戸越公園エリアのおしゃれスポット5店
東急大井町線の戸越公園駅。駅名にもなっている戸越公園をはじめ、周辺には文庫の森や戸越八幡神社といった心地よい休憩スポットがたくさん。駅の南北には「戸越公園南口商店街」「戸越公園中央商店街」「宮前商店街」がつらなり、戸越銀座商店街から歩いてくることもできます。まさに穴場のお散歩エリアです。
そんな戸越公園エリアでは近ごろ、ユニークな新しいお店が次々とオープン。散歩の途中で立ち寄りたい、注目の5店に伺いました。(2024.4.26)
1. 現地のレシピで作る台湾ルーロー飯をめしあがれ「おかかキッチン」
戸越公園駅から徒歩3分、南口商店街「ホッ…とストリート」から一本入った路地に店を構える「おかかキッチン」。2023年にオープンしました。
おかっぱ頭の看板が地域の人にも親しまれている様子。「店の外から『いま“おかか”の前にいるよ』って電話する小学生の声が聞こえてきたりします」と笑うのは、店主のおかかさん。かか(母)としてお子さんを育てながら、キッチンカー営業と並行してこの店を営んでいます。
数年前、旅行で訪れた台湾がとても気に入ったおかかさん。朝から屋台がならび、一人でも気軽に食事できる雰囲気に心ひかれたそう。「おかかキッチン」を開くときに浮かんだのが、そうした台湾の風景でした。
台北の料理人から教わったレシピで作る魯肉飯(ルーローハン)は、豚ばら肉を台湾産のしょうゆや酒で煮込み、13種類のスパイスを使いながらもやさしい味わい。セットメニューには日替わりの小鉢と卵スープがつきます。
このほか、低温調理した鶏胸肉にたれをかけてさっぱりと仕上げた鶏肉飯(ジーローハン)も。両方気になる人はハーフ&ハーフをぜひどうぞ。テイクアウト時は、キッチンカーで培った手早さで包んでくれます。
カウンターに腰かけて、昼からぐいっと台湾ビールを飲むのも一興! 小鉢(170円〜)や、つまみセット(440円)も用意します。デザートには、タピオカ粉で作る「もちもち杏仁豆腐」(330円)も。
オープン以来、夜の時間帯に間借り営業していたフレンチとワインの店「アトラ食堂」は、この春に独立。荏原中延に店を構えます。
おかかキッチンを通して「やりたいことがある人、これから店を持ちたい人の力になれたら」と考えているおかかさん。新しく入ってきてくれたスタッフはキッチンカー営業に意欲的で、今後は店舗とキッチンカー、どちらもいっそう力を入れていきます。
戸越公園エリアに流れるおだやかな空気を感じながら、口の中に広がる台湾の味をかみしめて。肩肘はらず、なんだか元気が出てくるお店です。
おかかキッチン ・住所 東京都品川区戸越6-20-6 ・電話番号 070-8333-0330 ・営業時間 11:30〜14:00 ・定休日 土曜・日曜・月曜 ・URL https://okakacar.wixsite.com/okaka Instagram https://www.instagram.com/okakakitchen
2. バゲットピザにクラフトソーダ、日常に発見を生み出すカフェ「THE CAMPUS STAND」
「おかかキッチン」からほど近く、こちらも2023年にオープンした「THE CAMPUS STAND(ザ キャンパス スタンド)」。
文具メーカーのコクヨが運営する複合施設「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI」1階に店を構え、オープンな雰囲気で街の人たちを迎えます。
フードやドリンクはテイクアウトOK。ベビーカーでの入店も歓迎です。
「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI」では、店内で仕込んだ自慢のソースをベースにした数種類のバゲットピザや、ハーブやスパイスを組み合わせたオリジナルシロップのクラフトソーダが楽しめます。
店頭のショーケースには、看板メニューのバゲットピザや色鮮やかな惣菜、焼き菓子などが並びます。今日の気分で選んでみましょう!
今回はデリセットを注文。バゲットピザは、シュレッド・モッツァレラ・パルメザンがとろける「トリプルチーズのマルゲリータピザ」と「焼き野菜のカポナータピザ」の2種類をハーフ&ハーフで。惣菜の盛り合わせと一緒に、ワンプレートでいただきます。
この日のラインナップは、キャベツとベーコンのキッシュ、レンコンのコールスロー、雑穀のポテトサラダ、キャロットラペ、ミニコーンスープ。何から食べようかわくわくしますね。ハーブとスパイスを使ったクラフトコーラレモネード(770円)はすっきりした甘さで、特別感のある味わいです。
月に一度、荏原にある「たいやき と」とのコラボメニューが登場します。「たいやき と」のファンであるスタッフがお店に通い、実現しました。
国内外のクラフトビールや、鳥取発のノンアル・ローアルコールビールCIRAFITTI(シラフィティ)などのドリンクも充実。金曜・土曜・日曜には生ビールも飲めちゃいます。
2024年1月には戸越・荏原エリアのクリエイターが集まったマーケットイベント「とととごしと」を開催。今後もさまざまな催しを企画していくそうです。
全国のさまざまな作り手と関わり、こだわりを持って生み出された食事やアイテムを提供する同店。ここに来れば、生活がちょっと楽しくなるきっかけが見つかるかも。そんなTHE CAMPUS STANDから今後も目が離せません。
THE CAMPUS STAND ・住所 東京都品川区戸越6-19-16 ・営業時間 11:30〜19:00(金曜・土曜は21:00まで) ・定休日 火曜、年末年始 ※祝日の火曜は営業し、翌平日休み ・URL https://flats.the-campus.net/foodstand/
Instagram:https://www.instagram.com/the_campus_stand_official
3. 沖縄・石垣島の手しごとを伝えるショップ&ギャラリー「かさねあわせ」
戸越公園駅の北口に続く「戸越公園中央商店街」を通り抜け、交差点を渡った先は宮前商店街。この通りに2022年にオープンしたのが「かさねあわせ」です。
大きな白いのれんが、波のように風にはためきます。店舗デザインは、同じく宮前商店街で建築設計事務所兼サンドイッチカフェを営む「spread it」が手がけました。
「かさねあわせ」店長の関智哉さんは上大崎の小学校を卒業後、イギリスへ。現地で学生生活を送り、大学では海洋学を専攻。趣味のダイビングで沖縄・石垣島を訪れていたことが、現在のお仕事につながっています。
伝統技術と新しいアイデア、日本と海外の交わりといった「かさねあわせ」を大切にする同店。器や工芸品、食品など、沖縄本島や石垣島を中心に全国各地の作家の品をそろえます。
はじめに見せてもらったのは、石垣島・アンパル陶房の器。貝殻を練り込んだ土と釉薬で仕上げる「透磁」シリーズはガラスのような手触りで、光にかざすと水中のような透けた質感に。ゆのみ(6,500円)や中鉢(8,100円)などが贈り物に人気です。
首里城の屋根にも使われていたという琉球錫(すず)は、戦争を経て一度はその技術が失われてしまいました。そんな錫工芸を復興する「金細工まつ」の皿や一輪挿しは、静かな光をたたえる存在感が魅力です。
華やかな模様が目をひく琉球紅型(びんがた)のかばんなど、店内にはさまざまな品がならびます。作り手や製法など、気になることはぜひ関さんに聞いてみましょう。
店内では作家を招いてワークショップを開催することも。昔ながらの店と新しい店が混在する宮前商店街で、さまざまな出会いを生み出しています。
かさねあわせ ・住所 東京都品川区戸越4-2-9 ・営業時間 11:00〜19:00 ・定休日 月曜、不定休あり ・URL https://www.kasaneawase.jp/
4. 自分だけの一着を探そう! キッズ服も充実のアメリカ古着・雑貨店「Future Motel」
同じく宮前商店街から、好対照なもう一店。古着店「FUTIRE MOTEL(フューチャーモーテル)」は、にぎやかな店構えで通りを歩く人を出迎えます。
「ローカルな雰囲気の場所が好きなので、戸越が自分に合ってました」と話すのは、店主のノブオさん。中学生の頃から古着や雑貨が大好きで、デザイナーや雑貨店の店長を経て、2023年にこの店をオープンしました。
店内に入ると、カラフルな視界に心が躍ります。1970〜80年代のアメリカ古着を中心にセレクトし、バックヤードを含めるとアイテム数は約350点。価格は1着5,000円〜7,000円がボリュームゾーンです。
ノブオさんがいいと思ったものがぎゅっと集まった同店は、ディスプレイも個性的。
「この店、もとはコインランドリーだったんです。洗剤の自動販売機や蛇口は、面白いのでそのまんま残しました」(ノブオさん)
近隣は住宅街、店の裏手は小学校という立地柄、子ども服にも力を入れます。ビートルズの面々がプリントされたロンパースなど、ユニークなキッズアイテムがずらり。今後は子どもが楽しめるおもちゃをもっと仕入れていくそう。
「なるべく入りやすい店構えにしているつもりだけど、遠慮されたり店の存在に気づいてもらえないこともあるんです。『何かないかな〜』くらいの気軽さで立ち寄ってほしいな」とノブオさん。
カップやキーホルダーなどの生活雑貨から、「これは何!?」と思わず手に取りたくなるものまで、雑貨も充実。オリジナル商品も作っていく予定です。
「近所の高校生がやってきて、ふらっと話したりするのも楽しい」とノブオさん。オンラインショップも開設していますが、「お店に行く楽しさってこういうことだ!」と実感できるのが同店の素敵なところ。自分にとってのベストアイテム、ぜひ探してみてください。
Future Motel ・住所 東京都品川区戸越4-5-12 ・電話番号 03-6426-1616 ・営業時間 12:00〜19:00 ・定休日 火曜、水曜、不定休 ・URL https://futuremotel.official.ec/
5. 駅から徒歩10秒、ランチもにぎわう洋風バル「THREE PiECE」
最後に紹介するのは、戸越公園駅の改札前に店を構えるバル「THREE PiECE」。2023年末にオープンしました。
店主の伊藤浩平さんはお隣の大田区出身。パンクバンドのギターボーカルとして活動後、飲食の道へ。洋食を中心に20年以上の経験を経て今回の出店に至りました。
店名の「THREE PiECE」は伊藤さんの実家の工場「三和」に由来します。ファンであるガールズグループにちなんで、「i」は小文字にしたのだとか。
ランチタイムにもおすすめの同店。ゆったりとした店内は奥にソファー席もあり、お子さんと一緒でも落ち着いて食事ができそうです。カウンター席には電源があり、混み合っていなければパソコン作業もOK。
人気メニューの「オムライス」(1,380円)は、オムレツを開くとふわとろの卵が皿に広がります。ソースはトマトとデミグラスの2種類から選べ、サラダとドリンク付きです。
このほか、食べ応えたっぷりな「厚切りキッシュと7種のサラダプレート」(1,280円)なども。
夜はイタリアンを中心にした創作料理を用意。低温調理した牛肉にハーブとスパイスを利かせた「牛もも肉のローストビーフ」(1,150円)は、マッシュポテトとともにトリュフソースをつけていただきます。
「エビとマッシュルームのアヒージョ」(780円)や「牛すじのラグーパスタ」(1,180円)といった洋風メニューのほか、「鯛の昆布〆カルパッチョ〜わさび醤油のビネグレット〜」(800円)など和のアクセントを加えた一品も。
ドリンクの目玉は、4タップのクラフトビール。この日は福来(ふくれ)みかんを使ったIPA「常陸野ネスト だいだいエール」(750円)をいただきました。華やかながら、IPAらしい苦みが心地いい一杯です。
「やっぱりお客さんには楽しんでもらうのが一番。料理はもちろん、コミュニケーションも大事にしています。好きな音楽について話しかけてもらえることもあって、うれしいです」と伊藤さん。昼も夜も、アクセス抜群のTHREE PiECEでお腹を満たしていきませんか?
THREE PiECE ・住所 東京都品川区戸越5-18-7 ・電話番号 03-6426-6333 ・営業時間 11:30〜15:00(土曜・日曜は16:00まで)、17:00〜22:00 ・定休日 月曜 ・URL https://www.instagram.com/three_piece6333
のどかな雰囲気が漂いつつ、個性的なお店がたたずむ戸越公園エリア。宮前商店街のさらに先まで足をのばすと戸越銀座商店街に行き着きます。商店街がつらなる品川区ならではのお散歩を、ぜひ楽しんでみてください。おだやかな町並みを歩けば、思ってもみなかった発見があるかもしれませんよ。
※記事中の店舗情報は2024年4月中旬の内容です。店舗の営業時間、提供内容は変更となる場合がありますのでご了承ください。
(取材:森夏紀/ノオト 編集:阿部夏美/ノオト)
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