店「Gelateria FELICE(ジェラテリア フェリーチェ)」。店名はイタリア語で「幸せ」の意味。手書きで描かれたおいしそうなジェラートのイラスト看板が目印です。
店内はグリーンの配色と木の素材を中心に、シンプルで落ち着く雰囲気。テイクアウト専門ですが、店内の椅子や店の前のベンチに腰かけてジェラートを食べるお客さんの姿も見られます。
店主の横川毅利さんは、カルピス食品工業(現アサヒ飲料)で31年間勤務した後、2022年に同店をオープン。店の隣にある工房でジェラートを作っています。
おいしさを一番に考えながら、生乳にこだわりを持ち、地産地消とフードロス削減をコンセプトに自然環境に配慮したお店作りを心がけているそう。
今回は、横川さんのこだわりが詰まった「夏のさわやかミルク」(写真左)と、お客さんのリピート率ナンバーワンの「トウモロコシ」のダブル(530円)をいただきました。豊かなミルクの香りと、トウモロコシの粒感がたまりません。北海道出身の横川さんによると、トウモロコシ味は地元で食べられる定番のフレーバーなのだとか。
「群馬県吾妻産の生乳を使ったミルク味のジェラートは、春夏秋冬の季節に合わせて3カ月ごとにレシピの配合を変えています。夏はさっぱり、冬は少しこってりとした味わいが楽しめますよ」(横川さん)
ショーケースには、ミルク味のジェラートをベースに旬の果物を使ったメニューが並びます。夏は『白桃のソルベ』や『沖縄パインのソルベ』、『瀬戸内レモンのソルベ』も人気なんだとか。品質を守るため、日光や空気、温度変化から守る蓋つきの壷型の容器に入れられています。
「いろんな種類のジェラートをお客さんが『おいしいね』と食べている姿を見ると、『店を開いてよかったな』と幸せな気分になるんです」(横川さん)
オープンして2年。「味はしっかりなのに、後味がさっぱりでべたつかない」とお客さんから好評で、週末は季節を問わずにぎわう人気店となりました。持ち歩き時間30分以内のテイクアウト希望には、プラス60円で保冷剤と保冷バッグを付けられます。
甘さ控えめでさっぱりした味わいのジェラートは、戸越銀座商店街の食べ歩きにもピッタリ! ぜひお立ち寄りください。
Gelateria FELICE ・住所 東京都品川区戸越1丁目7−13 ・電話番号 03-4400-9148 ・営業時間 11時~19時 ・定休日 火曜 ・URL https://www.instagram.com/gelateria.felice/
3. イタリア料理店が生み出す、地域の憩いの場「Gelateria Italiana Ciao」(武蔵小山)
東急目黒線・武蔵小山駅から徒歩3分、武蔵小山商店街パルムそばにある「Gelateria Italiana Ciao(ジェラテリア イタリアーナ チャオ)」。
大森で40年ほど営業するイタリア料理店「Osteria Italianita(オステリア イタリアニタ)」の新業態として、2023年にオープンしました。
2代目店主の橋本定男さんは「『チャオ』は、親しみがこもったイタリア語の挨拶。大森のレストランの旧店名でもあり、新しく店を始めるならこの名前にしたかったんです」と話してくれました。
ジェラートは常時15種類ほど。酸味をおさえて子どもにも人気の「ヨーグルトベリー」やインパクトある風味の「トリュフ」といった10種類のレギュラーメニューのほか、季節によって「焦がしキャラメル」、お酒が入った「カンパリブラッドオレンジ」などが並びます。
橋本さんにとって「ジェラート作りの原点」だという「パイナップルエストラゴン」は、エストラゴンというハーブを入れることで爽やかな味わいを実現したそう。少し緑がかっていて、パイナップルの甘さの後にハーブの香りが鼻から抜けていきます。
ビターな味わいの「焦がしキャラメル」は、口に入れた瞬間ビックリ。くせになるほろ苦さで、パンチがありました。
イタリア語のラジオ番組が流れる店内には、「こないだ食べておいしかったゴルゴンゾーラチーズは今日もある?」「仕事が忙しいから、ちょっと休みたくなって」とお客さんが次々やって来ます。
ちなみに、シェフとして30年の経歴を持つ店主の橋本さんは、過去にシチリアなどイタリア国内で1年半ほど生活し、すっかりイタリアに魅了されたそう。
「イタリアのコミュニケーションの文化が好きなんです。この店でのお喋りを楽しんでもらったり、寄り道や待ち合わせの場になったりしたら嬉しい」(橋本さん)
「夏の暑い時期はスモモやスイカ、ライムミント、冬には焼き芋などのフレーバーも。1年を通して楽しめます」と橋本さん。旬のジェラートを味わいながら、気さくなイタリアの雰囲気を感じてみませんか?
Gelateria Italiana Ciao ・住所 東京都品川区小山3-7-12 サンハイツ102 ・営業時間 13:00〜21:00 ・定休日 不定休 ・URL HP:https://gelateria-ciao.studio.site Instagram:https://www.instagram.com/gelateria_italiana_ciao/
4. 商店街で30年以上、みんなを迎える幸せの味「タケヤ・デザートイン」(武蔵小山)
武蔵小山商店街パルムの真ん中あたりに店を構える、自家製ジェラート専門店「タケヤ・デザートイン」。学生服を扱う「学生服タケヤ」さんの店頭でジェラートを販売します。
一風変わった販売スタイルのきっかけは、現在ジェラート部門の責任者を務める竹内みどりさんの夫・元章さん。今から37年前、とある見本市で食べたジェラートに感動した元章さんは一念発起。学生服の店でありながら、ジェラートの販売を始めました。
12年前、食通で研究熱心だった元章さんが亡くなり、みどりさんがその味を引き継ぎました。「ジェラートのおかげで立ち直れた」と話すみどりさん。今ではジェラートを手作りするのが朝の日課です。
毎日12種類ほどが並ぶジェラートは、ヨーグルトや梅酒、甘酒も自家製を仕込みます。
「プラム」と「カスピ海ヨーグルト」のダブル(500円)を注文すると、「桃」も一口添えてくれました。
山梨の農家から届いた「プラム」のジェラートは、まるで果物をそのまま食べているかのような濃厚な味わい。
20年前から育てているカスピ海ヨーグルトを使ったお店のイチ押し「ヨーグルト」は、甘さ控えめでさっぱり。「プラムと一緒に食べてみて」とおすすめされたので一緒にいただくと、これもまた絶妙なバランスでおいしかったです。
お客さんがみどりさんと楽しそうに話しながら買っていくのが「タケヤ・デザートイン」の特徴。
「愛をふりまきたい。この町に来た人に、幸せな気持ちで帰ってもらいたいの。ネット販売をやってほしいとも言われるけど、元気な顔を見たいのでネットはしない」。みどりさんは一人ひとりのお客さんとのお喋りを絶やしません。
「材料が値上がりしているけれど、価格は上げていないの。儲けのためにやっているわけではないからね」とみどりさん。その場にいたお客さんが「この値段でこのクオリティはどこにもない」と太鼓判を押しました。
1年を通して約100種類のメニューが並ぶ同店。食べてみたい味のリクエストも受け付けているそう。竹内さんとのお喋りを楽しみつつ、ぜひお好きな味のジェラートを探してみてください。
タケヤ・デザートイン ・住所 東京都品川区荏原3-3-20 ・電話番号 03-3781-8850 ・営業時間 13:00~17:00(土曜・日曜・祝日は18:00まで) ・定休日 月曜・火曜 ・URL http://dessertin.blog.fc2.com/
5. 実は日本初上陸の地! 豊富なフレーバーが魅力「サーティワン アイスクリーム 目黒店」(目黒)
JR・東急目黒線の目黒駅から徒歩1分、目黒セントラルスクエアの1階にある「サーティワン アイスクリーム 目黒店」。実は、目黒はサーティワン アイスクリームが日本で初めて出店した場所なんです。
1945年にアメリカ・カリフォルニア州で開業した「バスキン ロビンス」は、1974年に「サーティワン アイスクリーム」として日本へ初上陸しました。
当初はポップアップストアのような業態を予定していましたが、大使館が周りに多い立地で、日本在住の外国人が「バスキン ロビンスが日本に来た!」と大喜びしたことから本格営業が決まったそう。今では全国に1000店以上ある人気のアイスクリームショップに成長しました。
サーティワン アイスクリームの魅力は、1カ月間通い続けても毎日違ったフレーバーが楽しめるほど豊富なラインナップ。日本上陸時から販売する「チョコレートミント」は、チョコレートミント味のアイスクリームを日本に広めた最初期の存在としても知られています。「あの青色のアイスはどんな味なの?」と全国で話題となり、流行の先駆けとなりました。
日本上陸50周年の2023年は「サーティワン フレーバー総選挙」を実施。1位となった「ラブポーションサーティワン」は、ラズベリーとホワイトチョコレートの味わいが人気です。
目黒店と同じビル内には、サーティワン アイスクリームの本社やスタッフのトレーニング施設も。品川区に縁のある企業として、区内の子ども食堂への商品提供やサポートも行っています。いずれは、この社会貢献を全国規模に広げていく意向なのだそう。
目黒でサーティワン アイスクリームに立ち寄った際は、開業当時の賑わいを思い浮かべながら、ぜひ食べてみてください。きっといつもとは一味違った時間になるはずです。
サーティワン アイスクリーム 目黒店 ・住所 東京都品川区上大崎3-1-1 ・電話番号 050-1807-3395 ・営業時間 10:00~21:00 ・定休日 不定休 ・URL https://store.31ice.co.jp/31ice/spot/detail?code=0000001050
好きな味を選んで、さくっと味わえる。どんな人と一緒でも、ひとりでも楽しめるのがアイスクリーム・ジェラートのいいところ。季節のフレーバーを求めて、何度でも足を運びたくなります。お散歩やレジャーのついでに、お子さんと一緒に、ぜひ今回紹介したお店を訪れてみてくださいね。
※記事中の店舗情報は2024年7月の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。
取材・文: 安光あずみ(ファブリカ・エッフェ) ゆきどっぐ(Gelateria FELICE/サーティワンアイスクリーム 目黒店) 牛島奈津子(Gelateria Italiana Ciao/タケヤ・デザートイン)
編集:森夏紀/ノオト
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