品川区内の御朱印・お守り特集~大崎・荏原エリア~

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近年、御朱印を集めるために、神社やお寺に参拝する人が増えているといわれています。御朱印とは、神社やお寺にお参りしたときに、証として授けられる印章のこと。押印のほかに、参拝した日付、寺社名・御祭神・御本尊の名前などを墨書きして下さるところが一般的です。

今回は品川区の西エリアを中心に、御朱印やその神社での特徴的なお守りをご紹介します。(2020.2.1)

  1. 文化功労者の作品も残る、地域の人のやすらぎの場「氷川神社」

  2. 東急目黒線・不動前駅から歩いて5分ほどにある氷川神社。創立年は不明ですが、現在発見されている資料から、江戸時代より前に農民たちから氏神として祀られていたと考えられます。桐ケ谷村にあった神社なので、「桐ケ谷氷川神社」と呼ぶ人もいるそうです。

    主神は天照大御神の弟神としても知られる「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」。明治41年9月13日に氏子内の祠に祀られていた4柱を合祀したことから、毎年その日に近い金・土・日を例祭日として御祭礼を実施し、大神輿の渡御などを行っています。

    鳥居をくぐって並木道を通り、さらに石段を昇って境内へと向かいましょう。境内にも多くの木々が生い茂っており、夏には近隣の多くの人がこの木陰で涼んでいくそうです。

    湧き水の地としても知られており、かつては江戸七大瀑布としても数えられた「氷川の滝(氷川の懸泉)」の名残が今も参道横に見られます。昔は地域の生活用水としても使われ、現在も手水に利用されています。この湧き水は神社と合わせて「しながわ百景」にも選ばれていて、今も地域の人々から愛されていることがうかがえます。

    神社の社号標と社務所玄関入口の額には、豊道春海氏による書が用いられています。大正から昭和に活躍し、書家として初めて文化功労者に選ばれた人物です。

    御朱印は、「冰川神社」という旧字体の筆と、円鏡の周囲が中央のとがった8枚の花弁状に縁どられた八稜鏡(はちりょうきょう)の印が特徴。氷川神社は関東近郊に複数ありますが、その中でも旧字体で御朱印をいただけるのは珍しいかもしれません。新字体とはまた違った雰囲気を確かめてみてくださいね。

    氷川神社
    ・住所 東京都品川区西五反田5-6-3
    ・TEL 03-3491-6863

  3. 桜が描かれた御朱印帳が美しい「居木神社」 文字で“厄”を落とせる絵馬も人気

  4. 大崎にある「居木(いるぎ)神社」。かつては目黒川に架かる居木橋付近にあったそうですが、目黒川の氾濫による水害を避けるため、現在の場所へうつされました。主祭神は、叡智と武勇の神である「日本武尊(やまとたけるのみこと)」です。

    神前結婚式も行われる居木神社の授与品には、デザインが素敵な「想い叶うまもり」も。お守りの組紐に用いられている「叶結び」は、縁起のいい伝統的な結び方です。紐の結び目が「口」と「十」になり、漢字の「叶」に通じているのだとか。

    また、居木神社では、「八」「災」「厄」「病」「鬼」のくり抜きの文字が入った絵馬もあります。それぞれは、八方塞がり除祈願、災難除祈願、厄除祈願、病門除祈願、鬼門除祈願の意味。名前や年齢を絵馬に書き込んだあと、自分で絵馬から文字をくり抜き、祈願します。

    春には、桜の名所としても知られる「居木神社」。神社でご用意されている御朱印帳も、明るい桜の風景と、黒を基調とした夜桜柄の2種類があります。

    その年限定の御朱印に加えて、月ごとに変わる御朱印も。月限定の御朱印を6カ月分、1年分受けた方には、それぞれ素敵な記念品も用意されています。記念品が気になる方は、2020年の目標にしてみてはいかがでしょう。

    居木神社
    ・住所 東京都品川区大崎3-8-20
    ・電話 03-3491-7490
    ・URL https://irugijinjya.jp/

  5. 高台から地域を見守る「小山八幡神社」、オリジナルの大國絵馬にも注目

  6. 東急目黒線西小山駅から7分、高台を目指して歩いていくと小山八幡神社が見えてきます。その創立は源頼信によるとされていて、鎌倉時代には氏神として旧荏原郡小山村の氏神として祀られていたそう。現在も残る小山という地名は、この小山八幡神社が由来といわれています。

    主神は誉田別尊(ほんだわけのみこと)。荏原七福神の大黒天も祀られています。以前は妙見菩薩(みょうけんぼさつ)も合祀していたため「妙見八幡」とも呼ばれていましたが、明治時代の神仏分離令により隣接する摩耶寺へと移され、今にいたります。

    境内は木が生い茂った自然豊かな環境。2本ある椎(しい)の木は昭和53年に品川区指定文化財となっています。樹齢はどちらも約200年、樹高は13メートルを超えたとても大きな姿を今も見ることができます。

    また、立地も標高35メートルと品川エリアでも随一の高さ。その高台からの景観が「しながわ百景」にも選ばれていて、天気の良い日には東京タワーが見られるとのことなので、訪れた際には景色を楽しむのもおすすめですよ。

    例大祭は9月6日・7日に近い土日に、昔から繋がりのある三谷八幡神社と合同で実施しています。両神社の氏子町会が集まり7基の神輿で渡御を行う光景は圧巻!「小山両社祭」と呼ばれ、こちらも「しながわ百景」の一つに数えられています。

    御朱印は小山八幡神社と大黒天の2種類。どちらも八幡神社の神紋である巴紋の印が押されています。

    神輿の担ぎ手など汗をかくことの多い人向けに木で作られた「小山八幡神社」の焼き印を押した肌守り。スポーツをされる方や肉体労働が多い方が持つのにもぴったりです。

    絵馬は3種類あり、そのうちのひとつ「大國絵馬」は筆絵が特徴的。こちらは宮司様の祖父ゆかりの書家、静波昌祐氏が大黒天に関する詩を書いた際に描いたものを用いています。七福神ファンの方は、ぜひチェックしてみてください。

    小山八幡神社
    ・住所 東京都品川区荏原7-5-14
    ・TEL 03-3783-0455

  7. 「旗の台」の名称は「旗岡八幡神社」が発祥! 

  8. 東急大井町線・荏原町駅を降りて、法連寺に隣接する「旗岡(はたがおか)八幡神社」。発祥は1030(長元3)年。源頼信が、平忠常の乱を平定するために下総へ向かい、この場所で宿営した際に源氏の氏神である「八幡大神」を祀って戦勝を祈願したのが始まりだとされています。さらに、高台に陣を敷いて、源氏の白旗をなびかせたことから、この地が「旗岡」「旗の台」と呼ばれるようになったそう。

    ご祭神は、「誉田別命(ほんだわけのみこと・応神天皇)」「比売大神(ひめおおかみ)「息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと・神功皇后)です。

    御朱印は境内右手社務所にてお願いできます。

    境内に入り、左手にあるこちらの「絵馬殿」は、口伝によれば、1928(昭和3年)に造営された当神社で唯一現存する戦前の建造物とのこと。

    完成時には参道の北側にありましたが、旧社殿が1945(昭和20)年5月の空襲で焼失したため、終戦直後に絵馬殿をそのままの状態で移動して、1962(昭和37)年まで仮社殿の役割を果たしていました。

    当時の移動の様子の写真を見せてくださいました。同年に現社殿の造営着手に伴い、再び建築物をそのままの状態で移動し、今に至っているそうです。戦災を逃れた昭和初期の貴重な神社建築として、2013年に国の「登録有形文化財」として登録されました。

    そんな歴史ある神社。ご利益を求めて多くの人が集うほか、日中には近所の保育園の子どもが遊びに来るなど、近隣の方の憩いの場となっています。春には境内の桜が満開になりお花見に訪れる参拝客も多いのだとか。、踏切を渡ると、荏原町商店街が広がるにぎやかな街。散策と合わせてお参りに来てみてはいかがでしょう。

    旗岡八幡神社
    ・住所 東京都品川区旗の台3-6-12
    ・TEL 03-3781-5800
    ・URL  http://hatagaokahachiman-jinja.jp/

  9. 御朱印は13種類以上!新たに「大福御朱印」も「戸越八幡神社」

  10. 戸越の住宅街にある「戸越八幡神社」。境内にはテーブルやソファー席が設置されていて、参拝者はゆっくりと神社でゆっくりと過ごせます。マルシェや古本市など、街のつながりを作るイベントの開催場所としても利用され、街のコミュニティの一つになっています。

    御朱印は、申し込み用紙に記入してお受けしましょう

    戸越八幡神社の御朱印の特徴は、バリエーションの豊富さ! 13種類以上を揃え、種類によっては各月限定の絵柄も。毎月変わる絵柄を楽しみに、何度も訪れる参拝者も多いのだとか。

    毎月異なる絵柄が用意された、華やかな見開き御朱印をいただきました。

    また、例大祭に合わせ頒布した大福と御朱印がセットになった「大福御朱印」が好評だったことを受け、第2・4火曜には、強運除災と健康来福を祈願した「大福御朱印」を数量限定で用意されています。

    かわいらしい御朱印帳を始め、「御朱印専用バッグ鳩守り付き」も。少しずつアイテムを揃えていくことで、御朱印巡りがさらに楽しくなりそうですね。「これから御朱印巡りを始めたい」という方にもぴったりな神社です。

    戸越八幡神社
    ・住所 東京都品川区戸越2-6-23
    ・TEL 03-3781-4186
    ・URL  https://togoshihachiman.jp/

  11. 御朱印ブームの火付け役「蛇窪(へびくぼ)神社」 巳の日には特別な御朱印も

  12. 中延駅から徒歩5分、「上神明天祖神社」の名で長く親しまれてきたこの神社。令和元年5月、御大典(即位の礼後に行われた一連の儀式)の記念として、また地域の発展を祈念して、正式名称は「天祖神社」のままですが、別称である「蛇窪神社」を通称明記に変更されました。

    蛇窪神社には、龍神さまと白蛇さまが祀られており、「巳が辰(身が立つ)」=「立身出世」の御神徳があると言われます。

    御本殿に祀られる御三柱(天照大御神・天児屋根命・応神天皇)のほか、稲荷社、弁天社に祀られる全ての神さまを総称して、「蛇窪大明神」と奉称しています。

    いただいた「蛇窪大明神」の御朱印を見てみると、右の緑色の印で龍神さま、左の紫色の印で白蛇さまが表現されています。ちなみに、1・4・9月は違う色を使った「期間限定特別御朱印」があるのだとか。

    境内には、厳島弁天社と伏見稲荷社が末社としてあり、それぞれの御朱印も用意されています。

    通常いただけるのは、以上の3種類ですが、白蛇様の縁がある「己巳(つちのとみ)の日」限定の御朱印が用意されているそう。

    さらに、お正月(1月1日~7日まで)と「巳の日」「己巳の日」には、体数限定で、天然記念物山口県「岩国のしろへび」の脱皮と蛇窪大明神のお札の入ったお守り「夢巳札(ゆめみふだ)」も。

    白蛇さまが夢枕に現れて、お告げにより祀られた神社の祠(ほこら)で祈願した御守です。「己巳の日」は、お正月かと思うくらい大行列になるそうですが、狙い目のタイミングは意外にも15時以降とのこと。特別な御朱印を手に入れに参拝してみては。

    蛇窪神社
    ・住所 東京都品川区二葉4-4-12
    ・TEL 03-3782-1711
    ・URL https://hebikubo.jp/

  13. 「下神明天祖神社」 雅楽記念の御朱印や「ツール・ド・御朱印」も

  14. 下神明天祖神社は、下神明駅のすぐ近く。雅楽の普及へも力を入れており、社務所での稽古や近隣学校での雅楽鑑賞会、技術指導を行っている神社です。

    雅楽の雑面(舞楽面)をモチーフにしたオリジナルの「芸事お守り」は、他ではなかなか手に入らないもの。よーく見てみると、お面にも2種類あるという細部へのこだわりが伝わってきます。

    オリジナルの御朱印帳も、雅楽器を中心に描かれています。

    御朱印は、左下に押された狛犬が特徴的。下神明天祖神社の狛犬は、品川区でも最大級の大きさなんだとか。

    一風変わった取り組みとして、関東にある神社10社を自転車で巡るイベント「ツール・ド・御朱印」があります。宮司さんがサイクリング好きということから始まった企画なんだそう。北は栃木、南は神奈川まで、協力的な神社さん同士で連携し、2018年9月に開始。境内には、自転車を置いておくスポットもきちんと備えています。

    また、雅楽の普及を目指し、月1回日曜日に雅楽演奏会を境内で開催しています。雅楽演奏会の時限定の特別な御朱印もいただける日です。普段なかなか見られない、雅楽の世界。この機会にぜひ足を運んでみては。

    下神明天祖神社
    ・住所 東京都品川区二葉1-3-24
    ・TEL 03-378207-349
    ・URL  http://shimo-shinmei.jp/

    いかがでしたか? 神社ではマナーをもって参拝し、きちんと神社の神様に向き合ってから御朱印をいただきましょう。(執筆協力:年永亜美 編集:ノオト)

    (掲載情報は2020.2.1公開時の情報です)

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