東京・品川区内で楽しむ「あんこ」の魅力
今日は、あんこを使ったおやつが食べたい気分。大福やおはぎの人気店から、絶品あんバターサンドを味わえるベーカリーまで、つい立ち寄りたくなるお店が品川区には大集合しているんです。今回は、おいしいあんこのおやつが楽しめる品川区内の5店を紹介します。(2024.2.24)
1. 早めの時間にゲットしたい”つぶしあん”の豆大福 和菓子店「高松屋」(大崎)
JR大崎駅から徒歩5分、百反通り沿いにある和菓子店「高松屋」。開店前には列ができることもある人気店です。
店主の高地寿樹さんは老舗有名店で高校時代からアルバイトを始め、17年間の修業を経て2016年に同店を開きました。
店内には、大福やお団子、お赤飯など8種類ほどの商品が並びます。保存料などを一切使わず、その日のうちにおいしく食べられるものを提供するのも、こだわりのひとつ。
早い時では午前中に売り切れる商品も。地元の方はもちろん、周辺で働くビジネスパーソンが手土産に買っていくことも多いそうです。最近は、周辺のホテルに宿泊する海外からの観光客がお店を訪れることも増えてきたとか。
「どの商品も素材のよさを引き出すように作っています」と高地さん。そんな高松屋でぜひ手にとってほしいのが、こちらの豆大福。手作業で仕上げる美しいフォルムに、思わずうっとり。
あんこは、焦がさないように毎日9時間ほどかけて炊く「つぶしあん」。あずきの皮をあえて残すことで、つぶあんの食感とこしあんに近いなめらかさ、両方の食感を楽しめます。
ごろっとした赤えんどう豆の塩っ気、それらすべてをやさしく包む餅生地によって、甘さとしょっぱさが絶妙なバランスに仕上がっています。食べ終わるのがもったいないと思いながらも、食べ進める手が止まりませんでした。
一番人気の「いちご大福」(350円、大=400円)は、イチゴの大きさ別に2種類を用意。
糖度の高い博多のあまおうを、贅沢にまるごと使用。イチゴや大福の味をしっかり味わえるよう、こしあんで仕上げます。
「開店当時から、地域の催しなどに呼んでいただけることも多くて、近隣のみなさまに本当に良くしていただいているなと。家族3人、これからも積極的に地域のみなさんのお力になれたらと思っています」と高地さん。
一つひとつ丁寧に作られた和菓子は、つい誰かにおすすめしたくなります。そんな「幸せのお裾分け」をしたくなるおいしさこそが、高松屋さんの人気の理由かもしれません。
・住所 東京都品川区西品川3-16-2 ・電話番号 03-4296-6530 ・営業時間 10:00〜売り切れ次第終了 ・定休日 日曜・月曜
2. バターぎっしり! 迫力満点のあんバターサンド「Yummy Bakery」(立会川)
次に紹介するのは、京急本線・立会川駅から徒歩4分の「Yummy Bakery(ヤミーベーカリー)」。国産小麦100%のおいしいパンがそろうお店です。
毎日焼き上げるパンは、多い時で40種類ほど。4種類もあるメロンパン(180円〜)や、牛すねカレーパン(250円)、チェダーチーズ&ハラぺーニョ(260円)、明太フランス(210円)などなど……目移りしてしまう豊富なラインナップ。
「一番のおすすめを聞かれると困っちゃいますね。どのパンも私自身が本当においしいと思って出しています」と話してくれたのはシェフの三橋健さん。
三橋さんは、六本木のベーカリー「ラトリエ・デュ・パン」でシェフとして働いたのちに独立。2015年にご自身の地元・立会川でお店を開きました。
そんなヤミーベーカリーで紹介したい「あんこ」の逸品は、冷蔵コーナーの「あんバターサンド」。
甘さ控えめな北海道十勝産のつぶあんを、ハード系のパンで包んだ一品。一緒にサンドされたバターの量は、なんと25グラム!
一口食べると、小麦、つぶあん、バターの香りが口の中に広がります。相性抜群とはまさにこのことで、パクパクと一瞬で食べ終わってしまいました。バターたっぷりでも全然重くない!
「パンは水分を多めに、イーストを少なめにして、しっとりシンプルに仕上げました。あんことバターのバランスもこだわっています。バターをたっぷり使った見た目はインパクトがあると思うので、ぜひ一度手にとってみてください」と三橋さん。
一度食べると、絶対にリピートしたくなる。そんな魅惑的なあんバターサンドとの出会いとなりました。
・住所 東京都品川区南大井1-8-3 ・電話番号 090-4810-8383 ・営業時間 11:00~19:00 ・定休日 日曜・月曜 ・URL https://www.facebook.com/YummyBakerytachiaigawa/
3. 大正時代から続くお米屋さんの自信作、握らないおはぎ 「沖田精米」(旗の台)
東急大井町線・旗の台駅から徒歩5分、三間通り沿いの商店街にある「沖田精米」。創業98年、大正14年から地元の方々においしいお米を提供し続ける、老舗のお米屋さんです。
同店で精米した全国各地のフレッシュなお米をはじめ、雑穀、つき立てのおもち、和菓子、お赤飯などなど、店内には種類豊富な商品が並びます。
そんな沖田精米でぜひ手にとってほしいのが、こちらの「おはぎ」。「お米のおいしさを生かした商品を作ったら喜ばれるのでは」という、2代目のアイデアから生まれたそう。
つぶが大きく甘さ控えめのつぶあんは、北海道産のあずきを前日から仕込み、当日に火入れした出来立てです。風味豊かなもち米は、福井県の農家さんから質のいいものを仕入れます。
平日は約100パック、土日は200パックほど作りますが、すべて午前中に完売してしまうほどの人気っぷり。
人気の秘密は、「握らない」こと。おはぎといえば、丸めたもち米をあんこやきなこで包むのが一般的ですが、沖田精米では自慢のもち米の上につぶあんをたっぷりかけて提供しています。
「あえて握らないことで、つぶあんともち米の食感と風味を楽しめるのが、うちのおはぎの特徴です」。そう話してくれたのは、2年前に家業を継ぎ、5代目を務める沖田吾一さん。
「おはぎと言えば、あんこときなこはセットでしょう」という方は、ぜひ「きなこおはぎ」もご一緒に。こちらは丸めた形状で、また違ったもち米の食感が味わえました。
もっと若い世代にお店のことを知ってもらいたいと、5代目の沖田さんはSNSでの発信を開始。おはぎにも新たな工夫を重ね、よもぎ・黒米・五穀米を使った「日替わりおはぎ」を考案しました。常連さんからも好評です。
「若い世代の方は昔ほどお米を食べなくなったと聞きます。うちのおはぎを知ってもらうことで、お米のおいしさを知るきっかけになればうれしいです」と話してくれました。
もち米とあんこの食感をたっぷり楽しめる、沖田精米のおはぎ。気になる方は、午前中を狙って来店してみてくださいね。
・住所 東京都品川区旗の台4-6-3 ・電話番号 03-3781-6557 ・営業時間 10:00〜20:00 ・定休日 日曜・月曜・祝日 ・URL https://www.instagram.com/okitaseimai/
4. 和菓子職人×大道芸人の店主がつくる、サクサクもなか「菓子や彦一」(武蔵小山)
東急目黒線・武蔵小山駅から徒歩12分ほど、荏原第一中学校の真裏にある「菓子や彦一」。大きな木目の看板が目印です。
店主の彦一さんは、和菓子職人と大道芸人の二刀流で活動中。大道芸人として全国各地に出向いた際はその土地の和菓子を食べ、新しい和菓子のインスピレーションが生まれることもあるとか。
2010年に静岡で開業したのち、2022年に武蔵蔵小山へ移転しました。「移転先にはいくつか候補があったのですが、街の雰囲気に一目惚れして。もう即決でしたね」と彦一さん。
店内には、豆大福、どら焼き、水菓子など、5種類ほどの和菓子が並びます。
ぜひおすすめしたいのが、「千代寿もなか」(2個=520円、4個=940円、6個=1320円)。名前からして縁起が良さそうですが、注目どころは「食べ方」にあります。
菓子や彦一では、皮とあんこを別々で提供し、食べる人が自分でもなかを完成させるスタイル。皮のパリパリ感を楽しめます。
2日かけて丁寧に仕上げたあんこは、兵庫産の丹波大納言(たんばだいなごん)を使用。つぶが大きく、風味が強いのが特徴です。
口の中に入れると、皮はパリパリ、あんこはふわっとやさしく甘く、今まで食べてきた「もなか」とはちょっぴり違う「特別感」を感じられました。サクサクもなかと、おいしいあんこの相性に感動……。
彦一オリジナルの「麩まんじゅう」も、アイデア商品のひとつ。
青のりを混ぜるのが麩まんじゅうのセオリーのところ、代わりによもぎを入れるすることで爽やかな風味に。北海道産の朱鞠(しゅまり)あずきを使ったみずみずしいこしあんで、くちどけよく食べられます。
「その人、その場所にあった和菓子を考えて作るのが好きなんです。毎月28日に開催されれる目黒不動尊の縁日では、目黒不動尊に合わせた絵柄や芋あんを使った『目黒不動尊開運もなか』も販売しています。ぜひ立ち寄っていただければ」と彦一さん。
一つひとつに想いがこもった和菓子をぜひとも食べてみてください。
・住所 東京都品川区荏原1-24-40 ・営業時間 10:00〜18:00 ・定休日 月曜 ・URL Facebook https://www.facebook.com/kashiyahikoichi/ Instagram https://www.instagram.com/hiko1dango X https://twitter.com/hiko_1
5. 【閉店】「飲むあんこ」の可能性は無限大! フルーツサンド店「築地果汁創作所」(大井町)
※「築地果汁創作所 大井町店」は、2024年2月29日をもち閉店しました。(https://www.instagram.com/tsukijikajuu/)よりご確認ください。
大井町駅から徒歩7分ほどの場所にある「築地果汁創作所 大井町店」。2017年、築地場外市場にコールドプレスジュース店としてオープンするも、コロナ禍で閉店。その後、思い入れのある「築地」の名はそのままに、ここ大井町でフルーツサンド専門店として復活しました。
お店に入ると、旬のフルーツを贅沢に使ったフルーツサンドがずらり。カットフルーツやパフェなども販売しています。
そんな築地果汁創作所で一際目をひく存在が、こちらの「theANko」(各400円)。おにぎり1.4個分のエネルギーを手軽に補給できる、「飲むあんこ」ドリンクです。
北海道産あずきとザラメのみを使うことで、甘さをゆるやかに感じられるようにしたのだとか。
theANkoを考案した平子勝之進さんは、「水泳選手が糖質補給のためにあんこを食べている姿をみて、アスリート向けにエネルギー補給ができるあんこ商品を作れないかと思いつきました」と話します。自身もアスリートだった経験を生かし、タンパク質と糖質を低脂質でおいしく補給できるよう、アイデアを練ったのだそう。
普段のおやつにもぴったり。食パンにかけてあんバタートーストにしたり、お湯に溶かしてぜんざいにしたり、そのまま凍らせてアイスにしたり、食べ方のアレンジは無限大です!
手を汚さず、洗い物を出すことなく、必要な分だけあんこを取り出せるパッケージも魅力的。小さなお子さんからご年配の方まで、おいしく、そして簡単にあんこを楽しめます。
「手軽に栄養補給できることから、医療従事者や被災地支援者にも活用してもらっています。ポケットに忍ばせておけば、サッと時間をかけずに食事ができるので、アスリートはもちろん、忙しい方にぴったりです」と平子さん。
あんこがより身近な存在になるtheANko。筆者は食べ応えのあるつぶあんをそのままいただくのが好みでした! みなさんもお気に入りの食べ方を見つけてみてくださいね。
・住所 東京都品川区大井1−37−8−102号室 ・営業時間 11:00-17:00 ・定休日 なし ・URL https://tsukijikajuu.tokyo/
※「築地果汁創作所」は、2024年2月29日をもち一時閉店いたします。最新の情報は、公式SNS(https://www.instagram.com/tsukijikajuu/)よりご確認ください。
品川区でおいしいあんこが楽しめる5店を紹介しました。さまざまな味わいで、ほっこり幸せな気持ちになるあんこ。ぜひ今回ご紹介したお店に立ち寄ってみてくださいね。
※記事中の店舗情報は2024年2月上旬の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。
(取材:はせがわみき 編集:森夏紀/ノオト)
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